UUUM(3990)が8月30日、東証マザーズに新規上場/YouTuberのマネジメント業務・プロモーション業務を展開
「HIKAKIN」「はじめしゃちょー」といった多数の著名YouTuber(ユーチューバー)のマネジメント業務・プロモーション業務を展開するUUUM(3990)が8月30日、東証マザーズに新規上場する。グッズ販売、動画コンテンツ・ゲームアプリの制作等も手掛け、YouTuberに特化した芸能事務所の顔を持つ本格的なYouTube関連銘柄だ。
現社長の鎌田和樹氏は19歳で通信業界入りし、ソフトバンクショップの運営などを経て、2013年6月に同社を設立、4年2カ月でのスピード上場を果たす。設立以来、ヤフージャパン、デジタルハリウッド、ガジェット通信、松竹芸能、VOYAGE GROUPの連結子会社と次々に業務提携し急成長。ユニークな社名の由来は、社名を検討した時の「うーむ」という考え込んだ声がきっかけになったともされている。従業員数は6月末時点で147名。
有名YouTuberとなると年収で億単位を稼いでおり、多くの著名YouTuberが所属している。専属YouTuberは178名、ネットワークYouTuberを含めた所属チャンネルは4526チャンネルに達している。収益構造は企業から受注した案件と、所属YouTuberによる動画広告収入の一部。人気YouTuberがそろうリアルイベント「U-FES」や「ファンミーティング」、大手出版社の講談社と共同運営する「ボンボンTV」、米国JukinMedia社との提携で運営する「VideoPizza」、DeNAと共同運営する「ビタミンDe!」などの番組制作料、広告収入なども収益源となっている。
成長期待が大きいなか、「ステルスマーケティング問題」、「上場後のYouTuberの発言内容」、「有力YouTuberの独立問題」などがリスクと考えられ、この辺りをいかにコントロールするかが同社成長のポイントともなってきそうだ。
会社側の今2018年5月期業績予想は、売上高89億7900万円(前期比28.6%増)、営業利益4億円(同11.6%増)、経常利益3億8100万円(同8.9%増)、当期利益2億5900万円(同0.8%増)で、配当は無配継続。YouTuberのサポート強化を通じた新規YouTuberの獲得、既存YouTuberの成長を目指すとともに、営業人員強化を通じた広告収益の拡大、チャンネル運営・グッズ・イベントといった事業のさらなる拡大、新たな柱となる新規事業の立ち上げを目指す。なお、ゲームはリリース済みゲーム17タイトル、今期投入予定のゲームは4タイトルとしている。
想定価格1880円に対して仮条件価格は1880円から2050円と上振れており、上場前人気はその話題性からかなり高い。上場に伴う市場からの資金吸収額は約12億円と軽量。IPO閑散期の単独上場という環境も追い風に働く。ただし、上場前大株主の第2位と第3位はベンチャーキャピタルで合わせて発行済み株式数の32.4%を所有している。ロックアップはかかっているが、公開価格の1.5倍での解除条項がついている。このベンチャーキャピタルの売り動向が初値と上場直後の株価パフォーマンスを左右しそうだ。
なお、最も著名なYouTuberである「HIKAKIN」は60,000株を保有する第10位大株主。このほか、「HIKAKIN」の実兄「Seikin」、「はじめしゃちょー」等の有力YouTuberが数千株を持つ株主となっている。