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新株を予約して購入できる権利「ワラント」の仕組みとは?

新株を予約して購入できる権利「ワラント」の仕組みとは?

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横山研太郎
横山研太郎
記事の難易度:★★★★☆

投資初心者にとって取引のハードルが高い金融商品の一つに「新株予約権証券(ワラント)」があります。一定期間内に一定価格で株式を購入できる権利であるワラントは、実は株価に大きく影響することも珍しくありません。

今回は、個人投資家の投資にも影響することがあるワラントの仕組みと、メリット・デメリットがどのようなものかを見てみましょう。

新株を購入できる権利「ワラント」

新株予約証券(ワラント)とは、会社から一定の条件で新株または自己株式の交付を受けられる新株予約権の付いた証券です。従来の新株引受権の制限緩和を受けて、2001年の商法改正(2002年4月1日施行)で導入された新制度です。

行使期間内であればあらかじめ定められた行使価格で株式を購入できる権利なので、権利が行使されれば、その分の新株が発行されます。

ワラントと社債をセットにした「ワラント債」

ワラントと社債がセットになった新株予約権付社債(ワラント債)は、さらに行使価格を支払うことで新株を購入する権利がついているものです。

ワラント債なら新株予約権を行使しても、社債は手元に残るのがワラント単体との違いです。

株価が値上がりしていれば確実な利益が得られる

ワラントまたはワラント債の新株予約権は、行使価格よりも株価が高いときに行使すれば確実な利益を得られます。行使価格が500円のワラントを保有していれば、その銘柄の株価が700円のときでも、500円を支払えば新株を手に入れることができます。

100円でワラントを購入したなら、100円(ワラント代)+500円(行使価格)=600円で、時価700円の株式を入手できます。権利を行使して入手した新株を市場で売却すれば、100円の利益を得ることができます。

株価が上昇しなくても損失を限定できる

行使価格よりも株価が低迷しているときに権利を行使すると損失が発生しますが、新株予約権はあくまで「権利」なので、権利を行使するタイミングを選べます。つまり、値下がり局面では無理に取引をしないことで、損失を限定することができるのです。

ワラントが株価の重しになることもある

ワラントを発行している銘柄に投資するときには、将来的に新株発行による希薄化を念頭に置いて投資しなければなりません。

株価の低迷局面ではワラント行使の影響はほとんどありませんが、株価が上昇しそうな場面では、新株予約権が行使されて希薄化がする懸念から、上値が重くなることもあります。

有価証券報告書で潜在株数を確認する

ワラントがあることは、将来の株価形成に大きな影響を与えるということができます。既存株主やこれから投資を考えている人にとっては、どの程度のワラントが発行されているのかは重要なポイントです。

そこで、金融商品取引法(金商法)ではワラントなどの新株予約権がすべて行使されたと仮定した情報開示を義務付けています。

まとめ

企業の資金調達手段の一つであるワラント・ワラント債は、資金量の乏しい個人投資家には縁遠い金融商品ですが、その発行状況は株価を左右することがあります。

投資家は、企業の資金調達手段が普通株の発行だけではないということを知り、正しい投資判断を下す必要があります。ワラントの仕組みについて理解した上で、間違った投資判断を避けることが重要です。

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