
トランプ相場とは何だったのか?今さら聞けないその背景
2016年大統領選挙の下馬評を覆して第45代アメリカ大統領に当選した実業家のドナルド・トランプ氏は、当初はその政権運営が不安視されたことで相場も急落しました。
しかし、マーケットフレンドリーな政策を前面に打ち出したことで市場は「トランプラリー」と呼ばれるポジティブな反応を示しました。今回は、トランプラリーの背景と、その理由を見てみましょう。
この記事のもくじ
就任前は先行き不透明感からリスクオフが進む
不透明な選挙戦の過程により、選挙結果が確定するまではリスクオフムードが濃厚であり、大統領選挙の投開票前後は急速に株安が進み、円高ドル安を招きました。これが、トランプ大統領就任以前のマーケットの動きです。
ヒラリー氏勝利でも今後の改革に期待を持てない一方、トランプ氏勝利だとその政権運営が想像できなかったことから、投資家は一旦ポジション調整をした訳です。日本でも円高が進み、米国株式が売り浴びせられました。
過激な選挙公約が混乱を招いた選挙
選挙期間中のトランプ氏の演説は非常に過激なものであり、マーケットはその選挙公約に先行き不透明感を感じる展開になりました。
イスラム教徒の入国禁止やメキシコからの不法移民排斥を訴え、アメリカの輸出入に直接影響する北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉や環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に署名しないと宣言した選挙公約は、株価が不安定な値動きをする要因となったのです。
選挙後は政策期待を背景に株価急騰
選挙公約が嫌気された選挙期間でしたが、経済政策の柱に積極的な財政出動と大幅な法人減税を据えたことから、選挙後のマーケットは、マーケットフレンドリーな経済政策を好感してポジティブな反応を示しています。
実際、経済政策の恩恵をダイレクトに受けると考えられた米国の製造業関連銘柄は、軒並み上昇する展開となりました。
マーケットは金融機関の株価修正も好感
マーケットの先行きを考える上で、金融関連銘柄は非常に重要です。大規模な法人減税は企業に設備投資意欲をもたらし、景気回復により金融政策が正常化すれば、金融関連銘柄にとってポジティブな材料である金利上昇が期待できます。
選挙ののち、米国の金融関連銘柄は非常に強い展開になりました。このことも堅調なマーケットをもたらした大きな理由の一つと言えるでしょう。
リスク先行による円売りと長期金利上昇によるドル買い
選挙後のマーケットはリスクオン一色で円売りドル買いが進み、円安を受けて日本の株価指数も上昇したことは、記憶にも新しいことと思います。まさに典型的なリスクオンの展開となったのです。
為替動向から見ても、リスク先行による円売りと長期金利上昇によるドル買いがマーケットを下支えする構図になったと言う訳です。
マーケットフレンドリーな政策で日本にも好影響
マーケットフレンドリーな政策を背景に堅調な米国市場に連れ高する形で、日本株も上昇傾向が続いています。米国の長期金利の上昇期待が中長期的な円安材料となり、国内企業の企業業績も比較的良好だったことも日本株の上昇に貢献しました。
トランプ政権の誕生は、事前予想とは異なり、日米両方の株価上昇にポジティブに働いたのです。
まとめ
サプライズとなったトランプ政権の発足と政策期待がもたらした株価上昇がトランプラリーであり、財政出動と法人減税の二本柱からなる経済政策をマーケットが好感したということです。これに加えて、米国のファンダメンタルズが良好だったことも上昇トレンドの下支えになったと言えるでしょう。
事前の下馬評を覆すトランプ大統領の誕生が株式市場に与えたインパクトは非常に大きいものがあったのです。
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