
今年の3月相場はどうなる?一年で最も動く年度末相場
企業決算の締めの月であり、東証上場企業の業績が確定することから比較的値動きが出やすいことで知られているのが「年度末相場」です。
企業側からすると、決算見合いでさまざまな動きを取らざるを得ないタイミングであり、機関投資家も同様です。それぞれの思惑が相まって、売り買いが拮抗するのが、年度末相場なのです。
今回は、年度末相場の特徴と、その値動きについて考えてみたいと思います。
この記事のもくじ
年度末相場は季節要因に左右される
3月は企業にとって最も重要な時期と言っても過言ではありません。上述したように、東証一部上場企業の多くが、3月を決算月に設定しているからです。
株主が多数存在する大手企業では、少しでも決算書をよく見せたいという思惑が働きます。基本的にキャッシュポジションは多いほど決算書の見栄えも良くなるので、マーケットには売り圧力がかかる訳です。一方で、運用対象の銘柄の時価評価額を上げようとする思惑から、機関投資家が大きく買いを入れてくるケースがあります。これをドレッシング買いと呼びます。
企業と機関投資家の双方の思惑により、年度末相場は季節要因に左右されやすいのが特徴です。
為替相場も荒れやすい
上述したように、企業はリスク資産を売却してキャッシュポジションを作りに行きます。売却資産の中には外貨建て資産も含まれるので、外貨建て資産を円建て資産にすることで決算書の見栄えを良くするのです。また、2月は米国債の償還時期が重なります。
企業のキャッシュポジションメイクと、米国債の償還という2つの要因が重なることから、市場にドル資金が溢れて、円高になりやすくなります。行き過ぎた円高は売り要因となるので、3月は為替相場にも注目する必要があるのです。
東証一部企業は為替相場の影響を受けやすい
日本の主力企業の多くはグローバルにビジネスを展開しているので、為替の影響をダイレクトに受けやすい体質となっています。
年度末相場にエントリーするなら、中小型株で勝負
あえて年度末相場にエントリーするのであれば、比較的為替の影響を受けにくい中小型銘柄にフォーカスした取引をおすすめします。
売り一巡のタイミングを見極める
年度末相場においては売り一巡のタイミングを見極めることも重要です。悪材料が出尽くせば、押し目買いが入りやすくなります。マーケット全体を確認した上で個別情報を丹念にリサーチすることで、年度末相場での勝率を高めることができます。
出来高や売買動向は重要なシグナル
週次で発表される投資部門別売買動向や日々の出来高は、押し目買いのタイミングを見極めるための重要なシグナルとなります。また、決算発表の前に好業績が予想される銘柄を集中的に仕込むことで、利益獲得のチャンスも広がります。
まとめ
市場参加者の思惑がすべてミックスされ、投資家心理を読み解くことが非常に難しいことから、年度末相場で利益を上げることは難しいと言われています。
それでも年度末相場に挑むのであれば、基礎的な条件と丹念な分析は欠かせません。
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