
信用取引のリスク要因「追証(おいしょう)」とは?
余裕資金や有価証券を担保にレバレッジをかけた取引をする信用取引は、取引内容とマーケットの動向によっては、追加担保を求められることがあります。定められた期日までに追加の担保(追証)を納められなければ、取引が強制的に打ち切られてしまいます。
今回は、信用取引の継続に大きく影響する「追証」について見てみましょう。
この記事のもくじ
追証が発生するのは信用取引だけ
信用取引は、株式取引のうち、株式や株式購入の資金を証券会社より借り入れて売買する投資手法であり、レバレッジをかけることで、少額でも資金効率の良い取引ができるのが特徴です。信用取引の担保として預け入れる現金や有価証券は「証拠金」と呼び、一般に証拠金の三倍までの金額の取引ができます。
信用取引は少ない資金でも大きな利益を狙える反面、大きな損失を被るリスクがあります。証拠金の範囲内なら回復するまでポジションを持ち続けることができますが、証拠金を上回る損失が発生すると、追加の証拠金入金(追証)が求められます。また、追証以外にも逆日歩など、信用取引にだけ発生するコストにも注意が必要です。
追証以外に発生するコスト「逆日歩」
信用取引では、売りから入るときに証券会社から株式を借りて売り注文を出して、値下がりした時点で買い戻す「売り建て取引」もできます。このときに発生するのが、株式を借りる費用である「逆日歩」です。
値下がりが予想される銘柄には貸株依頼が集中するため、証券会社の保有する分だけでは対応しきれないことがあります。このときは日本証券金融(日証金)から株式を借り入れて対応しますが、証券会社から日証金に借りる費用を支払う必要があります。この負担を投資家に転嫁した費用が逆日歩です。
建玉決済で追証を支払うこともできる
委託保証金は信用取引の取引額の30%が目安であり、この水準を下回ると追証が発生します。追証の解消方法は、追加入金で保証金の不足を埋めるか、建玉を一部決済してポジションを小さくする方法があります。
ポジションを保有したまま追証を解消できる追加入金が主流ですが、資金が用意できないときの対策として、建玉を一部決済する手段があることは覚えておきたいポイントです。
追証の解消には追加入金が有利
追証は建玉を一部決済することでも解消できますが、どうしても不利なタイミングでの損益確定となるため、魅力的な選択肢とは言えません。追証の解消には、追加入金で対応するのが取引的に有利と言えます。
余裕をもった取引を心がける
上限に近い水準での取引ほど、わずかな値動きで追証を求められるリスクは高まります。取引の余裕を確保するためにも、証拠金に余裕を持った取引をすることを心がけることは重要です。
追証のリスクを避けるには、大きな値動きに耐えられるポジションでの取引にとどめるか、証拠金を大量に入金するなど、余裕を持った取引になるようにすることが重要です。
逆指値で損失リスクを回避する
信用取引で追証を避ける手段として、逆指値の活用も検討しましょう。事前にロスカット水準を指定できる逆指値注文を利用することで、未然に追証のリスクを最小化することができます。
損益を確定する取引となるので抵抗があるかもしれませんが、値動きの大きい信用取引では、早め早めのロスカットが鉄則です。株価を注視する時間がない方は、逆指値注文を積極的に利用して少額でも利益確定をすることをおすすめします。
まとめ
自己資金以上の取引ができる信用取引は、常に追証のリスクと向き合う必要があります。しかし、ちょっとしたテクニックを使いこなせれば追証の発生は未然に防止することができます。
ハイリスク・ハイリターンな取引になりがちな信用取引では、リスク軽減の自助努力を怠らないように心がけましょう。
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