初値期待度 | 3 |
---|---|
上場後株価期待度 | 3 |
上場時話題性 | 3 |
事業成長性 | 3 |
事業収益力 | 2 |

Delta-Fly Pharmaが10月12日マザースに新規上場/抗がん剤のモジュール創薬手掛けるバイオベンチャー
Delta-Fly Pharma(4598、デルタフライファーマ)が10月12日、東証マザーズに新規上場する。Delta-Fly Pharmaは、徳島県徳島市に2010年に設立された抗がん剤のモジュール創薬を手掛ける創薬ベンチャーだ。
抗がん剤のモジュール創薬とは、既存医薬品となっている抗がん剤の活性物質を利用・組み合わせることにより、基礎の探索研究がほとんど不要となることから、着手して1~2年後には臨床試験を開始できる。一般的な抗がん剤よりも研究開発の効率が高く、期間も短く、臨床試験での失敗リスクが低減できるとされている。
また、特許切れの医薬品について、抗がん剤の知識とノウハウを駆使してマッチングすることによって新規の抗がん剤としての特許化が可能となる。既存抗がん剤の問題点を解決することで、新規の抗がん剤を生み出せるメリットもある。大株主にはヤクルト本社(2267)と三洋化成工業(4471)が同社に出資していることも特徴だ。
現在の4つの開発パイプラインと開発段階は以下のとおり。難治性・再発急性骨髄性白血病を対象疾患とする「DFP-10917」(がん細胞周期調節作用)は米国で第III相試験準備中、日本で第I相試験準備中。肺がん等を対象疾患とする「DFP-14323」(がん免疫機能調整作用)は日本で第II相試験中。
膵がん等を対象疾患とする「DFP-11207」(がん細胞代謝調節作用)は米国で第II相試験準備中。固形がん・血液がんを対象疾患とする「DFP-14927」(抗がん剤高分子デリバリー)は、米国で第I相試験準備中。胃がん・卵巣がん等を対象疾患とする「DFP-10825」(核酸医薬デリバリー)は前臨床試験中だ。なかで、「DFP-10917」は日本新薬(4516)、「DFP-14323」は協和化学工業が提携企業となっている。
今3月期業績は、売上高に当たる事業収益が前期比33.3%増の2億円、経常損益が7億3000万円の赤字(前期は2億4000万円の赤字)見込み。経常損益ベースでは3期連続の赤字となる。
Delta-Fly Pharma(4598)の基本情報
企業名 | Delta-Fly Pharma株式会社 |
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会社URL | http://www.delta-flypharma.co.jp/ |
証券コード・市場 | マザーズ (4598) |
上場予定日 | 2018年10月12日 |
業種 | 医薬品 |
事業内容 | 医薬品等の研究開発、製造販売 |
本社所在地 | 徳島県徳島市川内町宮島錦野37番地の5 |
社長 | 江島清 |
設立年月 | 2010年12月06日 |
決算期 | 43190 |
上場前資本金 | 1,117,500千円 |
事業の特徴と魅力
Delta-Fly Pharma(4598)は、抗がん剤のモジュール創薬開発に特化したバイオベンチャーです。モジュール創薬は、医薬品になっている抗がん剤の活性物質を利用して組み合わせる方法です。
「がん細胞周期調節作用」「がん免疫機能調整作用」「がん細胞代謝調節作用」「抗がん剤高分子デリバリー」「核酸医薬デリバリー」が作用機序である開発パイプラインを持っており、このうち「がん細胞周期調節作用」が米国で第Ⅲ相、日本で第Ⅰ相の試験準備中にあります。
日本の第Ⅰ相については日本新薬(4516)と提携し、日本で第Ⅱ相試験中にある「がん免疫機能調整作用」については、香川県の医薬用制酸剤、酸化マグネシウムメーカーである協和化学工業と提携しています。
初値予想
想定価格 | 4,670円 |
---|---|
仮条件 | 4,570円〜 4,770円 |
公開価格 | 4,770円 |
初値予想 | 5,000円 |
初値予想と上場後の見込み
Delta-Fly Pharma(4598、デルタフライファーマ)の想定価格4670円から試算した想定時価総額は201億円、市場からの資金吸収額は37.6億円で東証マザーズ上場の中型案件です。久しぶりのバイオベンチャーの登場で人気度は予想しにくいところです。
実際、仮条件価格の上限価格と下限価格は想定価格の上下に100円幅で振れています。想定価格4670円も値がさ株の部類で、市場環境が良ければ値幅取り候補として注目されそうですが、上場同日にイーソル(4420)も登場して来るので、資金は分散されてきます。
業績で買える銘柄ではないので、初値は穏健、上場後は値動き次第というところです。
IPOスケジュール
抽選申込(BB)期間 | 2018-09-25〜 2018-10-01 |
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当選発表(公開価格決定)日 | 2018-10-02 |
購入申込期間 | 2018-10-03〜 2018-10-09 |
IPO当選株数
※単位は株
公募株数 | 700,000 |
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売出株数(OAを含む) | 105,000 |
当選株合計 | 805,000 |
おすすめのネット証券
Delta-Fly Pharma(4598)の主幹事証券はみずほ証券です。みずほは、9月のIPO12銘柄中7銘柄の主幹事を務めるなど集中しています。幹事団はSMBC日興、三菱モルガンと大手どころが脇を固めています。また、Delta-Fly Pharmaの本社が徳島県徳島市とあって地場証券の香川証券が幹事団入りしていることが特徴です。
一方、ほとんどの大株主には解除条項付きの90日間のロックアップとやや緩めです。大株主10のうち7がベンチャータキャピタルで、表面的・潜在的売り圧迫はかなり強いでしょう。ヤクルト本社(2267)と三洋化成工業(4471)が大株主に名を連ねていることが注目されます。
幹事証券リスト
証券会社 | 割当率 | 割当株数 | 当選本数 | |
---|---|---|---|---|
主幹事 | みずほ証券 | 86.00% | 602,000 | 6,020 |
幹事 | SMBC日興証券 | 5.00% | 35,000 | 350 |
三菱UFJモルガン | 3.00% | 21,000 | 210 | |
SBI証券 | 1.00% | 7,000 | 70 | |
いちよし証券 | 1.00% | 7,000 | 70 | |
エース証券 | 1.00% | 7,000 | 70 | |
岩井コスモ証券 | 1.00% | 7,000 | 70 | |
藍沢証券 | 1.00% | 7,000 | 70 | |
香川証券 | 1.00% | 7,000 | 70 |
株主構成
氏名 | 比率 | ロックアップの有無 |
---|---|---|
江島 淸 | 20.64% | 上場日から90日間、但し公開価格の1.5倍で解除 |
京大ベンチャーNVCC1号投資事業 | 20.51% | 上場日から90日間、但し公開価格の1.5倍で解除 |
㈱ヤクルト本社 | 11.65% | 上場日から90日間、但し公開価格の1.5倍で解除 |
三菱UFJキャピタル3号投資事業 | 5.99% | 上場日から90日間、但し公開価格の1.5倍で解除 |
イノベーション・エンジン三号投資事業 | 5.13% | 上場日から90日間、但し公開価格の1.5倍で解除 |
ニッセイ・キャピタル6号投資事業 | 3.99% | 上場日から90日間、但し公開価格の1.5倍で解除 |
三洋化成工業㈱ | 3.99% | |
ニッセイ・キャピタル4号投資事業 | 3.33% | 上場日から90日間、但し公開価格の1.5倍で解除 |
ディーアイティー・パートナーズ㈱ | 3.33% | 上場日から90日間、但し公開価格の1.5倍で解除 |
みずほ成長支援投資事業 | 2.66% | 上場日から90日間、但し公開価格の1.5倍で解除 |
<1年半ぶりのバイオベンチャー登場
Delta-Fly Pharma(4598)はバイオベンチャーとして、2017年3月にマザーズに上場したソレイジア・ファーマ(4597)以来となります。こちらも、みずほ証券が主幹事でした。ソレイジア・ファーマ(4597)は公開価格185円に対して26.4%高の234円の初値でした。
ただ、当時と比べてIPO環境は低迷気味で、4500円を越える株価水準の高さが懸念されます。赤字企業でもあり、慎重な投資姿勢が求められる銘柄です。
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