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「トランプ砲」と「シームレス鋼管」

トランプ大統領に世界中が翻弄されている。大統領令は日本では〝トランプ砲〟とも称され、株価に強く影響を及ぼしている。トランプ政策の日本への影響ということでは、自動車摩擦の再燃が懸念されている。

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政権の通商チームに鉄鋼人脈

政権の通商チームに鉄鋼人脈

トランプ氏は1月23日の米企業経営者との朝食会で、「日本では我々の(米国)車の販売を難しくしているのに、数十万台の(日本)車が大きな船で米国に入ってくる。公平ではなく、話し合わなければならない」と日本の非関税障壁に言及している。

その場に、メキシコ進出計画を真っ先に撤回し、トランプ氏に白旗を上げたフォードのマーク・フィールズCEOが同席していたことは意味深だ。安倍首相がトヨタ(7203)の豊田章男社長と会談しなくてはならなかったのも、この状況を見ればうなずける。

その朝食会には、フォード以外にもUSスチールの経営者もいたという。実はトランプ政権の通商政策においては、鉄鋼業界が存在感を示している。というのも、次期USTR(米通商代表部)代表に指名された弁護士のロバート・ライトハイザー氏は、鉄鋼業界と近い。USスチールの代理人を務め、またレーガン政権時にはUSTR次席として日米鉄鋼摩擦を手掛け、日本から輸出自主規制を導き出させた実績もある人物。ライトハイザー氏同様、USスチールの弁護士を務めたジェフリー・ゲリッシュ氏も、トランプ政権の通商チームに加わると報じられている。

その中、大統領は「建設に関する大統領覚書」というトランプ砲を1月24日に出した。カナダからの「キーストーンXL」と、ノースダコタ州の「ダコタ・アクセス」の石油パイプライン建設を推進するというもの。オバマ政権が地球温暖化を懸念して、建設申請を却下していたプロジェクトだった。そしてそのパイプラインには、「米国製を使う」ということも大統領令で釘を指している。

こうした動きを見れば、公共事業を加速させるトランプ政権において、日本の鉄鋼メーカーが入り込む余地がなくなるとも考えられる。しかし、反対の見方もある。

「石油パイプラインならシームレス鋼管だろう。そこに世界シェアトップクラスで付加価値性の高い住友金属(新日鉄住金、5401)を使わなくていいのかね。実際に建設する際、改めて住金のシームレスのレベルの高さがクローズアップされる。それは日本の技術力の高さを示す朗報になるかもしれない」(アナリスト)という。

おわりに

新日鉄住金の株価は昨年11月に急上昇し、昨年12月以降は2700円ラインをはさんでの高値もみ合い。3月に日新製鋼(5413)を子会社化。日新製鋼はこれまで通り上場を維持する。

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