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トレンドの使い方を考える

前回は、シンプルだけれども、もっとも紛まぎれのないトレンド判定法をご説明しました。今回は、これを実践でどのように生かすかを考えます。

トレンドと売買の方法

前回のコラムでは、トレンドをどのように見極めるかを検討しました。具体的には、高値が切り上がるとともに、安値が切り上がれば、上昇トレンドだと判定しました。

(図1)トレンドの見方

図1「トレンドの見方」の○aは、株価の底値が前回の安値を下回らないうちに、高値が前回の高値を上回ったことから、上昇トレンドがあると判定します(図1において、直近の安値②は前回の安値よりも上にある。またその後の株価aは、前回の高値①を上回った)。ここでは、新たな買いを検討する場面です。そして、図1の通り、その後も高値・安値の切り上げが続く限り、上昇トレンドは継続します。株式の買い持ちがあれば、そのまま維持する場面です。

次に、高値は切り上げるけれども、安値が切り上がらない場合、あるいは安値は切り上がるが、高値が切り上がらない場合(図内のb)、上昇トレンドに変調が見られます。ここは、新たな投資には慎重になる局面ですし、株式の買い持ちがあれば、一部の売却を検討すべき時です。その後、安値が切り下がるとともに高値が切り下がれば、下落トレンドに転じたと見ます。利益の確定売りを出す必要があります(図内のc参照)。

ショートポジション

下降トレンドに転じれば、信用取引を使った新規の売りや、先物取引ではショートポジションを取る動きが出始めるでしょう。ちなみに、「信用取引の新規売り」は、株券を借りてきてそれを売り、のちに株価が下がれば買い戻して、その値さやを稼ぐ取引です(空売り- からうり- と言われる場合もあります)。このような取引は、価格の変動を利用して利益をあげる取引、すなわち「投機」です。

また、「先物取引のショート」は、先物の新規売り(価格の下落で利益が出る取引、すなわち価格が上昇すれば損失が出る取引)の意味です。そして、「ショートポジションを取る」は、株価の値下がりで利益が出る状態にあるということです。なお、ショートの反対はロング(long、買い)です。

なぜ、このような言い方になったのか。おそらく、ショート(short)は、「短い」の意味ではなく、「足りない」の意味で使われているのでしょう。手持ちの株が不足しているから、それを借りてきて売るのがショート。一方、ショートが売りだから、その反意語のロングが買いの意味になったとか(市場における都市伝説です)。

下降トレンドの転換と新たな買い

さて、下降トレンドではショートポジションが積みあがります。そして、下値は切り下がったのだが、上値は切り下がらない、または上値が切り下がったが、下値が切り下がらない状況になれば、下降トレンドが弱まった可能性があります。そろそろショートの一部を手じまう、すなわち買い戻すことも必要です。ちなみに、信用売りや先物売りの買い戻しを、ショートカバーとも言います。

このとき、新たな投資をしようとしている人は、そろそろ買いのタイミングが近づいてきたとして、株価を丹念に観察する場面です。あるいは、打診的に買う(資金の一部を投資する)ことも、検討すべきでしょう。

さらに、高値が切り上がるとともに下値が切り上がる状況になれば、上昇トレンドに転じたとみて、ショートポジションは手じまう必要があります。また、新たな投資を始める局面に来ています。

短期と中期のトレンド

さて、このようなトレンドの見方は、超短期から超長期まで、あらゆる時間軸で使えます。

(図2)より長いトレンド

図2「より長いトレンド」で、そのことを示してみました。図1のa‐b‐cのラインは、上昇トレンドから下降トレンドに転じる場面を示していました。しかし、その後、図2に見られるように、dの時点で改めて上昇トレンドに転じました。

この流れを、より長い時間帯でとらえたものがA‐B‐Cの記号で示したラインです。これは、上昇・下降・上昇の三つのラインで示されています。この三つのラインにより、中期的な上昇トレンドが認められます(高値の切り上がりと安値の切り上がり)。ここで、a-b-c-dで示したラインを「短期トレンド」とすれば、A‐B‐C で示したラインは「中期トレンド」という言い方もできます。時間軸は違いますが、トレンドの解釈の仕方は同じです。

短期か中期かで取引は分かれる

ただ、短期トレンドに注目するのか、中期トレンドに注目するのかによって、取引のタイミングには違いが出てきます。

(図3)短期と中期の関係

図3「短期と中期の関係」は、図2以降の相場展開を示したものです。短期トレンドの観点からは、eの時点では売りになります。高値・安値ともに切り下がって、下降トレンドが見られるからです。しかし、中期トレンドの観点からは買いになります。Cにより確認された中期の上昇トレンドがあるためです。

したがって、eの時点では短期的な弱気ムードか強くなる可能性がありますが、中期では強気を維持するところでしょう。すなわち、eにいたる株価の下落は、中期的には絶好の買いのタイミングにもなります。

このように、相場の見方は、自分が短期トレンドに乗ろうとしているのか、あるいは中期のトレンドに乗ろうとするのかで異なります。すなわち、自分の投資の時間軸(短期か中期かなど)によって、どこが買いのタイミングになるかも違ってきます。そのため、自分の投資スタンスをしっかりと決めることが大事です。

例えば、日本の構造変化をとらえる超長期トレンドに乗ろうとするのならば、SQやFOMCといった目先の材料や短期の材料で相場が下がる局面は、買いのチャンスです。逆に、構造変化を期待して株式を買ったのに(超長期投資なのに)、少し円高に行きそうだといった短期的な懸念によって売却してしまうことも避けたいですね。なお、投資期間をどのように考えるのかについては、次回のコラムで検討します。

日経平均株価の例

以上を踏まえて、日経平均株価についてトレンドを探ってみます。図4「日経平均株価(日足)」を見ると、①で高値・安値が切り下がったので、下降トレンドが見られます。また、②では下値・高値の切り上がりで上昇トレンドが見られます。これは、5月1日以降のデータによる、短期のトレンドです。

一方、3月以降の株価データで見ると、図5「日経平均株価(3月1日以降)」の通り、③の時点で、4月14日を底値とした上昇トレンドが確認されました。

(図4)日経平均株価(5/1~)(図5)日経平均株価(3/1~)

もちろん、上述した公式通りに取引することをおすすめしているわけではありません。ただ、投資する際にトレンドを考えることで、相場の見方や投資プランを整理することができます。その結果、さまざまな株価の動きに対して、より適切に対応できるようになるでしょう。

相場の徒然:20000円と変化の兆し

日経平均株価は現在、20000円の攻防です。1990年のバブル崩壊で株価が暴落したのち、株価が上昇しても、この20000円を超えると失速しました(図6参照)。20000円まで戻しては下落する株価のパターンは、すでに20年以上続いています。まさに、「日本経済の失われた20年」を象徴する動きでした。

(図6)日経平均株価(日足)

今回も、6月1日に20000円台を回復しましたが、すぐにその大台を割り込みました。「失われた20年」のジンクスはまだ生きているのでしょうか?このジンクスから抜け出すためには、もちろん経済面での好材料は必要です。例えば、日本の経済規模、すなわち国内総生産(GDP)が拡大することです。

失われた20年の意味は、日本経済が低成長で、名目GDPが長期にわたり拡大してこなかったことです。そのGDPが、政府が目標とする600兆円に向かうならば、日経平均株価の20000円超えは実現するでしょう。

そして、GDP600兆円もいずれ達成できるとの期待はあります。人工知能(AI)やIoT、自動運転など、第4次産業革命といわれる技術革新がはじまっているからです。

ただ、それだけでは足りないかもしれません。ジンクスを破るためには、人の心の変化も大事でしょう。投資家や企業経営者が、前向きにリスクを取る気持ちにならなければ、技術革新も単に人々に便利さをもたらすだけで、日本経済に対して十分な効果を発揮できないからです。

もちろん、少子高齢化や、社会保障への不安はあります。それを超えて、投資家が前向きになるには、一部の投資家でもあっても、「新しい何かが始まっている」、あるいは「新しい社会トレンドが始まる」と感じることが必要でしょう。

実はいま、そのような予感をさせる要因があります。先日の世界卓球選手権で、13歳や17歳の若者が、世界のトップと渡り合いました。また、14歳で23連勝(6月7日現在)したプロ棋士もいます。少し前の時代ならば、この年代は「部活」世代であり、「世界」とは遠く離れていました。スポーツだけでなく、ビジネスでも若者(子供?)が台頭してきてもおかしくありません。実際、10代で起業する人も出てきています。この大きな変化は、人々の心にも前向きな影響を与えるのではないでしょうか。その変化こそが、日経平均株価20000円の壁を突破する原動力になるはずです。

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