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ブシロード【7803】

  • ブシロードが7月29日、マザーズに新規上場
  • トレーディングカードゲームなどIP(知的財産)ビジネスを展開
上場市場 マザーズ
予想価格1,840円
上場日2019年07月29日
天野秀夫
天野秀夫
ブシロード(7803)のサムネイル
初値期待度4
上場後株価期待度4
上場時話題性4
事業成長性4
事業収益力4

ブシロードが7月29日、マザーズに新規上場/トレーディングカードゲームなどIP(知的財産)ビジネスを展開

ブシロード(7803)が7月29日、東証マザーズに新規上場する。2007年5月18日に設立された同社は、子会社9社の合計10社によりグループを構成し、IP(知的財産)を開発・取得・発展させるIPディベロッパーとしてエンターテイメント事業とスポーツ事業を展開している。

エンターテイメント事業は、トレーディングカードゲーム(TCG)部門、モバイルオンラインゲーム(MOG)部門、音楽ソフト販売や声優のマネージメントなどを行う音楽部門、自社および他社のIPに関連するグッズの企画・発売等を行うMD(マーチャンダイジング)部門、関連書籍の出版や広告代理店業務を行うメディア部門の合計5部門からなる。これらのメディアミックスとテレビCMでなど積極的な広告宣伝が、同社の成長の強みとなっている。

2018年7月期の全売上高ベースでTCG部門が35%強、MOG部門が25%強の主力部門。TCG部門では自社IPの「BanG Dream!(バンドリ!)」と「カードファイト!!ヴァンガード」、他社IPの「ラブライブ!」(他社IP)が看板となっている。MOG部門では、今年4月に配信開始の「名探偵コナンランナー真実への先導者」が好調だ。

スポーツ事業は、2012年1月に連結子会社化した新日本プロレスリングと、2016年8月に設立したキックボクシングイベント「KNOCK OUT」を運営する連結子会社「キックスロード」が担う。興行部門が部門売上高の約5割を占め、グッズの企画・販売等を行うMD部門が3割、試合を中心とした動画コンテンツの企画・制作・配信を行うコンテンツ部門が2割で収益が構成されている。子会社化以降の新日本プロレスは業績が急回復し動員人数も年々増加している。

IPO前に開示されている2019年7月期業績は、売上高313.5億円(前期比8.5%増)、経常利益27.3億円(同8.6%減)の増収減益見通し。なお、通期計画に対する第3四半期末時点における進捗率は、売上高で75%、経常利益で92%となっており、予想の達成は可能だろう。関心は2020年7月期業績の動向となる。

ブシロード(7803)の基本情報

企業名株式会社ブシロード
会社URLhttps://bushiroad.co.jp/
証券コード・市場 マザーズ (7803)
上場予定日2019年07月29日
業種 その他製品
事業内容カードゲーム、モバイルオンラインゲーム、映像音楽コンテンツ、イベント、グッズ等の開発、販売
本社所在地東京都中野区中央1-38-1
社長橋本義賢
設立年月2007年05月18日
決算期7月末
上場前資本金929,815千円

事業の特徴と魅力

安定的な収益をもたらすトレーディングカードゲーム事業と、ヒット作の有無によって収益のブレが大きいモバイルオンラインゲーム事業を主力事業としています。また、日本で唯一1989年から現在まで毎年東京ドームでの興行を開催し続けているプロレス団体「新日本プロレスリング」をスポーツ事業として展開していることも特徴です。

テレビCMなどを中心に積極的な宣伝広告を展開することでも有名です。「新日本プロレス」は、今年4月に米国ニューヨークの格闘技の殿堂である「マディソン・スクエア・ガーデン」において、ビッグマッチ「G1 SUPERCARD」を実施し1万6534人の観客動員と大成功を収めています。

一般的なゲーム開発会社と異なり、IP(知的財産)ビジネスを中核とするメディアミックス型のアミューズメント企業として注目できます。

初値予想

想定価格 1,840円
仮条件 1,840円〜 1,890円
公開価格 1,890円
初値予想 3,100円

初値予想と上場後の見込み

ブシロード(7803)の想定価格1840円から試算した想定時価総額は289億円で、市場からの資金吸収額は80億円でマザーズ上場の大型案件となります。

公募・売出株式数は357万5800株と公開株式は多くなっています。この需給と当期利益ベースでは増益ながら経常利益ベースでは減益予想の今2019年7月期業績が上値を抑える材料となりそうです。

ただし、高い知名度と既存株主にベンチャーキャピタルがなく大株主にロックアップがしっかりと掛かっている点などから初値は意外な上昇期待が膨らんでいます。

また、初値後も上値を慕う展開が予想されます。ブシロードよりもIPO時資金吸収額が4倍以上も大きかった6月にIPOのSansan(4443)が上昇したことが参考になります。

IPOスケジュール

抽選申込(BB)期間 2019-07-11〜 2019-07-18
当選発表(公開価格決定)日 2019-07-19
購入申込期間 2019-07-22〜 2019-07-25

IPO当選株数
※単位は株

公募株数 2,100,000
売出株数(OAを含む) 2,250,400
当選株合計 4,350,400

おすすめのネット証券

主幹事証券は初値が傾向的に飛びやすいSMBC日興証券です。SMBC日興は、市場からの資金調達額が300億円弱と大型のバイオベンチャー・ステムリム(4599)の主幹事(8月9日上場予定)を控えていますが、問題はないでしょう。

幹事団も大和、みずほの大手証券、SBI証券楽天証券マネックス証券のオンライン証券が揃っています。

大株主にベンチャーキャピタルはなく、会社関係者と提携先のグリー(3632)で構成されています。筆頭株主の三井住友信託銀行(信託口)は、創業者の木谷高明取締役の親族の信託財産管理のためのものです。グリーは上場前所有株式167万9000株のうち、90万株のIPO時売出しに参加します。

幹事証券リスト

証券会社割当率割当株数当選本数
主幹事SMBC日興証券93.24%4,056,40040,564
幹事大和証券1.45%63,000630
みずほ証券1.45%63,000630
SBI証券1.45%63,000630
楽天証券0.97%42,000420
マネックス証券0.48%21,000210
エース証券0.48%21,000210
水戸証券0.48%21,000210

株主構成

氏名比率ロックアップの有無
三井住友信託銀行(信託口)33.73%
木谷 高明17.41%上場日から180日間
㈱中野坂上16.65%上場日から180日間
グリー㈱11.18%上場日から180日間
ハロルド・ジョージ・メイ3.01%継続保有の意向
木谷 惠0.83%上場日から180日間
広瀬 和彦0.81%上場日から180日間
里見 哲朗0.80%上場日から90日間
岡田 真澄0.80%上場日から90日間
国本 哲秀0.80%上場日から90日間

メディアミックス型の事業展開力に期待

トレーディングカードゲーム(TCG)を事業の出発点として、活発なテレビCMなどを活用しブシロード(7803)は短期間で企業成長を果たしました。知名度も高く、買収した「新日本プロレス」事業を再生させたことでも有名です。

単なるカードゲーム、モバイルゲーム会社という枠で捉えると、同社の本来の姿を見誤ります。独自IP(知的財産)コンテンツのほか、新日本プロレス、ブームとなっている声優のプロモーションなどを交えたメディアミックスの展開力に期待できそうです。eスポーツでも注目できるでしょう。

なお、ブシロード創業者で個人筆頭株主の木谷高明氏は証券会社出身で、ジャスダック上場のブロッコリー(2706)の創業者としても知られています。現在は取締役としてブシロードの各種コンテンツ制作の現場を担当しています。

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