
投資効率を重視するなら無視できない株価指標「投資利益率(ROI)」
四半期ごとや年間の企業業績や企業収益は、個別銘柄やマーケットの値動きを左右する大きな材料です。見方を変えれば、マーケットの値動きの大部分は、ファンダメンタルズ分析で説明できます。こうしたことから長期投資では、ファンダメンタルズ分析は必要不可欠。
今回は、ファンダメンタルズ分析の重要指標の一つである投資利益率(ROI)について確認していきます。
この記事のもくじ
投資指標の一つ「投資利益率(ROI)」
費用対効果の優れた企業には、誰もが投資したいと考えるもの。こうした企業を見つけるには、投下資本に対してどれだけ効率的に収益を上げているかを判断する投資指標の一つである投資利益率(ROI)に注目してみましょう。
高ROI銘柄は、株式投資でも買い材料と判断されるのです。
高ROI銘柄への投資は合理的
ROIは、売上から投資額を差し引いた事業利益(EBIT)を投下資本(全投資額)で割ることで求められます。ROIを求めるときには、資本金や社債、借入金等も投下資本に分類される点に注意しましょう。
ROI = 事業利益 ÷ 投下資本 × 100
ROIの値が大きければ大きいほど収益性が高いビジネスを実現できていると考えられ、投資価値が高い銘柄と判断されます。
欧米では投資効率を重視した投資が主流
欧米諸国は費用対効果にシビアであり、ROIや株主資本利益率(ROE)など、投資効率に着目した投資指標を重視する投資が注目を集めています。年金基金やヘッジファンドなどの機関投資家には、一定水準のROIやROEを満たさない銘柄を買わないという自主ルールを設けているケースも珍しくありません。
日本でも投資効率を追求する運用が広まりつつあり、2014年から算出・公表がはじまったJPX日経400指数はその典型と言えます。
海外に多い高ROI銘柄
高ROI銘柄は持続可能な成長を遂げることが多いのですが、日本市場で長年力強い成長を続けている企業となると、具体的な企業名をイメージできる方は少ないと思います。
米国市場に目を向けるとニューヨーク証券取引所(NYSE)やNASDAQ(ナスダック)には、長年力強い成長を続けている優良銘柄が多数上場しています。投資効率を上げるには、海外市場に目を向けることも重要です。
高ROI銘柄は長期投資にも向く
高ROIを維持している会社は、利益を出すことがうまい会社と考えられます。経営も比較的スリムであることが想定されるため、今後も持続可能な成長が期待できます。
成長が維持できれば株価の上昇期待も高まるため、高ROI銘柄は長期投資に適した銘柄と言えるのです。
投資の神様もROIを重視している?
「オハマの賢人」として知られるウォーレン・バフェットもROIを意識した投資をしているといわれています。バフェットの投資手法は、良い銘柄を良いタイミングで買い、良い会社である限り持ち続ける「超長期投資」です。
実際、ポートフォリオの大部分を占める銘柄としてコカ・コーラやプロクター・アンド・ギャンブルに投資してきたことが知られています。こうした投資こそが、ROIを意識した投資をしているとされる何よりの証明なのです。
まとめ
現在のトレンドは投資効率の追求であり、ROIやROEなどの株価指標を知っているのと知らないのとでは、投資戦略や期待リターンにも大きな違いが生まれます。
ROIやROEを重視する投資では、バフェットの長期投資が投資初心者でも比較的参考にしやすい手法といえます。株価指標の意味や使いかたを理解して、適切な投資判断を下せるようになりましょう。
証券会社を選んで口座を作ろう!
- 証券会社の人気ランキング!実際にユーザーが利用した14社のクチコミと評価アンケート調査を実施して集計した、ユーザークチコミによる証券会社の人気ランキング! 各証券会社の証…
- 証券会社を基本サービスで比較してみよう!各証券会社が行っている基本サービス一覧。信用取引はもちろんのこと、投資に際して海外株式、NISA口座の有無などを確認する…
- 一番安いネット証券は?株取引の手数料を比較しよう!初めて口座開設をする際は、どこを見て選べば良いのかわからない、証券会社ごとの違いがわからない、という方も…
- IPOに適した証券会社は?IPO取扱数や抽選方法で比較各証券会社のIPOの取扱いに関する比較です。これから株式市場に上場する新規公開株は、高い確率で初値を上回…