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ダブルボトムを使ってみる

ダブルボトムを使ってみる

先週は、トレンドラインを検討しました。その中で、トレンドの反転パターンについても若干ご説明しました。相場の流れが変わるサインですが、今回はさらに詳しく考えてみます。

ヘッド・アンド・ショルダーの定義

前回、ヘッド・アンド・ショルダーについてご説明しました。ヘッド・アンド・ショルダーは、チャート・パターン(チャート・フォーメーション)では、最も有名な相場反転サインです。株価が3回にわたり明確な高値を付けますが、そのうちの真中の高値がほかの高値よりも高いパターンです。図1の通り、真ん中の高値○bが頭(ヘッド)であり、その前後の高値である○aと○cが両肩(ショルダー)にあたることから、ヘッド・アンド・ショルダーと呼ばれています。

(図1)ヘッド・アンド・ショルダー

これは、三尊天井とも言われます。仏像が3体並んでおり、その真ん中の仏像が、他の2体よりも背が高い姿がイメージされた呼び名です。頭と両方の肩の間にできる小さな底値を結んだ線は「ネックライン」と言われ、株価がこれを下回ったらヘッド・アンド・ショルダーが完成。売りのサインです(○dの時点)。

なお、ヘッド・アンド・ショルダーのパターンが有効なのは、それが大きなトレンドの後に現れた時だけです。小さな値動きの際に同じようなパターンが出ても、反転のサインにはならないとされます。

また、ネックラインを下回って初めて、ヘッド・アンド・ショルダーが完成します。○a-○b-○cのかたちの高値が現れただけでは、このパターンの完成ではないということです。

例えば、図2では、○a-○b-○cはヘッド・アンド・ショルダーと同じです。しかし、ネックラインから反発し、逆に○bと○cを結んだ上値抵抗線を突破しました。これは「トライアングル」のブレイク(三角持合いからの上放れ)と言われる状況であり、上昇トレンドの反転サインではなく、上昇トレンドの継続サインです。

(図2)トライアングル

ポイントは、ネックラインは下値サポートラインであるということです。これを下回って初めて、強い売り圧力がかかったと確認できるということ。したがって、○a-○b-○cだけを見て売りサインと判断するのは危険です。

ダブルボトムとダブルボトム

さて、比較的頻繁に見られるパターンが「ダブルトップ」と「ダブルボトム」です。ダブルトップはその名の通り、二つの高値があるパターン。また、ダブルボトムは二つの安値があるパターンです。図3のダブルトップは、ドル円相場の実例です。2016年11月から上昇基調を強めたドルは、○Aの118.66円(2016年12月15日高値)でいったん天井を付けます。

(図3)トライアングル

その後106.05円(2016年12月30日)まで下落しましたが、再び上昇し、○Bの118.60円(2017年1月3日高値)をつけ、前回の高値○Aとほぼ同じ水準に達しました。ただ、この時点では、ダブルトップではありません。ドルが、二つのトップ(高値、天井)の間にある安値○Cを割り込んだ段階で、ダブルトップが完成します。実際に、ドルはその後、下落トレンドに転じ、最終的には108.13円(2017年4月17日安値)を付けました。

次に、図4は、ダブルボトムの実例です。2015年12月から2016年3月までのNYダウの日足です。

(図4)ダブルボトム

NYダウは、15450ドル(2016年1月20日安値)まで下げました。これが、最初の底値○Dです。その後、16510ドル(同年2月1日高値)まで反発しましたが再び下落。2番底は○Eの15503ドル(同年2月11日安値)でした。その後、○Dと○Eの中間にある高値水準○Fを明確に超えたのが、同年2月22日です。この時点で、ダブルボトムが完成。その後は、現在まで続く上昇トレンドにつながっています。

ダブルトップでは、二つのトップ(高値、天井)は一致する必要はありませんが、近い水準でなければなりません。同様に、ダブルボトムでは、二つのボトムが近い水準でなければなりません。
なお、ダブルボトムで、2番目の底値が1番目の底値を割り込んでいても構いません。1番目と2番目の底値のどちらが高いか安いかよりも、同じ水準であることが大事です。

ところで、2度ではなく、3回にわたり株価が天井を付けるトリプルトップや、3回にわたり株価が底値を入れるトリプルボトムがあります。これらはそれぞれダブルトップとダブルボトムの応用編として考えればよいでしょう。すなわち、株価がトップの間にあるより安い安値を下回ると、トリプルトップが完成です。また、ボトムの間にあるより高い高値を上回れば、トリプルボトムが完成です。

なお、ヘッド・アンド・ショルダーは、トリプルボトムの特殊な形ですが、より厳密に定義することで(例えば、ネックラインのブレイク)、トレンド反転の強いサインになると解釈されます。

週足でも確認

ダブルボトムは、いわゆる「2番底を入れる」と言われるケースです。ただし、トレンドが反転したとの判断を、株価が二つのボトムの間につけた戻り高値を上回った時とすることで、より客観的に、厳密にしたものです(ダブルトップも同様)。しかし、客観的・厳密にした分だけ、買いのタイミングが遅れてしまうという課題が残ります。

例えば、図4では、2番底○Eは15503ドルであるのに対して、トレンド転換のサインとなる水準○Fが16510ドルであり、底値から1060ドル(7%)も高い水準です。この間の上昇分を見逃すことになる上に、ダブルボトムの完成のサインが出ても、買いにちゅうちょする可能性があります。底値から1000ドル超の上昇のあとだけに、高値警戒感が強まっていてもおかしくないからです。

そこで、現実的な対応として、ダブルボトムになると見越して、早めに買いを入れる方法もあります。その際に一つ注目していただきたいのは、1番底と2番底の間にどの程度の期間があるかです。この期間が短ければ、株価の反発は、下落の途中につけた一時的な戻り(上昇)になる可能性が高いでしょう。

図4の例では、1番底を付けてから16日目(営業日)に、1番底と同じ水準に達しました。この程度の期間があれば、2番底としての一つの要件を満たします。そのうえで、株価が反騰に転じたという他のテクニカル的なサインを確かめながら、買いを入れることになるでしょう。

一つの例として、NYダウの週足を見ます(図5参照、株価は2014年4月以降)。15370ドル(2015年8月24日)に最初の底値○Gを付けます。その後、株価は、17977ドル(2015年11月3日)まで反発したのちに、改めて○Hの15450ドル(2016年1月20日)まで下落しました。

(図5)ダブルボトム

すなわち週足の○Hが、日足の○Dと○Eの水準です。言い換えれば、日足の2番底候補○Eは、週足の2番底候補でもあります。したがって、日足でダブルボトムが完成すれば、これは週足のダブルボトムになる可能性があります。そうなると、大きな株価の上昇が期待できますから、ややリスクが高くても買いを入れる価値はあります。

したがって、○Eから株価が反発した最初の段階で、ひとまず少しだけでも買いを入れるのは、悪くない方法でしょう。実際に、日足のダブルボトム完成以降、株価は○Fの水準を上回って週足のダブルボトムも完成。現在まで続く上昇トレンドにつながりました。

RSIでの確認方法

(図6)NYダウのRSI

なお、ダブルボトムになる可能性を示唆する、もう一つのテクニカル指標をご紹介します。ここでは、図6のRSIです。なお、RSIについては、今後のコラムで改めて解説いたします。

NYダウの日足では、最初のボトムは2016年1月20日につけました。この時の株価は15450ドルでしたが、RSI(14日)は28.1でした。30を下回るRSIは、株価が短期的には売られ過ぎと判断される状況です。

次に、株価は2月11日に、前回の安値に迫る15503ドルまで下げましたが、その日のRSIは35.8でした。RSIは、1回目の底入れ時につけた水準にまで下がらず、また売られ過ぎ水準(30未満)まで下げていません。

ここから、RSIからみた2月11日の売り圧力は、同じ株価水準まで下げた1月20日よりも強くないという見方ができます。すなわち、2月11日の下落は、1月20日の下落時よりも、売り圧力が弱まっていると評価し、2月11日は2番底になる可能性が高いという見方もできます。

相場の徒然

日経平均株価も、ダブルボトムを形成していました。終値で見ると、2016年2月12日に14952円まで下げたのちに反発し、同年4月22日に17572円の戻り高値を付けました。そこから再び下落に転じ、同年6月24日に14952円と2番底を入れました。2番底の株価は、1番底とぴったり一致していました。

そこからは上昇トレンドに転じました。戻り高値17572円を突破したのは、同年11月14日。この時点でダブルボトムが完成です。

図7日経平均株価

上値のめどとして、「倍返し」が考えられます(図7参照)。戻り高値の17572円から2番底の14952円までの下落は、2620円(=17572円-14952円)。この下落幅を、戻り高値の水準に足すと、20192円(=17572円+2620円)です。そして、今年6月に、この水準に届きました。ダブルボトムの完成時点(2016年11月14日の終値は17672円)で投資をしても、十分な値幅が取れたはずです。

では、ダブルボトムを使った次の目標はいくらか。これは、戻り高値と2番底までの下落の223.6%戻しです(223.6%戻しはフィボナッチ比率を使った目標株価ですが、これはいずれご説明します)。具体的には、20811円となります。そして、この株価水準は、アベノミクス後の高値20868円(2015年6月24日)に近い水準です。

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