露プーチン大統領来日迫る/官公庁は意外と及び腰
12月の日ロ首脳会談を控えて株式氏時様では「ロシア関連株」の動向が注目されている。港湾会社のリンコーコーポレーション(9355)などが思惑買いで、株価は先に急騰している。しかし、現実的には評価がむずしいロシア関連人気となりそうだ。
主要8項目が叩き台
12月15日にロシアのプーチン大統領が来日し、首脳会談を行う。北方領土返還がどうなるかが最大の焦点だが、そのために現在、日ロ間では経済協力の交渉が行われている。そのメニューとして、エネルギーや健康寿命の伸長、人的交流など8項目が掲げられている。これに基づきロシアは約60もの具体的な提案を出しており、非常に前向きだ。
「それに比べて日本側は、既にシラけているのが実情。共同統治案なども浮上し、あれだけ期待感が高まったが、領土返還はほぼないだろう。もともと外務省はG7協調路線だから、『北方領土に前のめりになる安倍首相はやりすぎ』と、今回の日ロ経済協力には距離をとっていた」(官邸クラブ記者)という。
そこで官邸は経産省を使うこととした。首相側近の世耕弘成氏を経産大臣に任命し、ロシアに対する経済支援にあたらせた。しかし、当の経産省も「ロシア側が提示してくるプランは、どうもプーチンの〝お友達〟が儲かるような経済協力メニューばかりで、これでは危なくて国として取り組めるものではない」(経産省幹部)と及び腰になっているという。
経産省からしてこんな姿勢なので、企業側も今回の日ロ経済協力に積極的にはなれない。とはいえ、何らかの結果は残さねばならず、そこで既に始まっている日ロ企業間のプロジェクトを政府が後押しするような形で話をまとめているようだ。現在浮上している協力案には、次のようなものがある。
協力プランに懐疑的のなか、日本郵政が浮上
まずは、日本郵便(日本郵政、6178)による郵便事業の協力。人員を派遣し、日本式の郵便事業を指南する。既に今年5月にロシアから研修生も受け入れており、人材交流も活発化させる。東芝(6502)もロシア郵便と協業しており、郵便物の自動処理システムを既に導入しており、これも後押しする。
また、双日(2768)のハバロフスク空港ターミナル建設や、丸紅(8002)がロシア最大手の港湾会社と進めているヴォストーチヌイ港向け石炭搬出設備の納入も、経済協力のメニューに加えると見られている。
その他にも日揮(1963)やJFE(5411)が取り組んでいる植物工場事業、さらに飯田GHD(3291)が既に始めているロシアでの材木工場事業、さらに将来の住宅販売なども、今回の日ロ経済協力のラインアップに加えられると見られている。
これらを日本の予算で支援するわけだが、これも「ひも付き援助」のようなものか。
おわりに
当初、ロシアと日本をガスパイプラインで結ぶ、日本とロシア間をトンネルや橋でつなぐといったスケールの大きいプロジェクトが株式市場で注目されたが、現実的には限定された経済協力となりそうだ。それでも株式市場は新たな材料浮上に期待している。
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