インバウンドテック 6/22に上場申請取り下げ/「確認すべき事項が生じたため」(会社側)
インバウンドテック(7031)が6月27日、東証マザーズに新規上場する予定だったが、 6月22日に上場申請を取り下げた。「確認すべき事項が生じたため」とのこと(会社側)。
同社は、インバウンド向けの24時間365日対応の多言語対応コンタクトセンターを展開する「マルチリンガルCRM事業」と、業種に合わせた通訳ソリューションが中心の「セールスアウトソーシング事業」を展開している。2018年2月からはクラウド上のAI(人工知能)を利用したAI通訳の販売拡販にも取り組んでいる。
コンタクトセンターでは、日本語、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タイ語、ベトナム語、ロシア語、フランス語、タガログ語、ネパール語の12カ国語に常時対応。クライアントがユーザー向けに展開するサポート業務を受託し、コンタクトセンターにてユーザーからの問い合わせに対応する。コミュニケーションにおいて、電話にとどまらず、タブレット端末を使った映像通信、ウェブサイト、電子メール、SNS(交流サイト)など、さまざまな通信手段に対応していることも特徴だ。具体的なクライアントとしては、訪日外国人向けWi-Fiルーターレンタル事業者、IT機器トラブル解決サービス事業者、タクシー会社、レンタカー会社、消防局の救急指令センターなど多岐にわたっている。
セールスアウトソーシング事業では、クライアントに代わって見込み顧客に対して営業を展開。「オペレーターの稼働人数」で売り上げを計上し、クレームにつながる過剰な販売勧誘を抑止できることから、電力会社が電力自由化に伴う顧客獲得などで活用されている。
新規に開始する案件の増加から今3月期の想定案件数は158件(前期比38件増)で、民泊やホテルなどの訪日外国人客対応を行う企業の受注が増加している。この結果、マルチリンガルCRM事業の売上高は前期比23.6%増の11億900万円を見込む。セールスアウトソーシング事業については、継続取引先の新電力業務で訪問販売チャンネルを増やし、新規のアウトバウンド業務を3件立ち上げる計画を持ち、今期売上高は前期比5.1%増の14億5300万円を予定している。
これらの結果、今3月期の売上高は25億6300万円(前期比12.4%増)、営業利益は1億8000万円(同20.2%増)、経常利益1億7900万円(同20.5%増)を想定している。