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金利スワップに通貨スワップ。謎のスワップを徹底解説

金利スワップに通貨スワップ。謎のスワップを徹底解説

たじりひろこ
たじりひろこ
記事の難易度:★★★★☆

株式に限らず金融取引全般で使われる取引の一つに、「スワップ取引」というものがあります。どちらかというと企業や機関投資家が主に活用するスワップ取引ですが、どのような取引かを知ることで、今後の値動きを予測するヒントになります。

今回は、個人投資家にはあまりなじみのないスワップ取引と、その根幹となるスワップについて見てみましょう。

スワップと関係の深い金融派生商品(デリバティブ)

スワップを深堀りする前に、金利や為替などの金融派生商品(デリバティブ)を取引するデリバティブ取引から見ていきましょう。デリバティブ取引には「店頭デリバティブ」と市場で取引される「市場デリバティブ」がありますが、日本では「店頭デリバティブ」が主流です。

メジャーなデリバティブには金利デリバティブやクレジットデリバティブ、為替デリバティブがあり、マイナーなデリバティブにはコモディティデリバティブやエクイティデリバティブ、天候・災害デリバティブなどがあります。

デリバティブとスワップ取引の関係

デリバティブで使われる取引手法の一つが、スワップ取引です。エクイティデリバティブを例に見ると、金融機関(投資家)と証券会社が変動金利と株価指数のパフォーマンスを交換する「エクイティスワップ」が取引の中心となります。こうした取引は、株式を持たずとも株式の値上がり益を得たい時に活発になります。

代表的なスワップ「金利スワップ」

スワップ取引の中でも代表的な「金利スワップ」は、具体的にはどのような取引になるのでしょうか。固定金利で借入金の金利を払っているA社と、変動金利で借入金の金利を払っているB社を仮定して見てみましょう。

借り入れ契約後にA社は変動金利にした方が得をする、B社は固定金利にした方が得をすると考えを変えても、契約変更はできません。こうした時に金利スワップが活躍します。

A社の固定金利部分とB社の変動金利部分の交換(スワップ)を約束して、A社が「B社の変動金利部分」、B社が「A社の固定金利部分」を支払うという契約を結びます。これが「金利スワップ」です。

代表的なスワップ「通貨スワップ」

「通貨スワップ」は、異なる通貨同士でする取引です。金利スワップとの違いとして、金利スワップが金利部分のみを交換するのに対して、通貨スワップでは元本部分も交換するところです。

例えば、ある企業が外国通貨建て社債を発行すると、償還時の為替レートで投資家に返済する金額の見通しを立てることができません。通貨スワップを利用すれば金利部分・元本部分を円建てに交換できるので、将来の償還金額の見通しが立てやすくなるのです。

スワップ取引と個人投資家との関係

個人投資家とはあまり関係がないと思われがちなスワップ取引ですが、実は身近な金融商品でもスワップ取引は利用されています。例えば、大多数の人が加入している各種保険では定期的に支払う保険料をただプールするのではなく、株式や社債・国債等で運用しています。これは企業も同様であり、さらに運転資金として金融機関から借り入れをしています。

運用・借り入れのどちらにもリスクが付きものです。もし失敗して損失を出すと、まわりまわって出資している個人に損失を被る可能性も否定できません。こうしたリスク回避の一環として、スワップ取引が活用されています。

スワップ取引の動向はどこで調べる?

企業や機関投資家がどのようなスワップ取引をしているかを調べるには、各企業が公開している開示情報を参照するのが早道です。もっとも分かりやすい開示情報を公開しているのが保険会社です。

保険会社は定期的に運用報告書を作成しており、その中でスワップ取引の状況を記載していることがあります。かなり細かく読み込まなくてはいけませんが、運用報告は公開されているので、一度目を通してみてはいかがでしょうか。

まとめ

スワップ取引がどのようなものか、そして企業がどうして利用するのかがお分かりいただけたかと思います。直接的に一般の人には関係ないと思われるでしょうが、私たちが預けた、もしくは投資したお金がどのように運用されているかを知るのは大事なことではないでしょうか。

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