
忙しいときの株式投資に活躍する「PTS取引」
株式取引にはいくつかの障壁がありますが、その一つに取引時間があります。東京証券取引所(東証)の取引時間は、午前9時からお昼休みを挟んで15時までであり、この時間的な制約の解決するのが、私設取引システム(PTS)です。
今回は、PTSの仕組みや取引方法、メリット・デメリットを見てみましょう。
この記事のもくじ
取引所を介さずに取引する私設取引システム(PTS)
私設取引システム(PTS)とは、金融商品取引所を介さずに有価証券を売買できる電子取引システムです。1998年の証券取引法の改正で「取引所集中義務」が撤廃されたことで上場銘柄の取引所外取引が認められ、証券会社の認可業務としての運営が可能となりました。
PTSの最大の魅力は、証券取引所の取引時間外でもリアルタイムで取引できることです。取引の自由度を大きく改善するPTSは、非常に魅力的な仕組みと言えます。
取引所取引よりも有利な取引が期待できる
投資にある程度時間を割けるなら、PTSと取引所の株価を比べながら、より有利な取引もできます。PTSと取引所では板が異なるため、証券取引所での取引よりも、PTSの方が有利に約定することもあるのです。
取引所とPTSの板の違いを利用して、PTSで買いつけ・市場で売却するといった取引も可能です。ロットによっては日計り取引ができるのもPTSのメリットと言えるでしょう。
デイタイムセッションを利用してリスク軽減
日本の株価は米国市場の影響を強く受けることはよく知られています。前日のニューヨーク市場の動向を知った上で投資判断ができることは、PTSの大きなメリットと言えるでしょう。
米国市場は各種統計の結果発表や連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に敏感に反応するので、夜間取引ができるPTSは、リスク軽減にも役立つことが期待できるのです。
ナイトタイムセッションで欧米市場の動きに対応
ナイトタイムセッションを利用すれば、より機動的な投資判断ができるだけではなく、リアルタイムの値動きを追いかけて取引できます。
時間がない中でリアルタイムの取引をするのであれば、ナイトタイムセッションを利用することになるでしょう。
決算発表後の取引にPTSを活用する
株価を決定する最大のファクターは企業業績であり、オフィシャルに確認できる場は決算発表です。決算発表後に株価が大きく動く傾向があるので、日本における決算発表は引け後に行われることが多いと言えます。PTSなら、決算発表の内容を確認してすぐに売買できます。
ザラ場中に市場で買い向かうと高値づかみや底値売りのリスクが高まりますが、PTSを活用すれば、不利な取引を避けることができます。
PTSでの取引ができるのはネット証券だけ
このように魅力的なPTSですが、国内証券会社ではネット証券の接続に限られます。しかしその数は拡大傾向にあります。
取引の利便性などを考えると、国内最大級のPTSを提供しているジャパンネクストPTSに接続するSBI証券や楽天証券、松井証券が有力な選択肢となります。
まとめ
PTSは利益を狙う取引だけではなく、リスクヘッジとして機能させることもできます。値動きの荒い銘柄を保有するときには、場中以外の値動きの確認も欠かせません。
取引所取引とPTS取引を上手に使い分けることで、自身の投資方針にあった取引を実現して、リスクを抑えて投資効率を上げられるよう心がけましょう。
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