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トヨタのスポーツカーブランド「GR」/道楽ではない深い戦略が根底に

トヨタ(7203)は自社のスポーツカーブランド「GR」を立ち上げた。トヨタの豊田章男社長は生粋のカーガイ(クルマ好き)として知られ、国際C級ライセンスを持つレーシングドライバーで、ドイツのニュルブルクリンク耐久24時間レースに参戦したこともある。

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EV台頭によるイメージ戦略も担う

EV台頭によるイメージ戦略も担う

「であるがゆえ、自分の道楽でGRを立ち上げたという陰口もあちこちで聞かれる。しかし、そんな単楽的な話ではない。章男社長が自ら言っている通り、『レースは人とクルマを鍛える場』だ。トヨタ車の乗り心地は章男社長になってグンと上がった」(自動車ジャーナリスト)という評価がある。

今トヨタは、世界ラリー選手権(WRC)に参戦している。参戦車両は小型車の「ヴィッツ」。トヨタの量販車であり、そのヴィッツをレースという過酷な環境に放り込み、そこで得られる走行データを「次期ヴィッツ」の開発に反映させる。それにより、より良い走りを追求するというのだ。実際、WRC参戦エンジニアとトヨタのコンパクトカー・カンパニーの開発担当は頻繁に情報交換をしているという。

ただやはり、豊田章男社長のこの「スポーツカー路線」には社内にも懐疑的な意見があるという。昨年12月に発売された4代目プリウスの走りの良さは相当評価されている。タクシー運転手に聞いても「3代目と比べて、走りのバランスがすごくいい」という。ところが、いかんせん売れていない。もちろん国内での売れ行きはトップだが、3代目と比べると目劣りする。「期待の割には売れていない」というのがトヨタ系列ディーラーの受け止め方だ。

その大きな理由がデザインだという。走りの良さを意識してスポーティーな低重心にしたが、そうした点が嫌われているのではないかともっぱらの評だ。つまり章男社長のスポーツカー路線がドライバーに受け入れられてないのではないか、と見られている。

しかし、それでもトヨタはスポーツカー路線を持続する。その意志を示したのがGRでもある。

「自動車の電動化、つまりEVシフトが進むという。EVだと、どのクルマでも走りが同じになってしまう。それにより、自動車のコモディティ化が進み、自動車価格が下落すると見られている。だからこそ、スポーツカー路線で走りの違いをアピールし、イメージアップによって自動車に付加価値を与えねばならない。トヨタはそれを目指している」(自動車アナリスト)。

おわりに

実際、ライバルである日産(7201)はNISMO、ベンツはメルセデスAMGというスポーツカー路線を打ち出している。ホンダ(7267)はフォミュラーワン(F1)に絡んでいる。

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