揺れる横浜カジノ構想/ジワリ和歌山が浮上中
横浜港を利用する港湾運送業者や倉庫業者の団体「横浜港運協会」が5月17日に拡大理事会を開催した。地方の業者団体だが、同協会の会長は「横浜のドン」の異名をとる藤木幸夫氏。横浜市は山下ふ頭の再開発を進めているが、ここにカジノ第一号ができると注目されている。ところが、その山下ふ頭を築いてきた同協会がこの理事会で、カジノに異論を表明した。
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7月30日に横浜市長選
カジノ設置にあたっては事業者の公募・入札を行うこととなっているが、公募だと港運協会のメンバーなど地元企業が携われない。「港運協会と横浜市が共同して協議会を立ち上げ、そこが再開発に携わる案などを提示したが、市が受け入れず折衝はまとまらなかった。そのため港運協会は、協会主導の再開発を今回提唱した。藤木会長は『カジノは必要ない』との意見も表明した」(横浜市関係者)。
山下ふ頭の利用者であり、市政に強い影響力を持つ港運協会だけに、横浜カジノの行方がこれで混沌(こんとん)としてきた。7月30日には横浜市長選も控えている。林文子市長を推す地元選出の菅義偉官房長官は、横浜カジノ推進である。カジノ誘致をめぐって藤木、菅の両有力者が相対する構図となったわけだ。
そのため藤木会長が、林市長とは別の市長候補者を擁立するとも見られている。「それを見越して、現職参院議員が藤木詣でを始めている」(前出・関係者)とも伝えられる。
この事態に当惑しているのは、カジノを推進してきた横浜商工会議所だろう。京浜急行(9006)は商工会議所の投資家向け情報提供(IR)研究会座長を務め、総理と菅官房長官に報告書も提出している。ややこしいのが、同会議所の副会頭を務める丸全昭和運輸(9068)。同社は横浜港運協会のメンバーでもある。
そんななかで、注目されているのが自民党の二階俊博幹事長の存在。二階氏の地元、和歌山県もカジノ誘致に名乗りを上げている。5月9日、和歌山県知事が候補地を人工島「和歌山マリーナシティ」とすることを表明。和歌山からすれば、有力視されている横浜カジノが頓挫すれば、和歌山誘致の可能性は高まる。
その二階幹事長が藤木会長とコンタクトを取っているとも言われる。実際、藤木会長は月刊誌のインタビューで「二階さんも2年前からウチに来ている」と認めている。和歌山マリーナシティにはイントランス(3237)が、同地にある3施設の信託受益権を取得しており、和歌山カジノ銘柄として注目されている。
おわりに
5月28日の千葉市長選、7月2日の東京都議選、そして7月30日の横浜市挑戦が行政のIR誘致活動に影響をあたえることになりそうだ。
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