
円安・円高は株価にどう影響する?
株価を左右する要因は無数にありますが、中でも外国為替の値動きは大きく影響する要素の一つです。円安・円高のどちらに傾くかが、どう株価に影響するかを知ることは、投資のリスク。
今回は、円安と円高の基本を確認した上で、それらが株価に及ぼす影響を見てみましょう。
この記事のもくじ
円安・円高は何を意味する?
円高・円安は日本円がある通貨に対しての価値が高いか・低いかを表す言葉です。
例えば、1米ドル=100円だったものが110円になると、1ドルに両替するのに必要な日本円が100円から110円に増えるので円の価値が低下して「円安に傾いた」と判断します。反対に、1ドル=100円が90円になることを「円高に傾いた」といいます。
円安や円高の原因には何がある?
円安・円高には、さまざまな要素が複雑に関わってきます。例えば日本の雇用の状況や物価の動きを表す「消費者物価指数」や要職者の発言、外国経済の動向にも影響されます。端的に言えば、「日本円」が外国人から見て価値があるかで為替レートは変動するのです。
また、金融政策も為替レートに大きな影響を与えます。金融緩和が進めば、市中で取引される通貨の総量は増加するので価値は下がり、通貨安が進むことが期待されます。
円安は日本企業の業績にどう影響する?
例えば、円安・ドル高が進行して、1ドル=100円から110円の円安・ドル高が進行したと考えてみましょう。従来1ドル=100円で海外で販売していた製品が110円で売れるようになるということは、海外に物を売る企業(輸出企業)にとっては同じ売上数でも売上高は上昇し業績が良くなることになります。
売っている商品そのものは変わらないのに、円安に転じたことによってこれまでよりも大きな利益が期待できるのです。
円安で株価が受ける影響は?
自動車産業・電機等の製造業を中心に日本企業は輸出依存が強いと言われているので、円安になればモノやサービスを高値で売れて業績改善の期待感が高まることから、株価も上昇することになります。
日本株の動向を表す東証一部上場企業225社の株価から算出される日経平均株価や東証一部上場企業の時価総額から算出される東証株価指数(TOPIX)の組み入れ銘柄はこの輸出型産業の割合が多く、円安は株価上昇の追い風となります。
円高は日本企業にどう影響する?
反対に円高・ドル安が進んで、1ドル=100円から1ドル=90円になるとどうなるのでしょうか。
この場合は製品やサービスを輸出する輸出企業の利益は減少するものの、反対に海外から製品やサービスを輸入する企業(輸入企業)にとっては、収益の改善が期待できます。
円高になると株価はどのように変動する?
日本の大企業の多くが輸出企業である点から見れば、円高傾向になれば日経平均株価は下がるという流れに傾きがちです。その反面、輸入企業にとっては追い風となり株価の向上が見込まれます。
また、日本国内を市場とする企業(内需型企業)も円高の影響を受けにくいと考えられます。為替レートが円高傾向なら、内需型企業に投資家の注目が集まることになります。
まとめ
円安は輸出企業、円高は輸入企業にとってそれぞれプラスと考えられます。そのため、円安局面では輸出企業が多い日本株は株高になりやすく、円高局面では株安になりやすいという傾向があります。
もちろんこの関係はあくまで原則的なものなので、最終的に投資する銘柄を決めるには、より詳細な個別銘柄の分析が欠かせないのはいうまでもありません。
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