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IPO投資への第一歩:まず何をするのか[第2回]
では、うまみのあるIPOの株を獲得するには「何からはじめればいいのか?」という疑問があります。大原則として、IPO株は未公開株であり、そのIPOをする会社の株を従業員持株会等で保有しているような場合でなければ、募集を実施している証券会社(主幹事証券会社)に申し込むことになります。
まずは情報を手に入れよう
自分の会社が新規に上場するというケースに当てはまる人は皆無でありますし、百歩譲って該当したとしても、昨年だけでも92社のIPOがありましたので、自分の会社以外の他のIPO銘柄については、主幹事に申し込まなければ、手に入れることができません。
ですから、まずは、東証開示情報や日経新聞の財務短信、あるいは、フィスコやトレイダーズ・ウェブでIPOの新規上場の情報を入手します。もちろん、普通に検索して個人ブログなどでチェックする形でも構いません。
ブックビルディングこそがIPO株を手に入れる第一歩
これらの情報を参考に、新規上場銘柄の情報を得たら申し込みのスケジュールとどの証券会社に申し込めるかを確認します。新規上場銘柄に対して、引き受け株数が多いのが言葉の如く、主幹事という形で原則1社(大型公募の場合には2社以上の共同主幹事という形もある)であり、残りを3社から5社ぐらいで平幹事という形で引き受けますので、まずは株数が多い主幹事に口座開設し、IPOの申し込み(ブックビルディング)をするのが基本中の基本になります。そして、当選の確率をあげるために、平幹事にもブックビルディングをします。
ですから、必然的に該当する証券会社すべてに口座を開設することから、ちまたで言われるブック屋稼業との方々は、すぐに10社とか20社の証券会社の口座を持つことになります。
早速、下記の具体的な銘柄と引き受け株数の表をご覧ください。
インターネットインフィニティー
引受証券会社 | ||
---|---|---|
割当 | 引受証券会社名 | 電話番号 |
87.13% | みずほ証券 | 03-5208-3210 |
4.00% | 大和証券 | 03-5555-2111 |
2.97% | SMBC日興証券 | 03-5644-3111 |
2.00% | いちよし証券 | 03-3555-6210 |
0.97% | 岡三証券 | 03-3272-2211 |
0.97% | 丸三証券 | 03-3272-5211 |
0.97% | 岩井コスモ証券 | 06-6229-2890 |
0.97% | SBI証券 | 03-5562-7210 |
TOKYO IPOから引用
これは個人的な予想としては、募集される公募価格と上場後の初値において、それなりに鞘(さや)があり、うまみがあるIPOの幹事証券会社の一覧になります。ですから、王道は主幹事で一番引き受けの多いみずほ証券で応募する形になります。
何せ195,000株×87.13%=169,900株ありますから、期待を持ってしまいますよね。
しかしながら、みずほ証券の支店は271支店ありますから、単純に割り返すと100株ずつの最低配分で計算すると6名ぐらいしか獲得できません。さらには、そのみずほ証券のIPOの配分にはホームページに次のような配分に関する基本方針が掲載されております。
募集等に係る株券等のお客さまへの配分に関する基本方針
当社は、募集(日本証券業協会「株券等の募集等の引受け等に係る顧客への配分に関する規則」(以下「配分規則」といいます。)第1条に規定する「募集」をいいます。以下同じ。)もしくは売出し(同条に規定する「売出し」をいいます。以下同じ。)の取り扱いまたは売出し(以下「募集等」といいます。)に係る株券等のお客さまへの配分につきましては、お客さまの投資ニーズの的確な把握に努め、適切な募集等の取り扱いを行うとともに、公正な配分に努めることを基本方針としております。
(新規公開株の個人等のお客さまへの配分方針)
当社は、新規公開株の個人等のお客さまへの配分を行うに際しては、以下の(1)、(2)による取り扱いを行います。なお、(1)、(2)において重複申し込みはできませんので、あらかじめご了承ください。
(1)日本証券業協会規則に基づく抽選による個人のお客さまへの配分
①みずほ証券ネット倶楽部の抽選参加サービスへ申し込まれたお客さまに対しては、抽選により配分を決定いたします。なお、みずほ証券ネット倶楽部の抽選参加サービスは、個人のお客さま限りのサービスとなっております。
②当社が配分する数量のうち、個人のお客さまへの配分予定数量の10%以上を当該抽選に付すことといたします。
③抽選は、次に掲げるような場合には、その割合を引き下げることまたは抽選による配分を採用しないもしくは中止することがございますので、あらかじめご了承ください。
イ、抽選の申込数量が当社における抽選数量に満たない場合
ロ、抽選を行う数量が過少であると当社が判断する場合
ハ、システム障害等により抽選に係る事務処理を遂行することができない場合
ニ、募集環境等により、抽選による配分に対する購入申し込みが配分数量を下回ることが見込まれると当社が判断する場合
ホ、その他合理的な理由がある場合
④抽選はコンピューターによる機械的な方法により行います。なお、抽選参加サービスにおいては、配分回数の上限は設けておりません。
⑤抽選参加サービスにおける目論見書の交付方法は、電子交付のみといたします。
⑥抽選参加サービスへのお申し込みにあたりましては、購入概算金(申込価格×申込株数)以上のお預かり資産(資金)が必要となります。なお、お預かり資産(資金)とは、お預かり金およびMRFの残高の合計金額を意味します。
⑦目論見書に記載された最低申込株数の金額が少額であると当社が判断した場合、当社は当該銘柄の申込株数単位を引き上げることがあります。
⑧その他、抽選参加サービスへのお申込方法等の詳細な内容は、別途定める新規/既公開株式等の抽選参加サービス取扱規定ならびにみずほ証券ネット倶楽部の画面上でご案内いたします。https://www.mizuho-sc.com/product/stock/ipo/distribution_basis.htmlつまり、完全の抽選配分は10%以上と記載されておりますが、実際はその数値が20%とか30%になることは考えにくく、前述にある169,900株の10%、約17,000株が完全抽選、152,900株が各支店の裁量の配分となります。
それでもIPO株は雲をつかむような話か
この裁量配分というのは、みずほ証券のHPにはルールが記載されていないのですが、一般的に、みずほ証券の預かり金額や取引履歴、口座加入期間等などで判断されることから、このIPO銘柄がみずほ証券であるなら、新たに口座開設して、公募価格の金額だけを入金して応募したとしても、なかなかこの裁量配分の枠に入ることは、そもそもの当選株数からまず不可能と思って間違いありません。
となるとこの完全抽選枠を目指すことになるのですが、一人で200株とか300株の当選はまずありませんので、17,000株で割り返すと当選人数は170人となります。この数字を聞いて「おっ!170人なら当選できるのでは?」と思いになった人もいるかと思います。
しかしながら現実の数値として、みずほ証券の口座は167万口座(2016年6月)あり、仮に低く見積もり、その口座数の方の10人に1人の16万口座の応募があったとしたら当選確率は0.10%、100人中1人の1.6万口座の応募とさらに低く見積もって、やっと1.06%の当選確率となります。この実態を見せられると皆さまはどのように感じますでしょうか。
この場合においての選択肢は大きく二つ。
- 「やっぱり当選するのは難しいから今回の応募は諦める」
- 「それともダメ元で申し込みだけはしておこう」
次回までに皆さま、回答を考えておいてください。JACK流の回答を次回に掲載いたします。
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