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【新・相場道五十三次 第26回】ダブルボトムを使ってみる

【新・相場道五十三次 第26回】ダブルボトムを使ってみる

廣重勝彦
廣重勝彦

前回はトレンドラインを検討しました。その中で、トレンドの反転パターンについても若干ご説明しました。相場の流れが変わるサインですが、今回はさらに詳しく考えてみます。

ヘッド・アンド・ショルダーの定義

前回の記事では典型的なトレンドパターンとして、ヘッド・アンド・ショルダーについてご説明しました。ヘッド・アンド・ショルダーは、チャート・パターンでは、最も有名な相場反転サインです。株価が3回にわたり明確な高値を付けますが、そのうちの真中の高値がほかの高値よりも高いパターンです。図1のように、真ん中の高値bが頭(ヘッド)であり、その前後の高値であるaとcが両肩(ショルダー)にあたることから、ヘッド・アンド・ショルダーと呼ばれています。

(図1)ヘッド・アンド・ショルダー

これは、三尊天井とも言われます。仏像が3体並んでおり、その真ん中の仏像が、他の2体よりも背が高い姿がイメージされた呼び名です。頭と両方の肩の間にできる小さな底値を結んだ線は「ネックライン」と言われ、株価がこれを下回ったらヘッド・アンド・ショルダーが完成。売りのサインです(dの時点)。

なお、ヘッド・アンド・ショルダーのパターンが有効なのは、それが大きなトレンドの後に現れた時だけです。小さな値動きの際に同じようなパターンが出ても、反転のサインにはならないとされます。

また、ネックラインを下回って初めて、ヘッド・アンド・ショルダーが完成します。a-b-cのかたちの高値が現れただけでは、このパターンの完成ではないということです。例えば、図2では、a-b-cはヘッド・アンド・ショルダーと同じです。しかし、ネックラインから反発し、逆にbとcを結んだ上値抵抗線を突破しました。これは「トライアングル」のブレイク(三角持合いからの上放れ)と言われる状況であり、上昇トレンドの反転サインではなく、上昇トレンドの継続サインです。

(図2)トライアングル

ポイントは、ネックラインは下値サポートラインであるということです。これを下回って初めて、強い売り圧力がかかったと確認できるということ。したがって、a-b-cだけを見て売りサインと判断するのは危険です。

ダブルトップとダブルボトム

さて、比較的頻繁に見られるパターンが「ダブルトップ」と「ダブルボトム」です。ダブルトップはその名の通り、二つの高値があるパターン。また、ダブルボトムは二つの安値があるパターンです。図3のダブルトップは、ドル円相場の実例です。2016年11月から上昇基調を強めたドルは、2016年12月15日で直近の高値118.66円(aの時点)でいったん天井を付けます。

(図3)トライアングル

その後2016年12月30日に106.05円まで下落しましたが再び上昇に転じて、2017年1月3日には直近の高値である118.60円(bの時点)をつけ、前回の高値aとほぼ同じ水準に達しました。ただ、この時点では、ダブルトップではありません。ドルが二つのトップ(高値、天井)の間にある安値cを割り込んだ段階で、ダブルトップが完成します。実際に、ドルはその後、下落トレンドに転じて最終的には2017年4月17日に安値となる108.13円を付けました。

次の図4は、ダブルボトムの実例です。2015年12月から2016年3月までのNYダウの日足です。

(図4)ダブルボトム

NYダウは、2016年1月20日に直近安値となる15450ドルまで下げました。これが最初の底値dです。その後、同年2月1日に直近高値の16510ドルまで反発したものの再び下落。2番底はeの同年2月11日につけた15503ドルでした。その後、dとeの中間にある高値水準Fを明確に超えたのが、同年2月22日です。この時点でダブルボトムが完成。その後は、現在まで続く上昇トレンドにつながっています。

ダブルトップでは、二つのトップ(高値、天井)は一致する必要はありませんが、近い水準でなければなりません。同様に、ダブルボトムでは、二つのボトムが近い水準でなければなりません。なお、ダブルボトムで、2番目の底値が1番目の底値を割り込んでいても構いません。1番目と2番目の底値のどちらが高いか安いかよりも、同じ水準であることが大事です。

ところで、2度ではなく、3回にわたり株価が天井を付けるトリプルトップや、3回にわたり株価が底値を入れるトリプルボトムがあります。これらはそれぞれダブルトップとダブルボトムの応用編として考えればよいでしょう。すなわち、株価がトップの間にあるより安い安値を下回ると、トリプルトップが完成です。また、ボトムの間にあるより高い高値を上回れば、トリプルボトムが完成です。

なお、ヘッド・アンド・ショルダーは、トリプルボトムの特殊な形ですが、より厳密に定義することで(例えば、ネックラインのブレイク)、トレンド反転の強いサインになると解釈されます。

週足でも確認

ダブルボトムは、いわゆる「2番底を入れる」と言われるケースですが、トレンドが反転したとの判断を株価が二つのボトムの間につけた戻り高値を上回った時とすることで、より客観的に、厳密にしたものです。しかし、客観的・厳密にした分だけ、買いのタイミングが遅れてしまうという課題が残ります。

例えば、図4では、2番底eは15503ドルであるのに対して、トレンド転換のサインとなる水準Fが16510ドルであり、底値から1060ドル(7%)も高い水準です。この間の上昇分を見逃すことになる上に、ダブルボトムの完成のサインが出ても、買いに踏み切れない可能性があります。底値から1000ドル超の上昇のあとだけに、高値警戒感が強まっていてもおかしくないからです。

そこで、現実的な対応として、ダブルボトムになることを見越して早めに買いを入れる方法もあります。このときに気を付けたいのが、1番底と2番底の間にどの程度の期間があるかです。この期間が短ければ、株価の反発は、下落の途中につけた一時的な戻り(上昇)になる可能性が高いでしょう。

図4の例では、1番底を付けてから16日目(営業日)に、1番底と同じ水準に達しました。この程度の期間があれば、2番底としての一つの要件を満たします。そのうえで、株価が反騰に転じたという他のテクニカル的なサインを確かめながら、買いを入れることになるでしょう。

一つの例として、図5で2014年4月以降のNYダウの週足を見てみましょう。2015年8月24日に最初の底値となる15370ドル(G)を付けます。その後、2015年11月3日に17977ドルまで反発したのちに、2016年1月20日の15450ドル(H)まで下落しました。

(図5)ダブルボトム

すなわち週足のHが、日足のdとeの水準です。言い換えれば、日足の2番底候補eは、週足の2番底候補でもあります。したがって、日足でダブルボトムが完成すれば、これは週足のダブルボトムになる可能性があります。そうなると、大きな株価の上昇が期待できますから、ややリスクが高くても買いを入れる価値はあります。

したがって、eから株価が反発した最初の段階で、ひとまず少しだけでも買いを入れるのは、悪くない方法でしょう。実際に日足のダブルボトム完成から株価はFの水準を上回って週足のダブルボトムも完成。現在まで続く上昇トレンドにつながりました。

RSIでの確認方法

なお、ダブルボトムになる可能性を示唆する、もう一つのテクニカル指標をご紹介します。ここでは、図6のRSIです。なお、RSIについては、今後のコラムで改めて解説いたします。

(図6)NYダウのRSI

NYダウの日足では、最初のボトムは2016年1月20日につけました。この時の株価は15450ドルでしたが、RSI(14日)は28.1でした。30を下回るRSIは、株価が短期的には売られ過ぎと判断される状況です。

次に、株価は2月11日に、前回の安値に迫る15503ドルまで下げましたが、その日のRSIは35.8でした。RSIは、1回目の底入れ時につけた水準にまで下がらず、また売られ過ぎ水準(30未満)まで下げていません。

ここから、RSIからみた2月11日の売り圧力は、同じ株価水準まで下げた1月20日よりも強くないという見方ができます。すなわち、2月11日の下落は、1月20日の下落時よりも、売り圧力が弱まっていると評価し、2月11日は2番底になる可能性が高いという見方もできます。

相場の徒然:倍返しが近い?

日経平均株価も、ダブルボトムを形成していました。終値で見ると、2016年2月12日に14952円まで下げたのちに反発し、同年4月22日に17572円の戻り高値を付けました。そこから再び下落に転じ、同年6月24日に14952円と2番底を入れました。2番底の株価は、1番底とぴったり一致していました。

そこからは上昇トレンドに転じました。戻り高値17572円を突破したのは、同年11月14日。この時点でダブルボトムが完成です。上値のめどとして、図7のような「倍返し」が考えられます。

図7日経平均株価

戻り高値の17572円から2番底の14952円までの下落は、17572円から14952円を引いた2620円です。この下落幅を戻り高値の水準に足すと、17572円に2620円を足した20192円です。そして今年6月に、この水準に届きました。ダブルボトムの完成時点(2016年11月14日の終値は17672円)で投資をしても、十分な値幅が取れたはずです。では、ダブルボトムを使った次の目標はいくらか。

これは、戻り高値と2番底までの下落の223.6%戻しであり、20811円が目標株価となります。そして、この株価水準は、アベノミクス後の高値である2015年6月24日の20868円に近い水準です。

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