物色テーマ：RIZAP関連

株の教科書.com編集部

2017/08/04 2017/09/04

重いイントロで始まる音楽に合わせて肥満体の出演者が暗い顔で踊る。一転してファンファーレ調の音楽に変わると、スラリと痩せた体でポージング…。ご存じ、RIZAPのテレビコマーシャルだ。

計算された事業展開がカギか

５月中旬、RIZAPグループ（2928）と関連会社の株価が大幅上昇した。市場の物色人気は、さながら〝ライザップ祭り〟の様相を呈した。ライザップはフィットネスジムの運営会社だが、企業の合併・買収（Ｍ＆Ａ）に積極的で、夢展望(3185)、マルコ(9980)、ジーンズメイト(7448)など20社を傘下に置く。
ライザップは夢展望の債務超過を２年足らずで解消させ、赤字だったジーンズメイト、マルコを黒字化させるなど、その経営手腕の確かさが市場で評価された。ライザップは、実は豆乳クッキーの販売からスタート。転機は、美顔器メーカーの買収だった。創業者の瀬戸健社長は、豆乳クッキーダイエットと美顔器は地続きだという。それは「なりたい身体になれる」ライザップにもつながる。
そのライザップは今、アパレル事業に注力。繊維商社の堀田丸正(8015)を子会社化し、ジーンズメイトやマルコなどを束ね、本格的なSPA事業(企画から製造、小売りまでを一貫して行うアパレルのビジネスモデル)を展開すると見られている。瀬戸社長は「ジムで自己投資に目覚めた人は『ナルシシスト』になり、服の購入などの自己研さんに目覚める」ことから、ＳＰＡ参入も従来事業と地続きなのだとしている。
さらに、英会話やゴルフ教室の展開も始めた。ライザップと提携する企業も増えている。ファミリーマート（ユニー・ファミリーマートHD、8028）とは糖質を抑えたカップラーメン等を、キリンビバレッジ（キリンHD、2503）とはプロテイン飲料を共同開発している。結婚式場運営のテイクアンドギヴ・ニーズ(4331)とは新郎新婦向けのトレーニングを提供。伊藤忠(8001)はライザップ・ブランド品の企画を展開している。

おわりに

このように、今や大手飲料、総合商社等の大企業も一目置くところとなったライザップ。関連会社1社が動意づくと「数珠つなぎ」のように連動高を始める。ちなみに、RIZAPグループ株式は札幌証券取引所アンビシャス市場の単独上場銘柄で、東証にはまだ上場していない。

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