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Excelで簡単にできる!回帰分析で投資リスクを測ろう

Excelで簡単にできる!回帰分析で投資リスクを測ろう

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横山研太郎
横山研太郎
記事の難易度:★★★★☆

結果となる数値と要因となる数値の関係を調べて、それぞれの関係を明らかにする「回帰分析」は、株式投資の銘柄分析にも活用できます。銘柄分析では「β値」を活用することで複数の銘柄の関係性を手軽に分析できますが、使いかたには注意が必要です。

今回は、回帰分析の基本と、実際に銘柄分析の手順とポイントを見てみましょう。

複数の値の関連性を分析する「回帰分析」

回帰分析とは、複数の変動値の分布を分析して、相関関係や因果関係があるかを推定する分析です。株式投資では、株価指数(インデックス)と個別銘柄の関連を見るときに活用されます。

基準とする値の変動量と比較したい値の変動量を比較することで、その関連度合いを「Y=aX+b」という簡単な一次関数で表現することができます。aの値が1であれば2つの値が同じ動きをしていて、-1なら反対の動きをしていることがわかります。また、aの値が正の数であれば、数値が大きくなるほど基準とする値から大きく変動する傾向にあると判断できます。

重回帰分析を使わなくても十分な分析ができる

基本的な回帰分析は、ある変動値と他の変動値との関連を推定しようとするものが、株式市場はいくつもの要素が複雑に絡み合って株価が形成されています。

より高度な分析を目的に、複数の変動値から他の変動値との関連を推定する「重回帰分析」を活用している人もいますが、今回は基本的な回帰分析について見てみましょう。

市場の動きとどの程度連動するかを見る「β値」

市場の株価指数と個別銘柄の連動性(相関性)を計測する「β値」の中でも、もっとも活用されているのが、日経平均株価との連動性を見るβ値です。

日経平均は日本を代表する企業で構成される株価指数であり、日本株を動かす要素が反映された結果です。そのため、単純な回帰分析ですが、β値を使うことはさまざまな要素を考慮していると考えて良いでしょう。

β値とリスクの関係性

β値で判断できるのは、ボラティリティの高低です。β値が大きい銘柄はボラティリティが高く、β値が低いとボラティリティが低くなるので、β値が大きい方が値動きが激しく、リスクが高い銘柄と考えられるのです。一般的に、景気敏感株や中小型株はβ値が高く、インフラ関連株や食品関連など景気の影響を受けにくい銘柄はβ値が低くなる傾向にあります。

β値は「Y=aX+b」と表された式の「a」の部分であり、β値が1であれば、比較対象の株価は、日経平均と同じ割合で変動していると推定できます。β値が2になれば、「日々の値動きが、日経平均のおおむね2倍になっている」ということになります。逆に、β値が0.5であれば、「値動きの大きさが日経平均の半分」ということです。

Excelでできる簡単な回帰分析の方法

β値を求める回帰分析だけなら、Excelなどの表計算ツールで簡単に求められます。

  1. 1.比較したい銘柄と日経平均について、過去一定期間の株価を集める
  2. 2.一定期間内の株価の前日比を求める
  3. 3.日経平均の前日比を横軸に、比較したい銘柄の前日比を縦軸にして、散布図を作る
  4. 4.「Y=aX+b」の一次関数を作成する

これだけでβ値を算出することができます。

3.の散布図はExcelの機能で自動的に作成できるので、4.の一次関数もできたグラフのデータを右クリックして「近似曲線の追加」を選択するだけで作成できます。近似曲線のオプションから「グラフに数式を表示する」を選択すれば、「Y=aX+b」の形式になった一次関数の式も表示できます。

同業種の銘柄間で値動きを比較する

個別銘柄の回帰分析を利用すれば、同業種間でのリスク比較もできます。2つの銘柄を直接比較するのは難しいものの、日経平均と比較するなら簡単です。2つの銘柄のβ値を計算して、その値を比べてみましょう。

同じ業種であれば、β値は近い数字になる可能性は高くなりますが、それぞれのβ値がA社:1.5とB社:2と離れていれば、同じ業種でもB社の方が値動きが激しくリスクが高い銘柄と推測できます。

まとめ

回帰分析を使って求めたβ値は、株価指数との連動性を簡単に見ることができるものです。求め方がわかれば、ある銘柄がどれだけ激しい値動きをするのかを推定することができます。

その上で、リスク度合いに応じた投資金額を考えることも可能になります。簡単なリスク管理の手法として、投資の参考にしてみましょう。

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