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日産の無資格検査問題/なでしこ、ダイバーシティ、選出側の面目丸つぶれ

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株の教科書.com編集部
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日産自動車(7201)が無資格検査で116万台をリコールした。リコールなので車両の欠陥や不具合の問題と受け止める向きもあるが、今回の問題は、いわばコンプライアンス問題と理解すべきだろう。

視点は10月下旬の説明へ

視点は10月下旬の説明へ

「型式指定制度」は本来、国が1台1台検査するのが原則だが、大量生産される車種については、メーカーが国に代わって出荷するクルマを検査する。その検査は、社内の認定を受けた「完成検査員」が行うことが、「道路運送車両法」に基づく通達や指針で定められている。ところが、日産では無資格の「検査補助員」も検査を行っていたという。この点が法令に反していたというのが今回の問題だ。

「日産は、出荷したクルマはすべて検査を行っているので、安全性には問題がないと説明している。恐らく、それは事実だと思う。だから今回の件は、安全の問題ではなく法令順守、つまりコンプラの問題だ」(自動車担当記者)。

この事件について経済産業省の幹部は、「日産というと、女性活躍推進に優れた『なでしこ銘柄』に選定され、かつては多様な人材の活用・育成に力を入れる『ダイバーシティ経営企業100選』に選んだ。経産省が評価した会社が、こんなコンプラ問題を犯すとは、(経産省の)面目が立たない。そういえば東芝(6502)も、電機業界で委員会設置会社第1号として評価したこともあった…」とボヤいていた。

表面上は法令順守やCSRなどに優れていると評される企業でも、内部では法令順守を軽視する文化を持つ企業はいくつもあるということだ。そうした企業の株価は一般によいはずで、それだけに不祥事、不始末が出ると株価に大きな影響を及ぼすだろう。

ちなみに無資格検査は、国土交通省の抜き打ち検査で発覚したものだが、発端は国交省への内部通報だったという。現在、日産は実態調査を進めているが、現段階では、経緯も動機も不明。10月下旬の日産による説明を待たねばならない。

おわりに

ところで、石井国交相は本件について会見で、「型式指定制度の根幹を揺るがす行為であり、極めて遺憾」と述べている。これについて前出の自動車担当記者は、こう解説する。

「型式指定制度はかつて欧米から、非関税障壁の一つとしてやり玉に上げられたことがある。非関税障壁は1月にトランプ大統領が蒸し返したこともあり、今回の日産の件で、改めて貿易摩擦の攻撃材料にされてはたまらない。そういう意識からのコメントだろう」。

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