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ライドシェア解禁は大きく遠のく/タクシー業界と周辺ビジネスは活性化へ

ライドシェアとは、乗用車の相乗りの需要、つまり「自動車所有者」「運転者」「乗りたいユーザー」を結びつけるマッチングさせるソーシャルサービス。欧米で普及し、日本でも過疎地域の交通手段として、訪日客対応として規制緩和が検討されてきた。しかし、先進国のアメリカでビジネスモデルに亀裂が生じ、実現は後退している。

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ウーバー・ショックが走る

ウーバー・ショックが走る

シェアリングエコノミーの象徴的存在だったウーバー・テクノロジーズの創業者、トラビス・カラニック最高経営責任者(CEO)が辞任。セクハラを放置するなどの不祥事やトラブルが相次ぎ、株主から辞任を求められたと報じられている。

「今回のウーバーの騒動は、法令順守軽視の姿勢も問題だが、それよりもライドシェアのビジネスモデルにほころびが生じたという点が実は大きい」(アナリスト)。

ライドシェアの運賃は、既存のタクシー運賃に連動するはずだった。普段はタクシーより低い料金で、タクシーがあまり流していない地域ではタクシー並み、そして年末深夜のようなタクシーが拾えないときにはタクシーより高い料金を取る――という考え方だった。これならタクシーとも共存できる。

ところが米国ではライドシェアへの参入業者が増え、ライドシェア同士で価格競争が生じた。ウーバーの運転手は時給10ドルと、最低賃金レベルに落ち込んでしまったという。ライドシェアのモデルに見込み違いがあったことが立証され、ライドシェア・ビジネスは立て直しが求められている。

日本国内ではライドシェアは基本的に認められていない。規制緩和を進めるべきとの声もあるが、今国会で民泊新法は可決されたが、ライドシェアの法制化は見送られた。

「タクシー業界がライドシェアに強く反発し、自民党などへのロビー活動を続けていた。法律を所管する国交省もタクシー業界と共同歩調。そこへきてウーバーの不祥事という追い風があり、日本でのライドシェア解禁は遠のいたと見るべきでしょう」(前出・アナリスト)。

国交省の「高齢者の移動手段の確保に関する検討会」が近く、中間とりまとめを公表するが、その中で、ライドシェア事業者が、登録ドライバーから手数料を取ることは認めないとの判断を出すという。また経産省の「グレーゾーン解消制度」でも、旅行者にドライバーとレンタカーを提供するビジネスは道路運送法に抵触するとの判断を下している。ライドシェア解禁とは逆の動きが見られる。

おわりに

その一方で、タクシーの乗り方の多様化は進むと見られている。大和自動車交通(9082)は、「ドライバーサービス」「スマホ配車アプリ」といったライドシェアに近いサービスを開始。モバイルクリエイト(3669)はタクシー会社向けの配車システム「新規令」を提供している。こうしたビジネスが活性化するとも見られている。

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