9月22日マザーズへ/急成長の最先端AIベンチャー
自然言語処理・機械学習・深層学習技術に関わるアルゴリズムソリューションの開発・ライセンス提供というAI(人口知能)関連企業のPKSHA Technology(3993、パークシャテクノロジー)が9月22日、マザーズに新規上場する。東京大学発の最先端AIベンチャーとして産業界の注目度は高い。
ボストン・コンサルティング・グループ出身でグリー(3632)の米国法人立ち上げにも関わった上野山勝也現社長が創業し、日本におけるAI研究の第一人者である松尾豊東京大学大学院特任准教授も技術顧問および株主として名を連ねている。会社設立は2012年と若く、今年6月末現在の従業員数は30名。
複数種類のアルゴリズムを自社開発し、これにAI(人工知能)を備えたものを、顧客企業が保有するソフトウエアやハードウエアに組み込むほか、オリジナルのソフトウエアとして販売している。
顧客管理に用いて離反防止や新規客のロイヤル化を図る「セラー」、風景や人物、レントゲンまで、あらゆる画像を解析する「パークシャヴァーティカルビジョン」、コールセンターなどでの音声対話による接客を想定した「べドア」がある。AIを備えるため、データ収集と分析・解析を自動的に行い、データ量の増加に伴ってその精度が向上する機能を持つ。
それらの導入先は金融、電力、広告、小売、医療、製造、セキュリティーなど幅広く、NTTドコモ(9437)、電通(4324)、リクルート(6098)、東京電力(9501)が大口取引先。ドコモは伊藤忠(8001)とともに上場前の大株主でもある。
このほかLINE(3938)とは、LINEの法人向けカスタマーサポートサービスのAI領域で協業している。国立研究開発研究法人が主催する「大学発ベンチャー表彰2017」では、文部科学大臣賞を受賞し表彰されている。
業績も大躍進。前2016年年9月期業績は売上高4億5966万円、経常利益1億5775万円、当期利益1億1618万円だったのに対して、今9月期第3四半期(10-6月)業績は、売上高7億464万円、経常利益は3億6793万円と前年通期を大幅に上回って推移している。上場で調達した資金は開発費や人件費のほか、海外販売の準備などに充当する予定。