初値期待度 | 2 |
---|---|
上場後株価期待度 | 3 |
上場時話題性 | 4 |
事業成長性 | 4 |
事業収益力 | 2 |

BASEが10月25日、マザーズに新規上場/Eコマースプラットフォーム「BASE」提供が主力
BASE(4477、ベイス)が10月25日、東証マザーズに新規上場する。2012年12月11日に設立されたBASEは、本体で、Eコマースプラットフォーム「BASE」を提供する「BASE事業」を手掛け、子会社でクレジットカード決済によるオンライン決済サービス「PAY.JP」とID決済サービス「PAY ID」の「PAY事業」、このほか、その他事業として資金調達サービス「YELL BANK」を展開している。
2018年12月期実績の「BASE事業」は売上高の84・3%を占める主力事業だ。ネットショップ作成およびサービスによって開設されたショップ商品が購入できるショッピングアプリ等を提供するEコマースプラットフォームを提供しているが、専門的なサイト構築やWEBデザイン技術を持たなくても、誰でも容易にデザイン性の高いネットショップを作成できることが特徴だ。そのため、累計でのショップ開設数は2019年8月時点で80万ショップ強に広がっている。
Eコマース運営の課題でもある決済機能についても、独自の決済システム「BASEかんたん決済」を提供し、誰でもネットショップの開設・運営を始めることができるシステムを構築している。
同15・7%を占める「PAY事業」は、WEBサービスやネットショップiクレジットカード決済を導入できるオンライン決済サービビスの提供だ。
「PAY ID」サービスは購入者向けのID決済サービスで、事前に購入者が購入者情報を「PAY ID」に登録することで、IDとパスワードでログインするだけで決済を行えるシステム。また、アプリ利用によるQRコード読み取り決済も導入している。
このほか、連結子会社で「BASE」利用のショップオーナーから将来発生する債権を買い取ることで事業資金を提供するサービスを手掛けている。
売り上げが発生したときにのみ決済手数料およびサービス料を受け取る収益モデルで、ネットショップの開設支援は無料となっていることから、ここまでは利用者及びユーザーの開拓と拡大期間としている。そのため、2019年12月期の業績は、売上高が前期比56%増の36.7億円、経常損失が5.5億円(前期は7.9億円)と増収幅の拡大に対して、利益面での赤字が継続する見通しだ。
BASE(4477)の基本情報
企業名 | BASE株式会社 |
---|---|
会社URL | https://binc.jp/ |
証券コード・市場 | (4477) |
上場予定日 | 2019年10月25日 |
業種 | |
事業内容 | Eコマースプラットフォーム「BASE」及びオンライン決済サービス「PAY.JP」の運営 |
本社所在地 | 東京都港区六本木3-2-1 |
社長 | 鶴岡裕太 |
設立年月 | 2012年12月11日 |
決算期 | 12月末 |
上場前資本金 | 1,325,682千円 |
事業の特徴と魅力
BASE(4477)は、インターネット上での電子商取引であるEコマースプラットフォーム「BASE」の提供とオンライン決済サービス「PAY.JP」の運営を主力事業としています。売り上げが発生したときにのみ決済手数料およびサービス料を受け取る収益モデルを構築しており、ネットショップの開設支援は無料となっています。そのため、現在は利用者及びユーザーの開拓と拡大、機能アップを重視して、先行投資の時期としています。そのため、赤字業績が継続しています。
また、知名度アップのために、元AKB48メンバーでモデルの小嶋陽菜さんをテレビCMに起用しています。小嶋陽菜さんはプロデュースするファッションブランド「ハーリップトゥ(Her lip to)」を展開しています。また、上場前発行済株式数0.24%の5万株を所有する「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳さんが株主となっていることも話題です。
初値予想
想定価格 | 1,630円 |
---|---|
仮条件 | 1,150円〜 1,300円 |
公開価格 | 1,300円 |
初値予想 | 1,100円 |
初値予想と上場後の見込み
BASE(4477)の想定価格1630円から試算した想定時価総額は313.4億円、市場からの資金吸収額は150.2億円でマザーズ上場の大型案件となります。銘柄規模的に大きく、初値の上昇は期待薄となっています。
さらに想定価格に対して、仮条件価格が1150円から1300円(公開価格は1300円)と大幅に引き下げられおり、業績の赤字継続、ベンチャーキャピタルの売出株数の多さなどから初値は公開価格を割り込むことが予想されています。証券会社の引受価格が1202.5円で、1200円近辺がひとつの初値目処となってきそうです。
一方、上場後の上値はロックアップが切れる1950円が一つの壁となってくるでしょう。
IPOスケジュール
抽選申込(BB)期間 | 2019-10-09〜 2019-10-16 |
---|---|
当選発表(公開価格決定)日 | 2019-10-17 |
購入申込期間 | 2019-10-18〜 2019-10-23 |
IPO当選株数
※単位は株
公募株数 | 405,000 |
---|---|
売出株数(OAを含む) | 8,808,500 |
当選株合計 | 9,213,500 |
おすすめのネット証券
主幹事証券は大和証券でSBI証券が共同主幹事となっていますが、割当株数は圧倒的に大和が多くなっています。みずほ証券、野村証券、SMBC日興証券、三菱UFJモルガンと大手証券が幹事団に揃っていますが、このIPO規模で幹事団の数は少ないほうです。
一方、大株主の半数がベンチャーキャピタルとなっています。価格解除条項のないロック・アップが掛かっているのは筆頭株主の社長のみで、比較的緩やかとなっています。
大株主の事業法人としてサイバーエージェント(4751)、丸井グループ(8252)とメルカリ(4385)がありますが、サイバーエージェントにはロック・アップが掛かっていません。
幹事証券リスト
証券会社 | 割当率 | 割当株数 | 当選本数 | |
---|---|---|---|---|
主幹事 | 大和証券 | 80.00% | 6,649,500 | 66,495 |
幹事 | SBI証券 | 13.04% | 1,084,200 | 10,842 |
みずほ証券 | 2.83% | 234,800 | 2,348 | |
野村証券 | 1.30% | 108,400 | 1,084 | |
SMBC日興証券 | 0.87% | 72,200 | 722 | |
三菱UFJモルガン | 0.87% | 72,200 | 722 | |
いちよし証券 | 0.87% | 72,200 | 722 | |
極東証券 | 0.22% | 18,000 | 180 |
株主構成
氏名 | 比率 | ロックアップの有無 |
---|---|---|
鶴岡裕太 | 21.13% | 上場日から180日間 |
グローバル・ブレイン6号投資事業 | 9.31% | 継続保有の意向 |
(株)サイバーエージェント | 8.74% | |
SBI Ventures Two(株) | 8.04% | 上場日から90日間、但し公開価格の1.5倍で解除 |
グローバル・ブレイン5号投資事業 | 7.71% | 上場日から90日間、但し公開価格の1.5倍で解除 |
(株)丸井グループ | 6.11% | 継続保有の意向 |
(株)メルカリ | 6.02% | 上場日から90日間、但し公開価格の1.5倍で解除 |
Fin Techビジネスイノベーション投資事業 | 6.00% | 上場日から90日間、但し公開価格の1.5倍で解除 |
イーストベンチャーズ投資事業 | 5.52% | 上場日から90日間、但し公開価格の1.5倍で解除 |
(株)partyfactory | 5.08% | 上場日から90日間、但し公開価格の1.5倍で解除 |
「第2のメルカリ化」を回避できるか
BASE(4477)の第7位大株主で2018年6月にIPOしたメルカリ(4385)は、公開価格3000円に対して初値5000円で登場、その直後に最高値6000円をマークしましたが、典型的な公開天井で一時は1700円台まで売り込まれて、現状では公開価格を下回った水準で推移しています。メルカリは業績面で赤字が続き、無配当状態で株主還元も上場以来ありません。
BASEがメルカリパターンになるのではという漠然とした警戒感があります。それを払拭するためには、収益黒字化のイメージを開示することが重要となってきます。公開価格が1300円と株価水準が低いことからダウンリスクは限られてきますが、上場後は上値が重い銘柄ともなりそうです。
証券会社を選んで口座を作ろう!
- 証券会社の人気ランキング!実際にユーザーが利用した14社のクチコミと評価アンケート調査を実施して集計した、ユーザークチコミによる証券会社の人気ランキング! 各証券会社の証…
- 証券会社を基本サービスで比較してみよう!各証券会社が行っている基本サービス一覧。信用取引はもちろんのこと、投資に際して海外株式、NISA口座の有無などを確認する…
- 一番安いネット証券は?株取引の手数料を比較しよう!初めて口座開設をする際は、どこを見て選べば良いのかわからない、証券会社ごとの違いがわからない、という方も…
- IPOに適した証券会社は?IPO取扱数や抽選方法で比較各証券会社のIPOの取扱いに関する比較です。これから株式市場に上場する新規公開株は、高い確率で初値を上回…