トランプ氏のトヨタ批判は「事実誤認」
トランプ次期大統領のトヨタ(7203)に対するツイッターで、日本の経済界も大わらわ。「メキシコに新工場を建設し、米国向けにカローラを作ろうとしている。あり得ない話だ!」「米国に工場を作るか、高い関税を払え」との内容で、事実誤認も多く、トヨタはもちろん日本政府もその真意を測りかねている。
この記事のもくじ
米国に13万6000人の従業員
「北米市場では、利幅の大きい高級車とピックアップトラックは北部で、利幅の小さい小型車はメキシコなど南部で生産する計画を進めている。今回のことで、計画が根底から覆されるかもしれない」(トヨタ関係者)。
トヨタは即、対米投資100億ドルの計画を打ち出したが、この投資額はこれまでと同水準のもので、必ずしも“トランプ対策”ではない。ただトヨタは現時点で米国内に13万6000人の従業員を抱え、過去60年で220億ドルの投資を行い、過去30年で2500万台以上の車両を生産している。米国の良き企業市民であることは紛れもない。
またメキシコ新工場は米国からの移転ではなく、あくまで新工場。米国の雇用を脅かすものではなく、むしろメキシコの雇用を創出することで、メキシコから米国への移民を減らす効果も期待できる。
そもそも関税導入も米議会に権限があり、大統領権限だけで導入はできない。WTO(世界貿易機関)協定違反になるとも指摘されている。
とはいえ、ホワイトハウスが新たなアイデアを出し、何らかの制裁措置が出てくる可能性はあり得る。が、トランプ氏はそこまでメキシコを目の敵にしているわけではないとの分析もある。
「トランプ氏の敵はISと中国。IS対策のため国防長官と安全保障担当補佐官に、陸軍と海兵隊の元将軍を起用。ロシアと共闘してIS叩きを行う。そして中国対策として、カリフォルニア大のナバロ教授を国家通商会議のトップに据えた。ナバロ氏は、中国が米国の脅威となったのは『経済力をつけたからだ』としている。そこで中国からのダイベスト、つまり、インベストの反対である『投資引き上げ』政策を打ち出すとみられている」(外交アナリスト)。
おわりに
トヨタは、メキシコ問題はクリアできるかもしれないが、中国問題を抱えることになる。というのもトヨタは、メキシコと並行して中国新工場の建設計画も持っているからだ。トヨタが今後、中国政策を見直すか否か。むしろそちらの方が、米国でのトヨタの行方を見る上で重要となる。
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