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IPO当選のカギは地場証券の活用?[第28回]
IPOも目論見書には、そもそもの各証券会社の株式引受数や想定発行価格等が記載している極めて重要なものでありますから、皆さまも必ず、ざっくりとでもいいので、内容を確認する習慣を付けておくことを推奨いたします。
特に後日リリースされる訂正分には、引受株式数の欄の、各引受株式数の未定が訂正された結果となっており、大阪油化工業(4124)であれば、野村証券222,300株、大和証券26,500株、SMBC日興証券15,900株、SBI証券5,300株となっています。
ですから、この株数を把握すれば、今までお話していたところの1支店あたりの株数が推測することができることになり、申し込みの判断の参考になります。
この記事のもくじ
注目したい「委託販売」分
その株式の引受の欄外注記には「上記引受株式数のうち、2,000株を上限として、全国の販売を希望する引受人以外の金融商品取引業者に販売を委託する方針であります。」との記載があります。
私自身も最初はこの記載の意味やら重要性がわかっておりませんでした。
しかし、よく読むと、わかりやすく意味を説くと、上記引受株式数のうち、2,000株(100株単位として20人)は、希望する全国の証券会社に配分するという意味になります。すなわち、主幹事証券(ここで言うところの野村証券)と幹事証券(ここで言うところの大和証券、SMBC日興証券、SBI証券)は決定しておりますから、それ以外の証券会社に配分するということになります。
委託販売分はどの証券会社からでも申し込める
それは、証券会社ならある意味、希望さえすれば、どの証券会社でも可能でありますから、例えば、松井証券や楽天証券といったネット証券から、岡三証券やいちよし証券など、とにかく幹事証券に選ばれていない店頭証券も応募することはできます。さらには、香川証券や長野証券といった東京や大阪にはない証券会社、また、プレミア証券会社やニュース証券といった中には名前も聞いたことのない証券会社においても、応募することは可能であります。
つまり、その条件を鑑み、主幹事や幹事ではない証券会社に口座がある場合については、大阪油化工業のブックビルディングをすることが可能であり、開設していなければ、一口座でも多く口座開設をして、後は応募して連絡を待つというスタンスになります。
競争率が低い証券会社を狙う
ただ、いくつか注意することがあります。それは、当然のことながら、どの証券会社においても、顧客に対して旨みのIPOの配分となると、預かり資産の上積みや他の金融機商品の購入も考えられることから、実態として、ほとんどの証券会社が応募しますから、抽選の元、かなりの倍率となるということです。もちろん、中には、その人件費等の手間を鑑み、一切、応募をしない証券会社も少なからず存在します。
とは言っても、そのあたりは、俗に言うS級やA級案件のIPOなら90社以上、B級やC級案件であっても70社以上の応募がありますから、単純に株数ベースで1社500株が当選となると当選者数は4社となり、倍率は単純に4.44%から5.71%になります。
参考までに、公開価格1,000円の約5倍の初値5,010円がついたウォンテッドリー(3991)の申し込み社数と割り当て社数の結果が下記になります。
申込社数 | 91社 |
---|---|
割当社数 | 4社 |
自分の応募した証券会社が当選したとしても、1社あたりわずか500株でありますから、応募人数が5人であれば当選しますが、仮に100人の応募があれば、確率は5%、50人であっても10%、25人でやっと20%となります。
ここでの必勝法は、誰もが開設していない証券会社、あるいは紹介制やら一見さんお断りの証券会社に口座を開設して、結果的にとにかく競争率が低く、当選確率が高くなる証券会社からブックビルディングに応募することになります。
スケジュールにも注目
次に注意するのはスケジュールになります。この全国の証券会社に応募するタイミングは、本来のブックビルディングの開始する前、大阪油化工業の場合は、9月19日~ブックビルディングの開始でありますから、15日までにするのが一般的であります。一部、この割当社が決まってから募集する証券会社もありますが、基本はブックビルディング前になりますから、そのあたりの日程を失念しないようにしなければいけません。
当然の事ながら、数多く応募した方が当選する可能性が高いことから、1社より10社、強者となると、軽く50社くらいは応募しておりますので、応募するだけでも、結構な時間が取られます。一般的にこのような行為を、地場証券の活用と謳っております。
IPOで見逃せない地場証券とは?
地場証券とは、主に個人投資家を対象としていて、地元のエリアを営業対象として活動する小規模な証券会社を指しています。大手証券会社や中堅会社、インターネット証券会社と区別して地場証券と呼ばれています。
従来は東京証券取引所のある兜町や大阪証券取引所などの周辺に多くあり、また最近は地元に強い地場証券として地方にもあることから、まさに前述した内容となっていると思います。
ちなみに、IPOのこのような使い方以外にも、大手証券会社と比べ、情報に精通していたりするので、迅速な情報の入手や安心感を求める個人投資家や、プロ・セミプロ投資家たちに好まれて利用されているところでもあります。
言われて見れば、私自身も初めての証券会社は家に出入りしていた地場証券の営業マンで、そこで口座を開設したところであります。
付き合い方次第ではメリットの大きい地場証券
皆さまも、兜町に行かなくても、案外、自宅や会社の近所に名前も聞いたことのないような証券会社、あるいは、昔から存在する歴史ある証券会社があるかもしれませんので、一度伺ってみるのも一考だと思います。
ちなみに、ここでいうところのいきなりのIPOの応募狙いを公言して口座開設をすることは、逆の立場になればわかると思いますが、どう考えても印象が悪く、配分ルールが裁量であれば、せっかく、お店に配分があっても、恩恵を得る可能性は低くなりますので、避けることが賢明であります。
では、私が具体的にどのように地場証券とお付き合いをしているかというところについては、また次回に掲載いたします。
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