「EVCAスピリッツ」発足/トヨタの目的は少量生産のノウハウ取得
2017年の東京モーターショーが10月25日開幕した。AIや自動運転といった新技術を各社とも披露しているが、目の前のビジネスに直接かかわるものを上げるのならEV(電気自動車)だろう。国内外の各社とも、EVを出展している。
この記事のもくじ
注目されるマツダの「コモンアーキテクチャー」
ところで、トヨタ(7203)とマツダ(7261)、デンソー(6902)が先月、EVを共同開発する新会社を設立すると発表している。3社のエンジニアが一堂に会して、開発に取り組むという。
リリースには「他の自動車メーカーやサプライヤーも参画可能なオープンな体制を目指します」と書かれており、今後、トヨタ子会社のダイハツ、日野自動車(7205)、提携関係にあるスズキ(7269)やスバル(7270)、さらにはトヨタと電池製造の合弁会社を持つパナソニック(6752)も加わるのではないかと伝えられている。
エンジンで走る自動車に比べ、EVの技術は簡素で、部品点数もガソリン車の半分以下で済むとされる。そんなEVの開発に、随分大仰な組織をトヨタは作ろうとしているわけだ。
それにしても、世界トップの自動車メーカーであるトヨタが、EVを単独で開発できないというのも解せない。トヨタは昨年、社内にEV事業企画室を設置し、EV開発を加速させるとしていたが、結局は単独ではなく、他社の力も借りて開発するという。一体、どういう事情なのだろうか。
「単なるEV開発なら、トヨタ単独でもちろん可能だ。トヨタが悩んでいるのは、開発ではなく、EVの生産コストだと見た方がいい。トヨタは大量生産のノウハウには長けているが、少量生産で利益を出すのが苦手。EVは注目されている割には、さほど台数が出ないとも考えられる。
そうした少量生産を得意とするのがマツダ。スズキやスバルも当然、少量生産で利益を出している。このノウハウを得るためトヨタは、共同開発に各社を招いたのだ」(アナリスト)。
EVはまだバッテリーの値段が高く、意外にコストがかさむ製品だという。それだけに、開発費や製造コストを落とさねばならない。
マツダの少量生産技術が評価されているのは、「コモンアーキテクチャー」に定評があるためだ。マツダは「一括企画」「モデルベース企画」「フレキシブル生産」など、独自のノウハウを有している。
おわりに
なお、このトヨタ、マツダ、デンソー合弁の新会社の社名は「EVCAスピリッツ」だが、「CA」はコモンアーキテクチャーの頭文字。トヨタは本気でマツダやスズキのモノづくりを学ぶつもりなのだ。
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