初値期待度 | 3 |
---|---|
上場後株価期待度 | 4 |
上場時話題性 | 3 |
事業成長性 | 3 |
事業収益力 | 3 |

大阪油化工業が10月5日、ジャスダックに新規上場/「精製蒸留受託」のパイオニア企業
大阪油化工業(4124)が10月5日、JASDAQスタンダードに新規上場する。同社は、化学物質のわずかな沸点の差を利用して、混合物から目的とする物質を分離・精製する「精密蒸留」の専業化学メーカーだ。「精密蒸留」の代表例では原油から抽出されるガソリンがあるが、医薬品、化粧品、電子材料部材などの分野で近年、幅広く使われる技術となっている。精密蒸留関連の研究開発支援から受託加工、プラントサービスまで包括的なサービスを提供しているが、自社ブランドでの製造ではなく、化学製品のアウトソーサー的な立場をとっている。長年のノウハウを生かして、受託生産にとどまらず、顧客企業がプラントを持ち、その後に運用していくために欠かせない装置販売やメンテナンスサービスも展開し始めている。前9月期ベースで受託加工が売上高の84%を占め、研究開発支援が同16%。ここに新規のプラントサービスが寄与してくる見込み。
米国大統領がケネディで、巨人軍王選手が一本足打法を始めた1962年の創業以降、1000品目以上の精製蒸留を手掛け、主要取引先は、東レダウコーニング、住商ケミカル、三井化学など大手化学メーカー。参入障壁が高く、ニッチ分野でかつ専門技術が必要な為、「現状ではほとんど競合はない」と目論見書で記している。
2017年9月期第3四半期(10-6月)業績は、売上高9億1900万円、経常利益2億1900万円。これは会社側が発表済みの2017年9月期通期の経常利益予想を上回っている。減益予想から一転して増益となる可能性が高い。なお、IPOで得た資金は、設備投資、研究開発、運転資金に充てる予定だ。
大阪油化工業(4124)の基本情報
企業名 | 大阪油化工業株式会社 |
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会社URL | https://www.osaka-yuka.co.jp/ |
証券コード・市場 | JASDAQ (4124) |
上場予定日 | 2017年10月05日 |
業種 | 化学 |
事業内容 | 各種素材の精密蒸留精製 |
本社所在地 | 大阪府枚方市春日西町二丁目27番33号 |
社長 | 堀田哲平 |
設立年月 | 1962年02月27日 |
決算期 | 9月末 |
上場前資本金 | 33,458千円 |
事業の特徴と魅力
ニッチな化学メーカーながら、重厚長大型のイメージを持つ企業の久々の登場です。派手な値動きは期待薄かもしれませんが、会社側の産業イベントへの参加を見ると、医薬品原料分野での実績が多くなっています。また、リチウムなどの二次電池も蒸留精製が必要です。オールドエコノミー企業と高をくくっていると、とんでもないしっぺ返しがあるかもしれません。
初値予想
想定価格 | 1,830円 |
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仮条件 | 1,830円〜 1,860円 |
公開価格 | 1,860円 |
初値予想 | 200円 |
初値予想と上場後の見込み
市場からの吸収金額11億1000万円で、JASDAQスタンダード上場の中型規模のIPO案件となります。会社設立から55年の老舗企業、旧来型製造業の漢字社名、上場日の10月5日は同社を含めて3社IPOと言う条件からすれば、初値は穏健なものとなりそうです。やはりIT系、ネット系企業と比べると人気薄となるのはやむを得ません。
しかし、集計中の2017年9月期業績は上方修正の可能性があり、公開価格でみた配当利回り2%超の年間35円配当が拡充されれば、中期投資の対象となってきます。現状での2017年9月期予想1株利益211円からはじき出される公開価格のPERは8.8倍と割安感があります。
IPOスケジュール
抽選申込(BB)期間 | 2017-09-19〜 2017-09-25 |
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当選発表(公開価格決定)日 | 2017-09-26 |
購入申込期間 | 2017-09-27〜 2017-10-02 |
IPO当選株数
※単位は株
公募株数 | 270,000 |
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売出株数(OAを含む) | 339,500 |
当選株合計 | 609,500 |
IPO申込みにおすすめのネット証券
野村証券に割当が偏っており、また幹事社も少ないことから、意外と当たりにくい構図となっています。ただ、国内大手3証券が揃い踏みで幹事を組むのは、久々なような気がします。インターネットでは大和、日興、SBIからの参加が可能です。
初値は期待薄ながら意外性あり
化学系メーカーの上場とあって、上場前の初値予想はやはり厳しい見方が多くなっています。近年は売り上げが、ほぼ横ばいで推移していることも気掛かり材料です。
しかし、公開価格が比較的割安に設定されていることから、上場後の下値リスクは限定的となっています。IPOスケジュールで当たらなくても上場後に買いスタンスで臨んでも良さそうです。
9月期決算銘柄ということで、決算発表も近そうです。機関投資家や取引先企業などが買ってくる可能性は高く、1年後の大株主構成はガラリと変わってている可能性があります。会社側の株主還元姿勢とIR姿勢が前向きならば意外高があるかもしれません。
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