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その証券会社は本当にIPOに強いのか[第21回]

その証券会社は本当にIPOに強いのか[第21回]

JACK
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今回は、読者の方から下記のようなお問い合わせがあったことから、ライブスター証券について掲載いたします。

「ダイヤモンド・ザイのIPOの魅力として、ライブスター証券が掲載されているのですが、JACKさんはどう思われますか?」という内容のものでした。早速、私自身も記事を確認してみた結果を、今回まとめて発表してみるところであります。

ライブスター証券が掲げるIPOの魅力

そもそもライブスター証券は、みんなの株式ネット証券ランキング手数料部門(2016年)で4年連続第1位となっております。

IPOの3つの魅力として、

  • 前受け金不要
  • 完全平等抽選
  • 売却手数料も0円

と掲載しております。

1.の前受け金不要につきましては、確かに0円で抽選に参加ができ、購入代金は、購入意思表示期間中に入金をすれば、問題はありません。

非常に良心的ではありますが、逆に言えばそもそも前受け金不要ということから、誰でも簡単に応募することができ、ブックビルディングの参加者が単純に増えるということは言うまでもないことでしょう。

2.の完全平等抽選につきましては、たしかに取引実績などによって当選確率が変わる証券会社の場合と比較して、取引実績や自己資金が少ない初心者には不利であり、100%抽選であれば、誰にでも公平に当選のチャンスがあるのは事実であります。

とは言っても、以前に紹介したマネックス証券でも対応していることから、それほど、ポイントとなることではなく、とにかく、その前提のIPO銘柄において、主幹事や幹事といったところに入ってこなければ話になりません。

実際に、IPOの引受数を日本証券業協会のホームページで確認すると、平成27年度の引受件数は0、平成28年度の引受件数も0というところであり、今回、紹介をするにも厳しい結果となっております。

そのような中、今年において、やっと引き受けがあった、スシローグローバルホールディングス(3563)ですが、公募割れ銘柄(公募価格3,600円→初値3,430円)であり、当選人数は、完全抽選の5人でありました。ちなみに、今回のタイミングで掲載されたジェイ・エス・ビー(3480)においては10人という結果になっております。

上場日銘柄(銘柄コード/上場市場)売買単位仮条件決定日仮条件価格BB期間当社申込期間公募価格決定日・当社抽選日公募価格
2017/7/20ジェイ・エス・ビー(3480/東証2部)100株2017/6/283,100円~3,200円2017/6/30~2017/7/62017/6/30~2017/7/6am9:00締め切り2017/7/73,200円

以上のことから、口座開設者数を鑑みれば、当選確率は1%いや0.1%以下であることは想像がつくところであります。

IPO目的ではメリットがほとんどない

ここまでの広告を掲載しておきながら、IPOの引き受け実績がないと言っても等しいところに不信感を個人的には持つところであり、悪い言い方をすれば、結局のところ、IPOを餌に口座開設数を増やす、あるいは、取引手数料0円キャンペーン終了後の手数料収入目的と言われて否定できないのではないでしょうか。

なお、実際に ライブスター証券のIPOのに関するページを拝見しても、「IPOの当選が待ち切れない方にオススメ!」と言って、他の投資のメリットだけを強調して掲載する姿勢については、個人的にはいかがなものかと感じてしまうところでもあります。

3.の売却手数料も0円と記載しておりますが、IPOは購入するときには手数料はかからないので、売却手数料も0円というサービスのインパクトはあります。

新規口座開設後、約2カ月間(40営業日)という縛りがあることから、どう考えても、口座開設後に、新規公開株の募集がライブスター証券であり、かつ、当選するということは、皆無でありますから、IPO銘柄については、この売却手数料の0円は意味がないメリットと判断しているところであります。

広告にある文言などに惑わされてはならない

このように、ライブスター証券のIPOの申し込みについては、当選という最終目標にはたどりつきにくいのではないかと考えており、実際に冒頭のダイヤモンド・ザイの広告についてもご覧になるとわかると思いますが、IPOの魅力と大きい表題にしているものの、記事の半分はIPO上場後のセカンダリーの薦めについてであります。

また、その宣伝内容が、新規上場日の終値が初値を大きく上回る銘柄も少なくなく、何の根拠もなく「取引手数料0円キャンペーン」の適用期間中なら収益チャンスも大きい、通常手数料も業界最安値だから、積極的に売買益を狙えるというような、そもそもの企業分析、あるいはテクニカルや株価位置などを考慮せず、リスクについては、一言も触れないところはいかがなものかと感じるところであります。

広告の文言の裏を読むことが大切

そして、大きいイラストで、「IPO銘柄って公開後もワクワク!」とか、「2017年前半注目IPO銘柄利益トップ3」と掲載しておりますが、どれ一つ、ライブスター証券が主幹事や幹事、あるいは王道の委託配分を引き受けたことがないIPO銘柄ばかりであります。そこから考えれば、掲載する広告費の費用対効果や、新規口座開設者数目当てということが想定できます。

また、IPOブログ等では、このような状況を触れることなく、ライブスター証券の口座開設を推奨しているところについては、基本、アフィリエイト狙いでありますから、新規に口座開設する場合では、自分自身でもキャンペーンやポイントサイトを確認して開設をした方が報酬は多いところであります。

結論としては、ライブスター証券を手数料の安さやツールの使いやすさでメインやらサブ口座にしている方、あるいは、 優待クロス取引にあわせて新規に口座開設して、手数料無料の恩恵に授かるといった時に、IPOの申し込みがもしもあるようだったら、ついでに対応するというぐらいのレベルではないでしょうか。

私自身も以前に、手数料無料のキャンペーン時には活用しましたが、ここ数ヶ月はライブスター証券のサイトにログインすることすらなく、今回久々に記事を掲載するにあたり確認したところであります。

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