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テニス生まれの経済用語?「ウィンブルドン現象」とは

テニス生まれの経済用語?「ウィンブルドン現象」とは

徳田陽太
徳田陽太
記事の難易度:★★☆☆☆

最近上昇を続ける、日本の主要インデックス。日経平均株価は、2017年秋にはこれまでの連騰記録を更新し、10月には16営業日続伸の大相場となり、株価もバブル崩壊以来の高値をつけています。一方で、国内投資家はこの流れを素直によろこべないことも事実です。投資部門別売買動向を見るとこの動きを牽引しているのは外国人投資家であることは明らか。このような動きは「ウィンブルドン現象」と呼ばれています。

今回は、日本の株式市場を取り巻く現状と、それを端的に表す言葉であるウィンブルドン現象について詳しく見てみましょう。

ウィンブルドン現象とは、海外勢が優勢の状況を表す

ウィンブルドン現象とは、テニスにおける四大大会(グランドスラム)の一つであるウィンブルドン選手権の状況をからかった言葉です。

ウィンブルドンはイギリスで開催される歴史ある大会ですが、海外勢に門戸を開いてからの優勝者は毎年のように海外勢が続いています。このように地元勢が海外勢に勝てない状況をやゆして「ウィンブルドン現象」といいます。

市場経済においても、海外企業の隆盛を表す

ウィンブルドン現象は、市場経済においても同様の使い方ができます。例えば、海外の投資銀行に日本が門戸を開いたことにより、日本企業の企業の買収・合併(M&A)業務のシェアが奪われるようなことがあれば、ウィンブルドン現象と呼ぶことができます。

ウィンブルドン現象とは、端的に表すと、海外企業の隆盛と国内企業の淘汰を意味するのです。

株価上昇の恩恵は海外勢が享受、深刻なウィンブルドン現象

再度、国内株式市場に目を向けてみましょう。このところの株価上昇の恩恵を最も色濃く受けているのは海外勢です。これは、バブル前後と現在の国内の株式市場が様変わりしていることを意味します。

バブル気の国内株式市場の海外勢の取引高は10%程度だったのに対して、現状の海外勢の取引高は70%前後を占めています。つまり、現状の国内の株式市場の最大の資金の出し手は海外勢だという訳です。

投資部門別売買動向を見ても、上昇局面で買い越す海外勢と裏腹に、個人投資家は下落局面で買い越し、上昇局面で売り越す傾向が明らかです。日本のマーケットにおいても、ウィンブルドン現象が深刻化しているのです。

ウィンブルドン現象はいまにはじまったことではない

ウィンブルドン現象がはじまったのは最近のことではありません。バブル前からの過去30年間を振りかえると、2016年までに海外勢は累計74兆円を買い越しているに対して、国内勢は63兆円を売り越しています。

リーマンショック以後、一時株価が8,000円台を割り込んだことを考えても、アベノミクス以降の株価上昇が海外勢による上昇であることは明らか。国内勢で買いに回っているのは年金基金と日銀がメインです。

個人投資家の買いが広まっていない以上、日本の株式市場もウィンブルドン現象が進行していると言わざるを得ないでしょう。

世界金融におけるウィンブルドン現象はイギリスが著しい

世界金融におけるウィンブルドン現象は、イギリスの例が最もわかりやすいと思います。1980年代にサッチャー政権は金融市場の大規模な規制緩和を行いました。これが、金融ビッグバンです。

海外市場に門戸を開いた結果、多くの外資系企業がイギリスに進出。隣国の金融機関や、アメリカの大手金融機関がこぞってイギリスの金融機関の買収に動いたことで、イギリスの金融街であるロンドンシティーは世界でも有数の金融街となっています。

ウィンブルドン現象は悪いことかと言えばその限りではない

自国産業の衰退を象徴するウィンブルドン現象は、悪い印象を持たれがちですが、グローバルな目線で見ると、必ずしも悪とは言い切れません。なぜなら、中長期的に国際競争力をもたらすことになるからです。

市場経済は競争の原理の下に成り立つため、経済の一体化が進んでいる現在、国際競争力のない企業は、淘汰されてしかるべきと考えられています。中長期的な視野に立つと、ウィンブルドン現象は必ずしも悪とは言えないのです。

まとめ

経済のグローバル化により、日本の株式市場やイギリスの金融市場のように、ウィンブルドン現象が進んでいるセクターは世界各国で散見されます。

しかし、競争力のない企業が淘汰されるなどの効果が期待できるため、ウィンブルドン現象は必ずしも悪とは言い切れません。

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