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純資産から株価の割安度を測る株価純資産倍率(PBR)とは?

純資産から株価の割安度を測る株価純資産倍率(PBR)とは?

横山研太郎
横山研太郎
記事の難易度:★★★☆☆

ある銘柄の株価が適正水準かを考えるときには、「会社が保有している財産」をベースにして評価する株価純資産倍率(PBR)が有効です。PBRだけを投資判断に使うのはおすすめできませんが、会社の収益力を確認するひとつの要素にもなります。

今回は、PBRが何をあらわす指標であり、どのように使うのかを見てみましょう。

PBRとはどんな指標で、何をあらわしているのか?

株価純資産倍率(PBR)とは、株価が1株あたりの純資産額の何倍になっているかをあらわす指標であり、次のような数式で求めます。

株価純資産倍率(PBR)=株価÷1株あたり株主資本(BPS)

1株あたりの株主資本(BPS)=株主資本÷発行済み株式数

PBRが1倍であるとき、株主資本と時価総額は同じ額であり、株価が解散価値に等しいと考えられます。株主には「残余財産分配請求権」という権利があり、会社が解散するときに、銀行や取引先への債務を支払った後に残った財産を持ち株数に応じて分配を受け取ることができます。

PBRと割高・割安の関係はどうなっているのか

PBRが1倍であれば、理論上、その分配額は株価と等しくなります。PBRが1倍のときに会社が解散しても、株価と同じだけの財産が分配されることになります。しかし、PBRが2倍だとどうでしょうか。

1株あたりの純資産が100円で株価が200円の場合、会社が解散すると分配される残余財産は100円しかありません。ここから、PBRが低い方が株価は割安、高い方が株価は割高だと言うことができます。

PBRはどれくらいで割高・割安なのか?

「PBRが低いと割安」とはいっても、「とにかくPBRが低ければ割安」というわけでもありません。PERと同じ様に、PBRは業種によって割高・割安の水準が異なります。

日本取引所(JPX)が公表している東京証券取引所(東証)一部上場銘柄全体の加重平均PBRは、2017年1月末現在で1.3倍となっています。業種別では鉄鋼(0.8倍)やサービス業(1.2倍)などは全体よりも低い一方、研究開発やシステムへの投資が不可欠な業種である医薬品(2.0倍)や情報・通信業(1.8倍)などはPBRが高止まりする傾向があります。

個別企業レベルでは、収益力が高い会社はPBRが高く、収益力に乏しい会社は低くなる傾向にあります。その理由は、後述する会社の損益とPBRの関係から理解することができます。

会社の損益がPBRにどんな影響を与えるのか?

会社が生み出した純利益(税引き後)は、株主への配当と会社をさらに発展させるための資金(内部留保)に分けられます。このうち、内部留保が株主資本に加算されるため、大きな利益を出すと株主資本が大きくなる分だけPBRが低下することになります。大きな利益を継続して生み出せるのであれば、割安だと判断されて株価が上がりやすい状況といえます。

反対に赤字を計上した場合には、その分だけ株主資本が減少するので、1株あたり純資産も減少してPBRが上昇し、割高感が出てしまいます。会社が何も対策をしなければ、株価は下がっていくことでしょう。

PBRで株価を判断するときの注意点

PBRが1倍を下回ると株価は割安だと判断できますが、割安だからといって必ず株価が上がるわけではありません。会社の損益によって将来のPBRは変動するからです。

PBRが1倍を下回っているにもかかわらず、株価が上がらない、株価が下がっているのであれば、経営にネガティブなことが起こっていないかを調べましょう。PBRだけでなく、PERや業績予想などと合わせた投資判断が欠かせません。

PBRが低い銘柄は買収対象になることも

PBRが低い会社は会社の資産を比較的安く買うことができることから、企業買収や株式公開買い付け(TOB)の対象になりやすい傾向があります。

買収対象となると、直近の株価よりも高い株価でも買い取りが発表されます。これは、PBRが低い会社は「会社の資産を効率的に使って利益を出すことができていない」と市場から評価されているのと同じです。しかし、高い技術力や強いブランド力を持っている会社であれば、経営次第では業績改善が期待できます。別の会社がシナジー効果があると判断すれば、買収提案をしてくる場合があるのです。

まとめ

PBRは、会社の純資産に対して株価がどれくらいの水準にあるかを見る指標であり、債務超過にでもならない限り、PBRがマイナスになることはまずないため、いろいろな企業での比較がしやすいのは確かです。

一方で、PBR単独での投資判断は難しい指標でもあります。PERをはじめとするほかの指標や、会社のビジネスモデルや業績も意識しながら活用するのがよいでしょう。

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