エスユーエス(6554)が9月13日、東証マザーズに新規上場/IT、電子・化学・バイオの各分野に特化した技術者派遣、請負を展開
IT、電子・化学・バイオの各分野に特化した技術者派遣、請負を展開するエスユーエス(6554)が9月13日、東証マザーズに新規上場する。グループは自社と連結子会社2社で構成され、売上高の5%程度を占めるシステムコンサルティング事業も手掛けている。なお、社名は、同社が開発、運用したWEBを用いた技術者育成とマネジメントシステム「スキル・アップ・システム」の頭文字が起源。
主力の技術者派遣事業において、主要顧客である大手製造業各社においては、自動車・電気機器・半導体分野の業績が好調で、技術者不足も追い風に働いている。「社会人学校」というコンセプトモデルを掲げエンジニアのスキルアップを推進。従業員数は1200名超でこのうち1180名が技術者派遣要員。産学連携により独自開発した「ヒューマンスキル育成ツール」を社員教育に活用していることが特徴のひとつ。本社は京都に構え、東京、大阪、名古屋、岡山に支店、神戸、横浜に営業所を展開している。
アプリケーション開発(汎用機系・組み込み系・制御系)、システム開発、Webシステム開発、ソーシャルゲームの開発、カーナビソフトウェアの開発、ネットワーク設計・構築、サーバー設計・構築、分析、検証、評価、システムの企画・提案、コンサルティングなど手掛ける領域は広く、ソーシャルゲーム開発事業でも実績を持つ。また、エスユーエス自身がベンチャー企業としていくつもの事業を立ち上げてきたことから、培ってきた経験、ノウハウ、ネットワークを活かした事業創出も目指している。
技術者派遣業界では、需要増が見込まれるIT分野に強いことが同社の特徴だが、参入障壁が低く競合企業が多いというデメリットがある。そのため、より付加価値の高いIoT(モノのインターネット)、ビッグデータ、AI(人口知能)の技術領域、ゲーム・アプリ関連の顧客に注力する方針だ。
今9月期業績は売上高60億200万円(前期比9.2%増)、営業利益4億2400万円(同19.2%%増)、経常利益4億2200万円 (同17%増)、当期利益2億9400万円 (同17.5%増)、1株利益164.98円(前期実績134.84円)と増収増益見込み。第3四半期(10-6月)の累計期間平均稼働率は94.6%(前期比1.3ポイント減)、6月の月初め稼働人数は1011人(前期比11.6%増)で、第3四半期決算も増収増益で着地している。
技術者派遣企業は多数上場しているが、京都本社、自社開発の人口知能「朱雀」を特許出願中というところが注目されそう。第3位大株主のジャフコ系ベンチャーキャピタルは、上場にあたって90日のロックアップがかかっているが、公開価格から1.5倍以上での解除条項もついている。