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RSI vs. トレンド分析

RSI vs. トレンド分析
今回も、引き続きRSIを深掘りしてみます。そのうえで、トレンド指標に勝る点についてもご説明します。

RSIの使い方を詳しく見る

復習ですが、RSIの数字はゼロと100の間を往来し、ゼロに近づくと売られ過ぎ、また100に近づくと買われ過ぎと判断します。一般的には、RSIが70を越えれば買われ過ぎ、またRSIが30を下回ると売られ過ぎと判断します。

さらに、RSIが上昇から下落に転じると、株価は目先の天井を付けたと見ます。一方、RSIが下落から上昇に転じると、株価は目先では底入れしたと見ます。なお、RSIに使うデータは、過去14日の終値(パラメーター14)とするケースが多いのですが、このパラメーターは対象とする金融商品(株式や為替など)ごとに変えても構いません。

この原則のもとに、RSIの使い方をさらに詳しくみていきます。もっとも興味深い方法は、RSI自体をテクニカル分析することです。すなわち、RSIのトレンド分析や、チャートパターン分析を行います。

(図1)ドル円相場とRSI(10日)

図1は、昨年9月以降のドル円相場(日足)とRSIの関係を示しています。なお、RSIのパラメーターは10としています(過去10日のデータによる)。この間は、70-30基準による売買でも、おおむね良い結果が残せました。ただ、RSIをテクニカル分析すると、より良い結果が得られた可能性があります。

(図2)ドル円とRSI<1月~5月>

例えば、1月~5月までの期間に絞ったのが図2です。この図において、実線で示したRSIは、1月半ばから3月半ばにかけて、下値を切り上げています。その間、点線で示した株価も全体としてはじり高でした。そこで、このRSIに、レジスタンスラインとサポートライン(下値支持線)を引いてみます。その結果、図2のようにチャネルが確認できます。

3月半ばに、RSIはこのチャネルのサポートラインを割り込んできました。これにより、RSIは上昇基調をいったん終了したか、あるいは低下基調に変わった可能性が高いことが分かります。実際、この時がドル円相場にとっても転機でした。RSIがサポートラインを割り込んだ時には1ドル=113円台でしたが、最終的には108円台まで下落しました。ドル円相場とRSIの動きを比較すると、チャネルをブレークしたRSIで見る方が、その転換を的確にとらえることができました。

(図3)ドル円とRSI<3月以降>

もう一つの例を見ます。3月以降のドル円相場で、図3に示しました。局面①では、RSIが実線と点線ではさまれたペナントを形成しています。そのうえで、この上値抵抗線を突破したことで、RSIは上昇転換しました。同時に、これによりRSIはダブルボトムを形成します。この時点のドル相場は111円台前半。その後、ドル相場は対円で上昇を加速させ、一時114台に達しました。

次に、局面②では、RSIが点線(直線)を上回った時点で、小さいですがヘッド・アンド・ショルダー(三尊底)が完成しました。これは、RSIの底入れサインですが、その時点のドルは111円台前半。その後、114円台まで上昇しました。

このように、RSIは、それ自体をパターンやトレンド分析できることが利点です。これにより、RSIの転換点を知り、その結果として株価や為替相場の転換や加速を見通すのに役に立ちます。

ダイバージェンス

一般に、RSIにおいては「ダイバージェンス」が重要と言われます。ダイバージェンス(Divergence:分岐)は、もともとは類似していたものが分かれていくことです。通常は連動して動いている株価とRSIが、次第に別の方向に動くのが、ダイバージェンスです。

(図4)ダイバージェンス

図4は、ダイバージェンスの例です。日経平均株価は5月下旬から上昇基調を強めて、今年のこれまでの高値20230円(6月20日終値)に向けて上昇基調を強めました。一方、RSIは、5月の上旬にはピークを付けており、株価が今年の高値を付けた段階でも、直近のピークまでは戻りません。そして、その後は現在まで下落を続けています。株価は上昇する一方、RSIは低下するというダイバージェンスが見られます。

RSIの教科書的な解釈では、株価の天井や底値でダイバージェンスが起きた時、強力な売り買いのシグナルになるとされています。確かに、図4のケースでも、株価は高値を付けに行きますが、RSIは低下を続けていました。その後も株価は高値圏を維持していましたが、RSIは時間とともに、低下しました。その結果、日経平均株価は、このRSIの動きに引きずり込まれるように、8月中旬からは下落に転じました。

このように、株価の高値圏や安値圏で現れるダイバージェンスは、トレンドの一時停止、あるいは転換を示すということは言えそうです。

ただ、ダイバージェンスを使って取引をするということについては、かなりのむずかしさがあることも確かです。このケースでも、RSIは5月以降3か月にわたり下落基調にあるものの、実際に株価が下がり始めたのは8月に入ってからのことです。したがって、実際に投資をしているなかでは、どのタイミングで売れば良いのかとか、あるいは本当に売っても良いのかといった迷いが大いに生じるでしょう。

私は、ダイバージェンスについては、それが株価の高値圏で現れれば、新たな投資については慎重に考え、あるいはダイバージェンスが安値圏で現れれば、新たな投資のタイミングを探り始めるといった姿勢をとるにとどめるべきとみています。すなわち、ダイバージェンスだけでは、アクションを起こすべきではないということです。ダイバージェンスが見られれば、それまでのトレンドの一時停止や転換が近そうだということに留意しながらも、それだけを前提に投資するのはリスクが高いでしょう。

RSIのもう一つの利点

さて、RSIはモメンタム分析(相場の勢いを計る分析)ですが、トレンド分析(相場の方向を探る分析)に勝る点があります。それは、RSIは、トレンド分析よりも早くトレンドに乗ることができ、その結果、株価の上昇からより多くの利益を得ることができる可能性があることです。言い換えれば、RSIの方が、トレンド分析よりも早く、トレンドの転換シグナルを出します。

(図5)日経平均株価とRSI

例として、今年の3月初めから5月上旬までの日経平均株価のチャートを見ます。図5は、RSIのグラフを重ねております。RSIは、4月14日に30を割り込み、株価が売られ過ぎと見られるゾーンに入りました。しかし、そこからRSIは反転し、4月18日には33まで回復しました。これは、冒頭で述べたRSIの原則により、買いシグナルです。この日(4月18日)の終値は18418円。その後、株価は19961(5月11日)まで上昇しました。

(図6)日経平均株価と移動平均線

一方、同じ期間について、移動平均線を適用したのが図6です。5日移動平均線と25日の移動平均線を使って、買いサインであるゴールデンクロス(5日移動平均線が、25日移動平均線を下から上に突き抜ける)を待ちます。これは、4月26日に現れましたが、この時の日経平均株価は19289円でした。

ゴールデンクロスでは、RSIの買いサインが出た4月18日よりも、株価は871円(=19289円-18418円)だけ上の水準でした。この間、日経平均株価の短期的な底値は18335円(4月14日)、また短期的な天井は19961円(5月11日)であり、その値幅は1626円でした。

仮に、この天井で株価を売ったとすれば、RSIではこの最大値幅の95%が取れたことになります。

 ※(19961円-18418円)÷1626円=0.95

一方、ゴールデンクロスでは、最大値幅の41%でした。これは、RSIの半分以下です。

※(19961円-19289円)÷1626円=0.41

この例では、トレンドライン分析であるゴールデンクロスよりも、モメンタム分析の方がトレンドをきちんととらえています。これは、RSIの隠されたアドバンテージ(利点)と言えます。
ただし、このアドバンテージを得るには条件があります。RSIによって示されたは相場反転の方向が、本来のトレンドの方向に一致したときだけ有効だということです。

図5には載せていませんが、日経平均株価の200日移動平均線は上昇していました。すなわち、トレンド分析により、中長期的に株式は上昇トレンドにありました。RSIによる株価の反転サインは、このトレンドに乗るタイミングとして機能したわけです。

したがって、RSIの反転サインを利用する際には、それが本来のトレンドの方向に沿った時だけに限定することが大事でしょう。トレンド指標と、モメンタム指標を組み合わせることで、投資の成果が拡大する可能性が高まります。

相場の徒然 -かみついた犬には近づかない

最近は、相場の不透明感が広がっていることで、「7のつく年」のアノマリーがよく話題になっています。西暦の末尾に7のつく年の相場は波乱となるというお話です。

たしかに、1987年はブラックマンデー、1997年はアジア通貨危機、そして2007年はパリバショックあるいはサブプライムショックがあり、株価が急落する場面がありました。そして、今年も2017年で7のつく年です・・・。

7のつく年のアノマリーは、昔からあったかもしれませんが、私が最初にこのことを知ったのは、伝説のトレーダーであるラリー・ウィリアムズ氏の講演でした。

そういえば、ラリーさんのセミナーに最初の参加したのは、おそらく四半世紀も前のことでした。ラリーさんのセミナーがすごかったのは、セミナー中にトレードのシミュレーションを実際にやって見せたことです。

セミナーのスタートは確か午前8時ころ。まずトレードのシナリオを語り、それにしたがって、寄り付いたらすぐに買いポジションをとりました。途中から、「今日の相場は高く引ける」という『予言』をしました。なので、買いポジションはキープ。果たして、その日の日経平均株価は高値引けだったと記憶しています。

私はその当時、デリバティブのディーラーでしたから、それがマジック(手品)ではないことはすぐに分かりました。当たり前ですが、日経平均株価を個人が動かすことはできませんから。どうしてこのようなことができるのだろうと、不思議でしたし、驚きもしました。

その後研究をしてみると、ラリーさんの手法は、相場の傾向を統計的に見つけることがベースにありました。7のつく年のアノマリーもその一部です。理論的ではないとしても、現実のトレードで、使えるものは使っていこうという姿勢です。

その時に、ラリーさんが言っていたのは、皆さんも、「かみついた犬には近づかないでしょ」ということ。たとえ血統の良い犬であったとしても、かみついた犬には気を付けなさいということです。理屈よりも経験則の重要性を強調していました。

その後は、テクノロジーの発達で、このような手法の研究も相当進んできており、その当時の必勝法はすでに効果がなくなっているかもしれません。ただ、資金運用の世界では、経験が重要という点は変わりません。

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