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担当のノルマに協力してくれる顧客と対処法[第6回]

担当のノルマに協力してくれる顧客と対処法[第6回]

JACK
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IPO相場も4月の残り4社の上場でしばし発表待ちとなるところでありますが、とにかく募集価格(公募価格)と上場初値の価格差は絶好調というところでしょうか。各銘柄の公募価格と初値を比較した上昇率を計算すると、なんと全銘柄平均で100%超、つまりは2倍以上の株価をつけています。

このような活況は、IPO市場が絶好調だった2013年以来で、当時は勝率が96.3%で、平均上昇率も120%を超えており、今年は約85銘柄のIPOを予想していますが、これは2013年の再来になる可能性が高いとも記載されております。

読者の方々も早く、このIPOバブルの恩恵に乗りたいところだとは思いますので、毎週毎週、獲得手法のポイントを掲載していきます。

担当は常に大きなノルマを課せられている

今回も引き続き、コアな内容として、引き続き担当の裁量配分での優位性を上げるポイントとして、「担当のノルマに協力してくれる顧客」について掲載します。この文面だけを見ると、前回のポイントの「高額な金融商品を購入してくれる顧客」と類似するケースもあり、実際に投資信託や外債のノルマはかなり担当にとっては厳しいものであります。

フィデューシャリーデューティーが強調されている現在、こちらのブログのような事例は、さすがに今はないと思いますが、それなりにノルマを課している実情はあります。

IPO投資にはメリットが薄い投資信託

私自身も実際に営業マンから投資信託のノルマに協力をして、結果的に裁量配分の順位が上がった確信をIPOの配分時に把握することもありましたが、この投資信託がくせものであり、時には公募価格と初値の差額以上の損失を被ること、また、前回の記載のとおり、資金が中長期間にわたって拘束されることから、よほどの好条件、俗に言うS級銘柄(公募と初値の差額で50万以上が見込まれる)ではなければ得策ではありません。

人気のないIPO・POを勧めてくる理由

では、実際に他に担当のノルマというと何があるのでしょうか。端的に言えば、それは人気のないIPO、もしくは公募増資(PO)銘柄になります。厳密に言えば、ノルマと言われるほどのレベルではありませんが、支店や担当が早くさばきたいものになります。

例えば、今回のIPOで言えば、スシローグローバルホールディングス(3563)や不動産投資信託(REIT)銘柄の日本再生可能エネルギーインフラ投資法人(9283)というような銘柄になります。スシローグローバルホールディングスについては、3,600円の公募価格に対し3,430円ですから、100株の引き受けで17,000円の損失となり、日本再生可能エネルギーインフラ投資法人にいたっては、93,000円の公募価格に対し、89,200円ですから、3,800円の損失となります。もちろん、記載したのは最低株数での損失でありますが、一般的には複数株数の引き受けをお願いされることから、それなりの損失を被るところであります。

うまみのないIPOは不人気化しやすい

「結果論ではないか?」という指摘もあろうかと思いますが、当たり前の話として、証券会社の担当からさばきたい、つまり、電話等で勧めてくるIPOは人気がない銘柄であり、公募価格と初値の差額にうまみがないからであります。実際に人気のあるIPOであれば、顧客の方から、続々とブックビルディングの申し込みがあることから、まず、担当の方から、「このIPO銘柄の申し込みはいかがでしょうか?」というような、連絡をもらった方は基本的には皆無だと思っております。

もちろん、既に裁量配分の順位が上位である方、それなりにその支店やら担当に貢献をしている方であれば、その支店の担当から、ブックビルディングの開始の連絡があるかもしれませんが、そのあたりの待遇を受けるとなると、日頃から、その支店の口座の預け金額に数千万円以上が必要でありますから、なかなか初心者にとってはハードルが高すぎるところであります。

不人気銘柄でも付き合いで応募することがある

このような事例として、私自身の印象的な出来事として、2014年のジャパンディスプレイの上場があります。ジャパンディスプレイ(6740)につきましては、国策であるとか、再上場だから、公募割れはあり得ないという予想も多かったのですが、私のところにはブックの最終日になって支店の担当から申し込みの連絡が数回ありました。

私自身はこの銘柄には妙味を感じておりませんでしたから、当初からソーシャルネットワークサービス(SNS)では見送りのスタンスを表明しておりました。ですから、この電話をもらった時にはある意味、初値が上がらないというような確信を持ったのですが、当時は、この支店や担当からIPOをもらっていない、また、既にリリース済みS級銘柄のIPOの主幹事が今後あることから、損失を承知で返報性の法則を重視して、申し込みをしたところであります。

結果的にジャパンディスプレイを2,000株の当選があり、公募価格900円の初値769円でありますから131,000円の損失となったところであります。その後のIPOで、枚数が多く規模が大きいこともありましたが、CYBERDYNE(7779)を200株獲得し、公募価格3,700円で初値8,510円をつけましたから、962,000円の利益となり、相殺するとトータル+831,000円の収支となりました。

以上のことから、仮に損失する可能性が高いIPO銘柄でもあっても、担当のノルマという名のさばきに貢献できれば、その先には多少なりとも裁量枠には考慮されるという典型的なパターンだと言えると思います。

もしもの時はつなぎ売りを活用しよう

もちろん、いつもこのようなパターンがあるとは言えません。実際に競争率が高いIPOであり、そもそも株数が少ないIPOであれば、たやすく獲得できることはありませんし、地合いによっては、せっかく獲得しても初値が奮わない、また、時にはせっかく獲得しているにも関わらず、上場が急ぎ、中止やら延期になることもありました。

とは言っても、よほどの大量に引き受けない限り、数十年前みたいに100万とか200万の損失をすることは考えにくく、拘束期間も1週間ぐらいであることから、投資信託や債券の下落リスクと比較すれば、このような商品で対応するのがベストということになります。

なお、早々にさばけないやら人気のないIPOが続々とリリースされるわけではありませんので、時には非貸借の公募増資の銘柄あるいは、手数料収入というところを鑑み、純粋に個別銘柄を薦められることがあります。手法は省略しますが、貸借銘柄であれば、つなぎ売りという手法が活用でき、優位に売買ができる可能が高くなります。

つなぎ売りで損失を最小限に

この個別銘柄が薦められた場合につきましては、公募増資同様、貸借銘柄であれば、気軽にネット証券でつなぎ売りができます。理論的には前場や後場の始値で同時に発注、約定すれば、手数料のコストしかマイナスは発生しませんので、これほど、簡単に気軽に対応できるものはないと思います。

「えっ!せっかく、推奨された銘柄だから、つなぎ売りなどせず、保有していれば利確できるのでは?」

という突っ込みもあるかもしれませんが、もしもその銘柄が上がる、そして、次の銘柄も上がるといった形であれば、それは偶然でありますし、かなりの勝率を残す担当であれば、普通にその社でディーラーとして稼いでいるはずです。

ですから、この場合において、返報性の法則の流れにすべき展開は、推奨銘柄が下がり、損失を計上したとき(実際にはネット証券でつなぎ売りをしているので手数料のみの損失)にぼそっと「まあ、また次回リベンジお願いします」とか「そういえば、IPOの募集もありましたっけ?」と少し、意識付けをするだけでも効果大と考えております。

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