トランザス(6696)が8月9日、マザーズに新規上場/IoT端末や機器装置の製造販売およびシステム・サービスの提供ならびに業務システム等の受託開発
IoT端末や機器装置の製造販売およびシステム・サービスの提供ならびに業務システム等の受託開発を手掛けるトランザス(6696)が8月9日、マザーズに新規上場する。IP放送、VODなどネットワークを介して映像を再生するセットトップボックス(STB)や、業界ごとの異なる仕様に対応するウエアラブル端末、バーコード読み取り機能付きウェラブルデバイスを受託生産している。
現社長の藤吉英彦氏が1995年1月に、静岡県静岡市に立ち上げた企業を起源に、1999年のインターネットマンションサービス、2002年のSTB取り扱いの開始が成長の原点となった。2006年には映像配信分野に対するIoTソリューションサービスを開始、2008年には世界初立体裸眼3DTV対応STBを開発している。ソフト開発からターミナル(端末)製造、システム・サービス、メンテナンスまでをワンストップで提供していることが特徴だ。
映像配信分野ではホテル・病院、官公庁、企業、販売営業支援分野では、大型公共施設、娯楽施設、小売り、冠婚葬祭業、作業分野では工場などが主要ユーザーとなっている。
ウエアラブル機器の製造は台湾。中国のメーカーに委託するファブレス型企業。垂直統合のワンストップ型サービスとともに、競合が少ない小ロットでの生産に対応していることが特徴となっている。また、今年2月にシンガポールに販売子会社、台湾にR&Dセンターとなる台湾支店をそれぞれ設立し、海外展開の加速を目指している。
前2017年1月期業績は、売上高10億5100万円(2016年1月期比2.3%増)、営業利益1億7700万円(同8.2%減)の増収減益決算。今1月期第1四半期(2-4月)は、売上高2億2100万円、営業利益1900万円を確保している。
上場前大株主には、第5位にカー用品販売、ブライダル事業、不動産を展開するジャスダックのアイエーグループ(7509)、6位に投資会社のインテルキャピタルが存在するが、それ以外はほとんど個人所有。アイエーは昨年コンピーターソフト事業をトランザスに事業譲渡している。この2社にはロックアップがかかっていないが、社長および上位個人株主の多くには90日間のロックアップと1.5倍の解除条項が付いている。前期の業績成長が鈍化していることが気にかかるものの、市場人気が高いIoT関連企業で、久々の電機業種ポスト企業の登場とあって、市場人気は高まりそうだ。