カブドットコム証券とじぶん銀行が資本異動・業務提携を発表。これから何が変わる?
三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の三菱UFJ証券ホールディングス株式会社(MUSHD)と株式会社三菱UFJ銀行(三菱UFJ銀行)、通信大手KDDI株式会社(KDDI)の3社は、2019年2月12日にカブドットコム証券とじぶん銀行の資本異動について合意したことを公表しました。
金融サービスと情報技術を結びつけるフィンテック強化の一環として合意した今回の資本移動により、カブドットコム証券にはどのような影響があるのか、その内容を見てみましょう。
TOBの内容と今後のスケジュール
今回発表された内容では、本TOBを通じた当社株式及び本新株予約権の取得及び保有等を目的として設立されるKDDIがその持分の全てを保有する予定の買収目的会社(LDF合同会社)を設立、公開買付者であるLDF合同会社となることが発表されています。
TOBの買付条件を見ると、2019年2月12日の終値529円に対して普通株式1株あたり559円の買い付け価格を提示、新株予約権は1個につき1円の条件で募集となっています。
異動前の株式保有割合
異動前 (2018年9月30日現在) | 移動後 |
---|---|
三菱UFJ証券ホールディングス株式会社 52.96% | 三菱UFJ証券ホールディングス株式会社 51.00% |
株式会社三菱UFJ銀行 6.31% | LDF合同会社 49.00% |
今後のスケジュール
- 2019年4月(予定):KDDI(LDF合同会社)による本TOBを実施
- 2020年3月末まで(予定):「auカブコム証券株式会社」への社名変更
今回の資本移動と業務提携の背景と目的
KDDIとカブドットコム証券は現物株式売買手数料の割引サービスである「auで株式割」をはじめとするサービスを展開するなど、MUFGとKDDIは、ネット金融ビジネスにおいて、さまざまな協業を実現してきました。
今回の資本移動と業務提携により、MUFGの国内個人3,400万人と国内法人130万社の強固な顧客基盤と金融ノウハウ、KDDI(au)の約4,000万の契約者と約1,500万を超える「auスマートパス」会員、決済プラットフォームなどの基盤とITノウハウを融合してカブドットコム証券と同時に資本移動・業務提携が進められるじぶん銀行の企業価値向上に向けた各種取り組みを進めるとしています。
カブドットコム証券は「auカブコム証券」に改称
MUSHDとKDDI、カブドットコム証券は、本TOBの成立を前提に、カブドットコム証券の事業をネット専業証券上位の競合他社に匹敵する規模拡大を目指しています。
具体的には、MUSHDの継続的支援とKDDIの顧客基盤からの送客によりカブドットコム証券の顧客基盤の拡大と商品力強化に注力して企業価値を最大化させること、および社名を「auカブコム証券」に変更することに関して合意し、本日付で業務提携契約を締結しています。
まとめ
手数料引き下げや提供商品の充実などのネット証券の中でもサービス競争により、ネット証券の中でも徐々に差が付きはじめています。
今回のMUFGとKDDIの手動による資本移動と業務提携はネット証券の中でも立ち遅れが目立つカブドットコム証券(auカブコム証券)の挽回への一手となるか、今後の動向には要注目と言えそうです。
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