ウォンテッドリー(3991)が9月14日、東証マザーズに新規上場/ビジネスSNS「Wantedly」の企画・開発・運営を手掛ける
ビジネスSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)「Wantedly」の企画・開発・運営を手掛けるウォンテッドリー(3991)が9月14日、東証マザーズに新規上場する。創業者である仲暁子代表取締役CEOは京都大学卒業後にゴールドマン・サックス証券に入社、Facebookジャパンの初期メンバーに参画した逸材として、メディアでも取り上げられる事が多い若い女性経営者だ。こうした話題性や事業の特殊性から、市場の関心は極めて高い。
ウォンテッドリーは、全てのビジネスパーソンのためのプラットフォームを基本コンセプトに、会社訪問マッチングサービス「Wantedly Visit」を主力として、名刺管理アプリ「Wantedly People」、ビジネスチャット「Wantedly Chat」、メディアプラットフォーム「Wantedly Feed」等のサービスを提供している。個人ユーザーには、企業採用担当者と直接つながるマッチングサービスや名刺管理アプリなどを無料で提供。その一方で、企業ユーザーからは求人広告の掲載や応募者管理などが行えるツールを月額30,000円からという低価格でサービスしていることが成長の原動力となっている。その結果、今年6月末時点の登録数は個人ユーザーが約80万人、企業ユーザーは23,000社超。未登録者を含むプラットフォームへの訪問件数は月150万件に達している。
ビジネスモデル的には「求人情報・求人紹介」などの人材ビジネスの領域だが、既存の企業と異なる点はFacebookやTwitterなどと同様に、個人のつながりを基本としていることにある。経営ビジョンや企業の価値観などを押し出すことで企業内関係者と個人を結ぶネットワークを構築し、転職潜在層の掘り起こしに効果を発揮している。そのため、個人ユーザー層はSNS世代である20歳代から30歳台が全体の約8割を占めている。認知度アップなどから、企業のサービス継続率が向上することも収益構造に影響してくる。なお、今年2月時点での企業ユーザー継続率は1年超が36%、2年超が43%となっている。
また、2015年6月には日本経済新聞社と資本業務提携を締結したほか、2016年11月にはシンガポールに海外初となる現地子会社を設立しアジア展開も視野に入れている。
会社側の2018年8月期業績見込みは、売上高16億2700万円(前期比30%増)、経常利益1億9400万円(同38倍)、1株利益29.38円(前期実績見込0.83円)。
上場にあたって、仲暁子CEO、第二位大株主のサイバーエージェントなどを対象に90日のロックアップを設定。ただし、公開価格の1.5倍以上での解除条項をつけている。市場からの資金調達は1億5000万円程度の超軽量級IPO案件で、事業の新規性や話題性などから公開価格に対する初値はかなりの高騰が予想される。