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総資産利益率(ROA)とは?総資産で測るROEとの違い

総資産利益率(ROA)とは?総資産で測るROEとの違い

徳田陽太
徳田陽太
記事の難易度:★★★★☆

スチュワード・シップコードの高まりやROEに着目した株価指数のJPX日経400指数の誕生を背景に、日本でも投資指標を重要視した投資が注目されるようになりましたが、総資産利益率(ROA)もよく活用される投資指標の一つです

株主資本利益率(ROE)と混同されがちなROAですが、実は似て非なるもの。今回は、ROEとの違いを交えながら、ROAの意義や算出方法、活用の仕方を見てみましょう。

総資産に対する利益の割合を表すROA

総資産利益率(ROA)とは、その名の通り総資産に対する利益の割合を表します。ROAは当期純利益を総資産で割ることで求められます。

ROA = 当期純利益 ÷ 総資産 × 100

総資産に対して生み出した利益の割合を確認すれば、どれくらい効率よく利益を上げられているかが分かります。ROAが高ければ高いほど、効率的に経営されていると判断できるのです。

ROAを求めるときの総資産の考え方

ROAを正しく理解するには、総資産の考え方が重要です。総資産には返却を要する資産も返却を要しない資産も含まれます。ここでの総資産には株主資本も含まれます。

ROAを求めるときに注意すべきポイントは、あくまで分母は総資産であるということ。自己資本も他人資本もひっくるめて計算する必要があります。

ROAとROEの違いはどこにある?

資本には自己資本と他人資本が存在していて、総資産利益率(ROA)と株主資本利益率(ROE)では、資本の考え方が異なります。

株主資本は株主が拠出した資金であり、自己資本となります。安定した企業経営には非常に重要な資本です。対して総資産は、株主資本だけでなく借入金など他人資本も含めた値です。ROAとROEの分母になる株主資本と総資産の違いを知れば、投資指標の意味を正確に理解できるようになります。

どちらも経営の効率性を測る指標

純粋な自己資本に対する収益性を調べるROEと、返却を要する他人資本を含めた総資産からのリターンを確認するROAは、どちらも経営の効率性を測る指標という点で共通しています。

ただし、企業経営の状態を包括的に判断するときには、ROAが重宝されるケースがあります。たとえ上場企業でも、有利子負債を抱えているケースがほとんどだからです。

ROAとROEは使い分けが肝心

仮にROEが同一のA社とB社があったときに、企業の財務状況を見るためにはROAを比較するのが効果的です。高ROAは他人資本が少ないことを意味するため、借入が少ないことを示唆しているのです。

では、ROAが同じ値の場合はどうでしょう?この場合はROEが高いほうが資本を活用して利益を生み出していると考えられます。

ROAとROEはどちらかだけではなく、両方の値を見比べて判断することが重要なのです。

ROAに頼りすぎた分析は避ける

ROAが高いほど経営が効率的であり、魅力的な投資対象と考えられますが、ROAに頼った投資判断は避けるべきです。なぜなら、ROAだけでは借入金の状況がつかめないからです。

借金が多くても経営が順調であれば問題ないという考え方もありますが、株価急落のリスクも内包しています。上場企業の多くが有利子負債を抱えていることを考えると、ROAを信頼しすぎるのではなく、銘柄分析の手がかりとして活用することを考えましょう。

まとめ

銘柄分析では投資効率性を測る指標が非常に重視されるので、個人投資家もその意味と使い方を知っておく必要があります。

これらの指標が悪化すると投資対象から除外されやすく、さらに指標が悪化する悪循環に陥るので、企業も投資指標の改善に積極的です。指標が改善傾向の企業には、投資チャンスがあるかもしれませんね。

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