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損失を与えている顧客がとれる戦略[第7回]

損失を与えている顧客がとれる戦略[第7回]

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JACK
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もう少し担当の裁量配分での優位性を上げるポイントを掲載します。今回はずばり、「損失を与えている顧客」について掲載します。これは、大きく二つの戦略になります。一番わかりやすい出来事としては、私が過去の投資歴の取材や講演時には必ずお話している2008年のリーマンショック時の出来事になります。

私自身は、当時はとにかくIPOやPOの申し込みと獲得に励むブックビルダーでありましたから、今のポートフォリオと比較して、優待銘柄や高配当銘柄をヘッジなしの現物でひたすら保有するということもなければ、スウィング的なポジションもそれほど保有していないことから、まわりのトレーダーと比較すれば、驚かれるくらいの微損の結果でありました。

損失を受けている顧客への対応

もしも、その日以降で大型のIPO銘柄でも保有やら当選していれば、大打撃を食らうことは、その後の2011年の東日本大震災の時に物語っておりますが、その話はまた後日とさせてください。しかし、微損と言いながらも、私はそのリーマンショックで、過去最大の損失を被り、数十年近く、年間成績はプラスを維持しておりましたが、それも潰えた年にもなりました。

何しろ、リーマンブラザース本体の債券を保有していたのです。私自身は資産の運用の一般的な考え方で、株式と異なり、債券を持つというのは、ある程度の種銭が増えてきた時から保有しており、今もまだ満期がかなり先の債券を数百万円は保有しております。とにかくそのリーマンブラザース自体が破綻したのでありますから、約束された利回りやら償還はなく、紙切れになるというのが一般的であります。

もちろん、多少なりともシニア債だったりすることもあり、解散価値からある程度はその後、資金は回収できるのですが、とにかく当時はやられたという感が強かったし、8桁以上の保有でしたから、電話を受けた時にはぼうぜんとなって、価値がなくなったということしか、後はどのような会話をしたか記憶がありません。

逆風下でもIPOは比較的順調だった2008年

そのような失意の中、IPO自体は下表のとおり、少なからずリリースがありましたが、地合いもあり、今年の第1四半期のIPOのように公募価格に対し、初値が数倍に爆騰する銘柄は少なかったのですが、結論から言えば、それなりのIPOが獲得できました。もちろん、その経緯については、確認することはしておりませんし、お尋ねしたとしてもこの御時勢、社内での抽選やら検討結果ですとけむに巻かれるのが関の山かと思われます。

なお、損失が莫大(ばくだい)でありますから、IPOに数回当選したくらいでは、損失額に比較すればすずめの涙でありますが、当時は10万いや5万でも株式投資で私の手法で稼ぐのは難しいかったこともあり、有り難かったのは事実であります。

2008年IPO(リーマンショック後)

上場日銘柄名コード公開値初値
12/19paperboy&co.363319004000
12/17リックコーポレーション3147330330
12/17グリー363233005000
12/16ショーエイコーポレーション9385225236
12/12ソーバル2186600640
12/10ホシザキ電機6465750705
12/09らでぃっしゅぼーや3146600600
12/08エス・ディー・エス バイオテック4952750693
12/04シイエム・シイ218519001540
11/11ヒューリック3265470425
11/07オーウイル3143450418
11/06アサカ理研5724800750
11/05内外トランスライン938412001116
10/30電算システム3630850790
10/28トライウォール395710/17上場延期
10/28クロス・マーケティング3629590580
10/27リニカル21831000610
10/07メディサイエンスプランニング218211001210
09/19データホライゾン362816501900

2009年IPO

上場日銘柄名コード公開値初値
12/25一建設326823002300
12/24ヤーマン663037004200
12/17日本海洋掘削160638005000
11/20エフオーアイ1606850770
10/23デ・ウエスタン・セラピテクス研究所4576290315
09/17キャンバス457521003730
09/14三菱総合研究所363622003200
09/11シーボン492618601830
09/11SHO-BI7819380720
07/17クックパッド2193950019100
06/25八洲電機3153250550
06/23常和ホールディングス325817201760
04/02ソケッツ363444008000
03/26テラ2191310300
03/18大幸薬品457420002120
03/17JCLバイオアッセイ2190600630
03/16小田原機器731418001680
03/13ユビキタスエナジー31509502000
03/12大研医器777511501150

損失を抱えた顧客に対するアプローチがある

もちろん、ここまでの例は考えにくいですが、とにかく自分の顧客が損失、特に自分の薦める金融商品で損失を被っていれば、とにかく、損失を一気に縮小、あるいはプラスにできるようなIPOを自分自身で配分することができれば、どう考えても優先順位は、すでに利益を獲得している顧客よりは、その損失を計上している顧客に配分をするのが人の常ではないでしょうか。

実際に私自身はこの債券以外にも投資信託や個別銘柄においても結構な損失を被った時には、S級やA級とまでは言いませんが、ある程度、株数が多いB級銘柄、あるいはPO(公募増資)銘柄の配分については、配分をもらった感がありますし、経験者であれば、あれかな?という心当たりがあるのではないでしょうか。

ですから、私自身は、その他の手法で、証券マンの裁量の順位が上げるのが難しい方には、証券マンからの金融商品の営業には積極的に応え、損失を計上するスキームは必須ではないかと考えておりますが、投資信託や債券はこりごりという方がほとんどで、私自身もその一人であります。

担当者への切り返しと対処法

「では、どうすればいいのか?」というところになるのですが、唯一使えるのが、空売りやらつなぎ売りができる個別銘柄になります。個別銘柄であれば、始値、あるいは利益が乗ったタイミングで、手数料の安いネット証券で同じ銘柄を同じ株数の空売りをすれば、株価が下がったとしても自分自身の損失は手数料だけになりますが、店頭証券側の顧客画面においては、いい感じの損失額がアップされる形になります。

また、第5回で触れた返報性の法則を鑑みれば、このようなことが数回続いた後に、

「個別銘柄は調子が悪いね。たまにはIPOでも応募しようかな?何かない?」

というようなせりふをぶつけるのも効果があります。私も「ここで損失を計上したい」「IPOの利益でリベンジをしたい」などなどのフレーズも加えて使っております。

儲かったときにはどうすればよいか?

損失が発生するケースばかりを見てきましたが、反対に儲かった時にはどのようにすればよいのでしょうか。答えは簡単です。次の紹介銘柄まで待つのです。もしも、案内する銘柄がいつも上がる、もしくは月間やら年間でプラスであるというようなことがあれば、その営業マンは自社等でディーラーをやりますので、長年、営業担当をすることはありませんから、とにかく中期で対応してみてください。

敢えて損失をこうむるのもあり

個別銘柄というころで手数料貢献という意味では、ファンドラップや投資信託、あるいは債券ほどの力はないかもしれませんが、あえて営業マンの推奨銘柄で損失を被るというようなスキームはまだまだ健在ではないかと私自身は考えております。

厳しい地合いの中、新刊を発売します。今回も厳選勝負銘柄を掲載しました。

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