初値期待度 | 2 |
---|---|
上場後株価期待度 | 3 |
上場時話題性 | 2 |
事業成長性 | 3 |
事業収益力 | 3 |

信和が3月20日、東証2部に新規上場/建設現場向け仮設資材と物流機器を展開
建設仮設資材を手掛ける信和(3447)が3月20日、東証2部に新規上場する。信和は1977年9月に岐阜県羽島市に設立された信和商店を起源に持ち、以降は複数のファンドが親会社となる変遷を経て、今回の株式上場となる。グループには連結子会社の信和サービスを持つ。事業内容としては主に、仮設資材(くさび緊結式足場・次世代足場)、物流機器(パレット等)を中心とした金属製品の製造・販売を展開。
建設現場で用いられる仮設足場において同社は、「低層~中層用のくさび緊結式足場」に強みを持っていたが、2016年度に「中層~高層用」の次世代足場を開発したことで、企業成長のきっかけとなった。次世代足場はマンション等の耐震補強工事やリフォーム等の維持改修工事のほか、道路橋などのインフラの維持修繕工事向けなどに需要が高まっている。この結果、仮設資材部門の売上高は、前2017年3月期の132億7100万円実績に対して、今期は9.4%増の145億1600万円を計画している。
一方、物流機器部門では大手自動車メーカーで使用するエンジン用パレットやミッション用パレット、フロントガラス用パレット等を製造販売するほか、大手インターネット通販会社のニーズに対応した大型物流倉庫向けラックを製造販売している。物流機器部門の売り上げ高は自動車部品の保管・搬送用パレットや物流倉庫内ラック等の需要減少から前期比1.9%減の18億8500万円と伸び悩むが、化学メーカー向け液体運搬用パレット等は堅調に推移している。売上原価的には、商品の原材料であるパイプやコイルといった鉄鋼部材の価格変動の影響を受ける。
なお、今回のIPOに伴う株式売り出しが消化された場合、インテグラルなどファンドの所有株はゼロとなり、オーバーアロットメントの親引けで株式を取得した取引先の阪和興業(5933)、アルインコ(5933)、中山製鋼所(5408)グループである中山通商などが大株主となる可能性が高い。「親引け」は、証券会社が株券を発行者(今回の場合は信和)の指定する優先販売先へ売ることを指す。
信和(3447)の基本情報
企業名 | 信和株式会社 |
---|---|
会社URL | http://www.shinwa-jp.com/ |
証券コード・市場 | 東証二部 (3447) |
上場予定日 | 2018年03月20日 |
業種 | 金属製品 |
事業内容 | 仮設資材、物流機器を忠臣とした金属製品の販売 |
本社所在地 | 岐阜県海津市平田町仏師川字村中30番7 |
社長 | 山田博 |
設立年月 | 1970年01月01日 |
決算期 | 3月末 |
上場前資本金 | 100,000千円 |
事業の特徴と魅力
初値予想
想定価格 | 1,380円 |
---|---|
仮条件 | 1,150円〜 1,300円 |
公開価格 | 1,150円 |
初値予想 | 1,000円 |
初値予想と上場後の見込み
想定価格1380円から試算の市場吸収額が190億円超と東証2部案件としては大型です。事業的にも内需関連として地味さは否めませんし、今3月期営業利益予想が前期比12.4%減益となっていることもマイナス要素です。さらに、公募株ゼロで売り出し株式は筆頭株主のベンチャーキャピタル(VC)で、VCの出口案件というイメージもつきまといます。
現在よりも相場の地合いが良かった昨年、資金吸収額が126億円で12月に東証2部に上場したプレミアグループ(7199)、同223億円で9月に東証1部に上場した西本Wismettac(9260)ともに、初値が公開価格割れだったことを考えると、初値の公開価格割れ懸念があります。ブックビルディング仮条件価格の大幅なディスカウントがあれば別ですが、ブック参加と初値は「見送りムード」となることが予想されます。
IPOスケジュール
抽選申込(BB)期間 | 2018-03-02〜 2018-03-08 |
---|---|
当選発表(公開価格決定)日 | 2018-03-09 |
購入申込期間 | 2018-03-12〜 2018-03-15 |
IPO当選株数
※単位は株
公募株数 | |
---|---|
売出株数(OAを含む) | 13,788,400 |
当選株合計 | 13,788,400 |
IPO申込みにおすすめのネット証券
幹事証券リスト
証券会社 | 割当率 | 割当株数 | 当選本数 | |
---|---|---|---|---|
主幹事 | 野村証券 | 86.00% | 9,147,700 | 91,477 |
幹事 | みずほ証券 | 7.00% | 744,500 | 7,445 |
大和証券 | 3.00% | 319,000 | 3,190 | |
SMBC日興証券 | 1.00% | 106,300 | 1,063 | |
東海東京証券 | 1.00% | 106,300 | 1,063 | |
岡三証券 | 1.00% | 106,300 | 1,063 | |
岩井コスモ証券 | 0.50% | 53,100 | 531 | |
SBI証券 | 0.50% | 53,100 | 531 |
株主構成
氏名 | 比率 | ロックアップの有無 |
---|---|---|
インテグラル2号投資事業 | 86.28% | 上場日から90日間、但し公開価格の1.5倍で解除 |
Integral Fund II | 9.55% | 上場日から90日間、但し公開価格の1.5倍で解除 |
山田 博 | 1.44% | 上場日から90日間 |
則武 栗夫 | 0.72% | 上場日から90日間 |
平澤 光良 | 0.72% | 上場日から90日間 |
平野 真一 | 0.72% | 上場日から90日間 |
清水 裕能 | 0.10% | 上場日から90日間 |
荒井 功 | 0.10% | 上場日から90日間 |
髙田 光康 | 0.10% | 上場日から90日間 |
中村 芳弘 | 0.10% | 上場日から90日間 |
株価は初値、上場後ともに厳しい展開か
今年市場からの資金吸収額190億円は最高額となる株式の公開規模を始め、事業内容と地合い、ファンドの出口案件、減益予想の業績とマイナス材料が重なっており、初値はかなり厳しい展開が予想されます。ファンド案件だけに、想定価格1380円から仮条件価の大幅ディスカウントも期待薄です。
今回の株式売り出しは、インテグラルグループが持つ大株主トップと2位の全ての保有玉1387万8400株が対象となり、このうちオーバーアロットメントの株式179万2600株を「親引け」と言う形で信和が指定する販売先(取引先)、および従業員持株会に買い取られる予定です。買取先はアルインコ、阪和興業、中山通商などです。しかし、それでも1199万5800株が市場に放出されることになり、これらが上場後の売り圧迫要因となります。当面の間は、株価の落ち着きどころを探る展開となりそうです。
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