IPOに申し込むための11の条件[第22回]
今回は、現在、ブックビルディング中の楽天証券について掲載いたします。インターネット証券の中でも楽天グループと提携したさまざまなサービスを提供している楽天証券ですが、IPO申し込みではどのような立ち位置なのでしょうか。
この記事のもくじ
申し込まない場合がある・・・その理由とは
そもそも、楽天証券でのIPO申し込みまでの画面遷移を見ると、トップページ➡目的を探す➡取引・注文する➡新規公開株式と、IPOの申込画面にたどりつくまでがわかりにくいところがあります。あとは、銘柄をクリックしてというところでありますが、私は未参加となっております。
「えっ!それなりの初値が上がるのに、諦めないで申し込みを継続するといつも言い続けているではないか?」
との指摘もあろうかと思いますが、さすがに当選確率が天文学的数値であることから、いくら数分と言っても、さすがに時間の無駄と思って、未参加を選択したところであります。実際に楽天証券においては、申し込みをした後に倍率を知ることができますので、その結果を掲載しておきます。
楽天証券でのIPO申し込みの実績
銘柄 | コード | 倍率 | 当選確率 |
---|---|---|---|
はてな | 3930 | 844倍 | 0.12% |
ティーケーピー | 3479 | 384倍 | 0.26% |
SYSホールディングス | 3988 | 955倍 | 0.10% |
このような天文的数値になるのは、楽天証券への配分はほとんどが通常の主幹事や幹事での配分ではなく、引受人がおおむね2,000株を上限として、全国の販売を希望する引受人以外の金融商品取引業者に販売を委託する方針であり、その割り当てに楽天証券が選ばれた結果であり、最大500株の配分になります。
そのあたりは、後に日本証券業協会のホームページ(HP)からも把握することはできますが、参考までにティーケーピーの委託配分の結果を掲載しておきます。
ティーケーピーのIPO申し込みの状況
割り当て対象株式数 | 2,000株 |
申込総株式数 | 40,800株 |
割り当て総株式数 | 2,000株 |
申込社数 | 84社 |
割当社数 | 5社 |
割当証券社名
証券社名 | 割当株数 |
東洋証券 | 500株 |
楽天証券 | 500株 |
光世証券 | 500株 |
ひろぎんウツミ屋証券 | 400株 |
日産証券 | 100株 |
このような結果を鑑みれば、さすがの私も申し込まないのがわかると思います。また、この場合のわずか5人に対しての「裁量」ではなく「完全抽選」ということであれば、勝ち目はまずないと考えているところであります。
ですから、最初から幹事証券になっている場合には当然ながら、申し込みをするのですが、委託配分の場合はわずか5人、時には4人とか1人しか当選しないことから、私自身はスルーをしているところであります。
余談ではありますが、このような委託配分での抽選は、本来のブックビルディングの開始日におおむね把握することができることから、当初における、IPO募集のリリースには、当然ながら、掲載されてなく、委託配分の結果、当選してからのリリースとなることから、募集は突然というか、かなり遅れるところであります。
なお、このような委託配分から急きょ、当選からの募集というところでは、松井証券でも同じ傾向でありますので、私自身は委託配分の場合は原則申し込みをしていないところであります。
IPO申し込みを分ける11か条
以上のことから、私自身はネット証券においては、SBI証券とマネックス証券を軸におき、家族名義・親族名義の口座も可能な限り活用して、とにかく、下記の11カ条の要件をほとんど満たさない銘柄(公募割れ銘柄:初値が募集価格を下回る)以外は申し込むところであります。
11か条のポイントはメリットが期待できるか
- 人気のある業種である
- 将来性がある
- マザーズ上場銘柄である
- VCや大株主売り抜け防止のロックアップ期間もしくは条件がある
- そもそもの公開株数が少ない
- 公募株数より売り出し株数は少なめである
- 業績や利益が順調に伸びている
- 赤字企業ではない
- 株価収益率(PER)は妥当である
- 上場目的が、換金性を含め露骨ではないか
- 主幹事証券会社が信頼できるか
その上で、もしも主幹事になっていれば、今回紹介した、楽天証券や松井証券というところは申し込むところであり、一昨年の郵政グループでの上場時は当然の事ながら、家族総出で申し込みをしたところであります。
また、覚えておきたいところとして、三菱UFJモルガンスタンレー証券が主幹事を務めるIPO銘柄においては、同じグループ系列のカブドットコム証券、GMOグループがIPOとして上場する場合の同じグループのGMOクリック証券においては、今回、紹介した委託配分数より、当選株数や当選確率が上がることから、申し込みは必須であります。
ネット証券でのIPO申し込みは手間がかかる
なお、一般的にネット証券の場合は、申し込み→確認→再度の申し込み といったようにタイトなスケジュールの中で数回、HPにログインしてクリック等しなければいけないので、しっかりと手帳やカレンダーにおいてスケジュール管理をする必要があります。
このあたりは、店頭証券であれば、担当から、申し込みさえすれば、結果確認を含め、全て、向こうから連絡をくれるので、当選確認や申し込みを忘れることはありませんが、ネット証券の場合は全て自己完結でありますので、注意が必要であります。
手続き忘れは即座にアウト
もう10年以上、IPOの申し込みをしておりますから、当然の事ながら、幾度となく、当選をしているのに、締め切りに間に合わずに泣く泣く逃したという経験はしております。自分を戒めるためにも記載したところであります。
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