SYSホールディングス(3988)が6月30日、ジャスダック・スタンダードに新規上場/システムの開発、ソリューション提供を中核とする総合情報サービス事業
愛知県名古屋市に拠点を置くSYSホールディングス(3988)が6月30日、ジャスダック・スタンダードに新規上場する。前身は1991年創業のソフトウエア開発企業エスワイシステムで、2013年に株式移転により同社が設立された。国内連結子会社5社、海外連結子会社1社で構成され、システムの開発、ソリューション提供を中核とする総合情報サービス事業を展開している。
「グローバル製造業」「社会情報インフラ」「モバイル」の3分野に大別されるソリューション事業を展開していることに特徴がある。
「グローバル製造業」では、自動車、重工業、工作機械、鉄鋼関連を主要顧客に、品質管理や調達管理、物流管理効率化のITを提供。なかで足元では、自動車向けEUC(電子制御ユニット)開発・検証ニーズが高まっている。
「社会情報インフラ」は、エネルギー関連、金融関連、不動産関連の各企業、官公庁・自治体などが主要顧客となり、基幹システムの開発やITインフラ構築・運用を担う。ビッグデータ処理・解析といったサービスを提供し、規制緩和によるエネルギー分野で引き合いが増加。クラウド、ビッグデータ処理・解析、AR、VR等でのソリューション提供の実績もある。「モバイル」は、法人向けにモバイル端末向けのアプリケーションを、流通、医療・介護、鉄道領域の事業会社に開発し提供している。管理部門と外勤スタッフとの連携、データの一元管理が出来るシステムを展開している。
現状では、「グローバル製造業」と「社会情報インフラ」が売上高のほとんどを占めて割合も拮抗(きっこう)、売上高の10%を超える特定の顧客もないことも特徴だ。
人材確保にも特徴がある。原則、未経験者に採用を限定刷る一方、国内では、連結子会社が運営する公共職業訓練校「エスワイ・ITカレッジ」で学んだ希望者をグループ企業で採用する。一方、海外では、バングラデシュ現地採用において、就業しながら学べる日本語学校を開設し、日本での勤務を希望する成績優秀者をグループ会社で雇う。中国、韓国、インドネシア、ネパールなどでも採用実績がある。
業績動向は堅調。今7月期は売上高38億9600万円(前期比3.7%増)、経常利益1億9100万円(同10.4%増)で、年間20円配当の予定。鈴木裕紀会長兼社長が上場前で実質61%強の株式を保有し、ベンチャーキャピタルは存在しない。既存株主6名には180日間のロックアップが掛かり、解除条項の設定もない。市場からの資金吸収は9億円弱と小型のIPO案件となる。