初心者でも株の買い方がわかる!株の教科書.com

0
株主優待とは?その仕組みとサービスの種類を解説

株主優待とは?その仕組みとサービスの種類を解説

株の教科書.com編集部
記事の難易度:★★☆☆☆

最近話題になることの多い株主優待は、株を保有している人たちに対して、企業が感謝の気持ちを込めて自社商品などを送ることです。企業によってはいろいろなものがもらえるので、株主にとっては株価と同じく重要な要素になることもあります。

そんな株主優待には、気をつける点や効果的に取得するためのポイントがいくつかあります。今回は、実際にある優待を交えながら株主優待について紹介していきたいと思います。

株主優待のはじまりとは?

株主優待の歴史は、確認されているだけでも明治期にまでさかのぼります。

東武鉄道の社史に、明治32年に『優待株数300株以上、優待範囲鉄道全線、優待株主数41名』という記載があり、株主に「全線無料パス」を配ったことが株主優待のはじまりと言われています。その後、ほかの企業でも少しずつ株主優待を始めるところが増えてくるようになったのです。

そして、1980年代ごろからは本格的に導入されていきます。バブル期を迎えたことで日本全体で個人投資家が増加してきたこともあり、およそ100社が株主優待を始めたとされています。

それまで割引券などが主流だった中、食品メーカーやお菓子メーカーが自社商品の詰め合わせを株主に贈るようになり、話題になりました。また、提供できるような自社製品がない企業でも、野村証券のように自社で編集した書籍を贈るなど工夫を凝らした株主優待がみられました。

その後、景気が不安定になっていくなかで投資家の株離れを防ぐ側面を持つようになっていきます。株主優待を実施する企業は爆発的に増加していき、98年には500社を超えました。そして、株価だけでなく株主優待も含めて銘柄を選ぶ投資家が現れはじめ、優待を得るための投資も盛んになります。

リーマンショックを受けてから一時期は減少傾向にありましたが、現在は株主優待を行っている企業は増加しつつあります。優待内容が豪華な銘柄も増えているため、以前にも増して優待目当ての投資は有効になってきています。

株主優待は日本独特?

日本では知名度が高い株主優待ですが、実は、海外ではほとんど見ることのない日本独特の制度なのです。これは、株主優待の起源がお歳暮やお中元といった、お世話になっている人に対しての贈り物をする文化から始まったからでしょう。

海外では株主が期待するのは株主優待で得られる物品などではなく、あくまで投資した金額に見合った配当金です。投資家からすると、株主優待をするくらいならその分少しでも配当金を上げてほしいのです。

近年では、国内でも株主優待を豪華にすることで投資家の購買意欲をあおるような手法は邪道、とする意見や、活発になっている海外投資家にはメリットがみられない、といった意見もあります。

株主優待をより豪華にしていくのか、配当金を上げていくのか、それとも別の手法が現れるのか、今後の日本企業側の展開には注目していきたいですね。

株主優待を得る方法とは?

株主優待を得る方法

株主優待を得るためには、目当ての株主優待銘柄をただ買うだけでは得られません。「権利確定日」という重要な日までに株を保有していたかどうかが大きなポイントになります。人気のある銘柄はこの権利確定日の数週間前から株価が大きく変動するため、あらかじめ株主優待の仕組みについてしっかり学んでおきましょう。

権利確定日を知っておくことが重要

株主優待を受けるためには、その企業の株を「権利確定日」までに保有しておく必要があります。権利確定日とは文字通り、株主優待や配当金を受け取れる権利が確定する日です。この権利確定日までに株を保有していれば、1年分の配当金や株主優待を受けることができます。

権利確定日は市場全体で決まっているわけではなく、企業ごとに異なっています。多くの場合は決算の関係から3月、9月に権利確定日を設定している企業が多いです。権利確定日の3営業日前が「権利付き最終日」と呼ばれる日で、この日から権利確定日まで株を保有していれば優待を受けることができます。

この権利確定日の数週間前から、人気のある株主優待を提供している銘柄は普段よりも急激に株価が上昇します。目当ての銘柄を購入しようしても、直前になって高額になっていたり競争率が高すぎて購入できない事態になりかねないため注意しましょう。

また、どうにか購入できたとしても保有数によって株主優待のグレードが変化することもあります。目当ての優待を獲得するために必要な保有数もしっかり把握しておきましょう。

権利付き最終日と権利落ち日

前述の通り、株主優待を受けるためには権利確定日ではなく、権利確定日の3営業日前が権利付き最終日までに株を保有している必要があります。この権利付き最終日の翌日を、「権利落ち日」といいます。これは、権利付き最終日が過ぎたことで、株主優待を受ける権利が落ちてしまった日だからです。権利付き最終日までに株を購入できた人は、権利落ち日以降に株を売ってしまっても株主優待を受ける権利は残ります。

そのため、権利落ち日以降は株を売りに出す人が多くなり、株主優待が人気な銘柄は急激に株価が下がることもあります。株主優待を受けることは次の権利付き最終日までできませんが、その銘柄を普段よりも安く購入することができるかもしれないのです。株主優待が人気な銘柄は総じて、権利確定日と権利付き最終日の数週間前から株価が急激に上がり、それを過ぎると急激に下がりやすいといった特性を覚えておきましょう。

保有株数によってグレードが上がるものも

株主優待を受けるには企業が決めた一定以上の株を保有しておく必要があります。目当ての株を購入することはできても優待を受けられる数には達していなかったという事態を避けるために、事前にどれくらい必要なのかチェックしておきましょう。

また、「100株以上500株未満保有していれば1000円分の商品券、500株以上1000株未満なら5000円分の商品券を贈呈」といったように、保有している株が多いほど株主優待の内容のグレードが上がっていく銘柄もあります。グレードを設定している銘柄で、より良い優待を受けたいなら購入する株の数にも注意しましょう。

保有期間によって変わるものもある

株主優待の商品は権利が確定してから優待商品の割り当てが決定され、商品の送付が開始されます。実際に手元に届くまでは半年ほどかかってしまうケースもあるので、覚えておきましょう。

また、権利落ち日に株を売却してしまう人もいますが、一定期間優待を受け取りつづけることで、受けとれる優待が豪華になる「期間型優待」というものが登場してきました。長期間株を保有してもらうことで、権利確定日周辺での株価の変動を抑制し、株価を安定させるために実装されたのです。

株といえば売買をすることで利益を出すイメージがあるかもしれませんが、「期間型優待」の場合は長く保有しつづけることで大きな利益を生み出すことができます。

株主優待で注意することとは?

株主優待の注意点

権利確定日などの要素のほかにも、株主優待には気をつけなければいけないポイントがいくつかあります。株主優待にばかり注目すると、思わぬところで痛い目を見てしまうので注意しましょう。

株主優待が廃止されることもある?

株主優待が近年話題になる一方で、株主優待を廃止する企業も増えています。株主優待を行っていない企業があることからわかる通り、優待を実施しなければいけないルールはなく、株主優待の内容や実施するかどうかは企業側に一任されています。

つまり、株主優待目的で株を購入した場合でも、株主優待の内容が変更されたり、その年に株主優待が行わないということは充分にあり得るのです。

さらに、株主優待の制度そのものが「会社法109条1項」の「株式会社は、株主を、その有する株式の内容および数に応じて、平等に取り扱わなければならない。」という株主平等原則に抵触してしまっているのではないか、といった意見もあります。

優待の内容が少額あるいは軽度なものであれば違法ではない、というのが通説的な意見ですが、「より多くの株主に利益を還元する」、「配当金や株価をより安定させる」などの理由から株主優待を廃止した企業があります。

また、株主優待を廃止すると株価が大幅に下がってしまうことがあります。優待廃止は業績悪化が原因の場合もありますが、株主優待を廃止するかわりに配当を上げても株価が下落するケースも。株主優待の有無は、投資家にとって大きな判断材料なのです。

優待廃止になる一番の理由は?

株主優待が廃止されてしまう最たる理由は「業績悪化」です。前年までは業績に問題がなくても、その年の業績が振るわなかったときに経費削減策や、テコ入れ策として株主優待を廃止する場合があります。

また、企業側の負担が大きい株主優待も廃止されやすい傾向にあります。自社製品などの場合は企業にとってそこまで大きな負担にはならないのですが、ギフトカードや自社以外でも使える商品の場合には注意が必要です。

魅力的な株主優待には惹かれてしまいますが、改定や廃止の可能性があることも覚えておきましょう。株主優待目当てで株を買うときには、優待の内容にばかり注目せず、企業の業績が安定しているかどうかも要チェックです。

人気の株主優待にはどんなものがある?

では、数ある株主優待のなかでも特に人気のある優待はどのようなものなのでしょうか。ジャンルごとに分けて紹介していきます。

飲食品がもらえる株主優待

株主優待をうけることで、自社製品の飲食品が送られてくるタイプです。株主優待では一番イメージしやすいかもしれません。

伊藤園(権利確定月:4月)

飲料メーカーとして有名な「伊藤園」の株主優待の内容は以下の通り。

  • 100株で自社製品1,500円相当を贈呈、通信販売製品を30%引き
  • 1,000株で自社製品3,000円相当贈呈、通信販売製品を50%引き

普段から伊藤園の商品を購入している人とってはうれしい内容です。また、伊藤園には「伊藤園第1種優先株式」という株式があります。

「伊藤園第1種優先株式」は株主総会での議決権がないかわりに、伊藤園の通常株よりも株価が割安、通常通り優待も受け取ることができるうえに、配当金が1.25倍受け取れるという株式です。優待には興味があるけど株主総会には興味がない、優待は欲しいけど資金はなるべく抑えたいという場合はこちらのほうがおすすめです。

江崎グリコ(権利確定月:9月)

江崎グリコというと誰もが知っている有名なお菓子メーカーです。実は、グリコはお菓子以外にも化粧品・美容品、バランス栄養食、カレーなどの加工食品なども販売しています。

株主優待内容は以下の通り。

  • 100株で1,000円相当の自社製品
  • 500株で2,000円相当の自社製品
  • 1000株で4,000円相当の自社製品

グリコは幅広い商品を取り扱っているので、子どもだけでなく大人も楽しめる優待内容になっています。

味の素(権利確定月:3月)

調味料で有名な味の素は、100株で1,000円相当の自社商品が贈呈されます。また、1,000株で3,000円相当の自社商品、1,000株を3年以上継続して保有することで6,000円相当の自社商品が贈呈されます。味の素といえば調味料が有名ですが、化粧品やコーヒー、健康食品なども幅広く扱っています。株主優待もバラエティーに富んだものが期待できます。

食事券や割引券がもらえる株主優待

株主優待のなかで特に人気の高いのが「食事券・割引券」がもらえる銘柄です。多くの飲食店がこのタイプの株主優待を採用しているので、いきつけの飲食店がある人や、外食が好きな人はチェックしてみましょう。

日本マクドナルドホールディングス(権利確定月:6月,12月)

日本マクドナルドホールディングスといえば、世界的に有名なファストフード店、マクドナルドです。株主優待は特に人気が高く、以前マクドナルドで問題が起こった際に株価が大きく下落しなかったのは、株主優待のために株主が株をほとんど売却しなかったからだと言われています。

「日本マクドナルドホールディングス」の株主優待内容は以下の通り。

  • 100株で食事券1冊
  • 300株で食事券3冊
  • 500株で食事券5冊

バーガー類、サイドメニュー、ドリンクの3種類の無料引換券がシートが6枚で1冊となっています。100株でも株主優待を受けると6回分の食事が無料になるうえに保有していれば年2回もらえるので、とてもうれしい内容となっています。

すかいらーく(権利確定月:6月,12月)

「バーミヤン」や「ガスト」、「夢庵」などのファミリーレストランを展開している会社が「すかいらーく」です。最近では「とんから亭」や「ステーキガスト」のような専門的なレストランも展開しています。

株主優待内容は、6月の場合は以下がもらえます。

  • 100株で3,000円相当の食事券
  • 300株で9,000円相当の食事券
  • 500株で15,000円相当の食事券
  • 1,000株で33,000円相当の食事券

12月の株主優待ではお食事券の値段が上がります。年2回もらえるうえに金額も大きいので、人気の高い株主優待です。

鳥貴族(権利確定月:1月,7月)

鳥貴族は全国的に展開され、幅広い年代に親しまれている焼き鳥屋。創業から低価格を続けており、特に若年層から人気が高いです。

株主優待の内容は以下が年2回。

  • 100株で1,000円分の食事券
  • 300株で3,000円分の食事券
  • 500株で5,000円分の食事券

鳥貴族は1回のお会計がリーズナブルなので、食事券で充分食事を楽しむことができます。

お買い物券やプリペイドカードがもらえる株主優待

主にスーパーマーケットや百貨店の株主優待でもらえるのが、自社系列店で使える買い物券・プリペイドカードです。食事券よりも幅広い用途で使えるため、主婦の方々はこちらの株主優待のほうがうれしいかもしれません。スーパーによってはポイントカードを導入しているところもあるので、併用することでよりお得にお買い物ができます。

イオン(権利確定付:2月,8月)

全国で有名なスーパーマーケット、イオンの株主優待は少し変わっています。スーパーの優待にはお買い物券や割引券が多いなか、イオンではキャッシュバック式になっています。

株主優待を受けられるようになるとオーナーズカードが発行され、半年間での買い物100万円までに対して以下のようなキャッシュバックを受けられます。

  • 100株で3%のキャッシュバック
  • 500株で4%のキャッシュバック
  • 1,000株で5%のキャッシュバック
  • 3,000株 で7%のキャッシュバック

また、3年以上継続して保有することでギフトカードがもらえます。

  • 1,000株で2000円分
  • 2,000株で4,000円分
  • 3,000株で6,000円分
  • 5,000株で7,000円分

毎月ある5%オフの日やポイント2倍の日などと組み合わせればさらにお得に買い物ができます。

高島屋(権利確定日:2月,8月)

百貨店といえば「高島屋」を想起する人は少なくないでしょう。最近では旅行客も多く足を運んでいることで話題になりました。そんな高島屋の株主優待内容は1,000株で「10%割引券」が年2回もらえます。

マツモトキヨシ(権利確定日:3月,9月)

「マツモトキヨシ」は全国展開しているドラッグストアで、オンラインストアを使えばPCや携帯でも買い物ができます。

マツモトキヨシの株主優待は、商品券が年2回もらえます。

  • 100株で2,000円分
  • 500株で3,000円分
  • 1,000株で5,000円分

乗り物券や旅行割引券がもらえる株主優待

株主優待を行っているイメージがあまりないかもしれませんが、電車、汽船、飛行機関係の株主優待は意外にも盛んです。旅行が好きな人はぜひチェックしておきましょう。

ANAホールディングス(権利確定日:3月,9月)

国内線の約5割のシェアを誇る、ANAホールディングス(全日空)の株主優待はとても豪華。「株主優待割番号ご案内書」という、片道運賃がなんと50%割引になる券が年2回発行されます。

枚数は保有株の数によって以下の通り変化します(2017年9月までの優待内容)。

  • 1,000株で1枚
  • 2,000株で2枚
  • 3,000株で3枚
  • 4,000株で4枚(2,000株ごとに1枚増)
  • 10,000株で7枚(4,000株ごとに1枚増)
  • 1,000,000株で254枚(8,000株ごとに1枚増)

そのほか、様々な特典がついたANA優待券や、お買い物優待券などもあります。今後もサービスの拡充が計画されているとのことなので、注目すべき銘柄です。

東日本鉄道会社(権利確定日:3月)

東日本鉄道会社と聞いてもピンときませんが、山手線をはじめ国内の最大級の鉄道会社「JR東日本」を運営している会社です。株主優待の内容は乗車割引券(1枚で20%割引)。

  • 100株で100株ごとに1枚
  • 1,000株で10枚(200株ごとに1枚増)
  • 10,000株で55枚(300株ごとに1枚増)
  • 20,000株で100枚
  • 50,000株で250枚
  • 100,000株で500枚

このほかにも株主サービス券として、ホテル宿泊券やスキー場の割引券など、様々なものがセットになっています。日々の生活での利用はもちろんですが、遠出をするときにも大いに利用できます。

まとめ

株主優待は、廃止や内容変更などの注意が必要ですが、投資をしながらお得にサービスを受けられる仕組みです。人気の高い銘柄の株主優待を受けることはなかなか難しいですが、タイミング次第では獲得することができるかもしれません。趣味や生活に欠かせないものなど、自分に合った株主優待を見つけて利用してみてはいかがでしょうか。

総合評価
(0)

証券会社を選んで口座を作ろう!

免責事項

株の教科書.com(以下、当サイト)で提供している文章、画像、動画等のコンテンツ(以下、コンテンツ)は、作成時点で得られた情報を元に作成しております。その内容について作成時および未来において正確性、安全性は保証しておりません。

当サイトは投資に関する知識、技術情報の提供を目的としており、特定の銘柄、投資対象、投資行動、運用手法を奨励するものではありません。お客様ご自身の投資に関わる一切の行動につきましては、ご自身の責任の下でご判断ください。投資、資産運用によって発生した損益はお客様ご自身に帰属するものとし、当サイト掲載の情報に基いて発生した損害について一切の責任を負うものではありません。