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株初心者でも少しだけ知っておきたい「オプション取引」の存在と仕組み

株初心者でも少しだけ知っておきたい「オプション取引」の存在と仕組み

横山研太郎
記事の難易度:★★★★★

オプション取引とは、「権利を売買するもの」です。少し詳しく言うと、「あるものを、定めた日時(まで)に、定めた価格で取引する権利を売買するもの」です。

これだけでは全くイメージがわかないでしょうし、実際にオプション取引をしている個人投資家もほとんどいません。しかし、株式投資の世界で取引をしているのであれば、株価に影響を与える可能性がある取引について、ある程度理解しておく必要があります。

そこで、今回はオプション取引について簡単に概略を説明します。

権利を売買することができるオプション取引

オプション(option)を日本語になおすと、「選択・選択権」という意味があります。転じて、投資の世界でのオプションは「権利(選択売買権)を売買する」ものとなっています。

取引できる売買権利にはさまざまなものがあります。株価指数・通貨・国債・金利の先物の売買権利を取引する「先物オプション」や、株式・ETFなども売買権利を取引する「証券オプション」があります。

ここでは、個人投資家でも取引でき、取引量も多い「株価指数先物オプション」を主な例にしてお話しします。

買う権利、売る権利を売り買いできる

オプション取引が難しいと感じられる理由は、取引方法の種類に違和感を持ってしまうためです。オプション取引の取引方法は、下記の4種類があります。

  1. ①「買う権利」を買う
  2. ②「買う権利」を売る
  3. ③「売る権利」を買う
  4. ④「売る権利」を売る

②や④を見て、買うのか売るのか一体どっちなんだ?と戸惑ってしまうかもしれませんが、どんな権利を売買するのかを意識しながら考えると理解しやすくなります。カギカッコ内に書かれたものが取引する権利で、その権利を買うか売るかするのです。

買う権利「コールオプション」とは

では、それぞれどのような取引になるのかを見ていきましょう。上記①と②は「買う権利」を売買するものです。この「買う権利」を「コールオプション」と呼びます。コールオプションを買いたい人(①)と売りたい人(②)が、取引をします。

例えば、「いまは11月1日で日経平均先物が22,000円」だとします。このときに「12月1日に日経平均先物を22,500円で買うことができる権利」を取引するとしましょう。
※オプションの取引ではオプションの購入価格である「プレミアム」を、買い手が売り手に支払います。ここでは、プレミアムが50円としておきます。

12月1日に日経平均先物が22,550円を超えると考えている人は、想定通りになれば、このコールオプションを買うと利益が出せます。

仮に、12月1日に日経平均先物が23,000円になっていれば、「22,500円のコールオプション」を買っているため、権利を行使すれば、コールオプションの売り手から22,500円で日経平均先物を購入することができます。

そして、それを23,000円で売却すれば、23,000円-22,500円-50円(プレミアム分)=450円の利益が得られます。

逆に、日経平均先物が下落してしまい、21,000円になってしまった場合はどうでしょうか。コールオプションの買い手は「権利」を買ったのですから、行使するかの権利を持っています。わざわざ損をする人はいませんから、行使しないと損失は支払ったプレミアムの50円だけに限定されることになります。

このように、権利の買い手は損失を限定しながら利益を求めることができるのです。一方の権利の売り手は、必ずプレミアムを受け取れるメリットがある半面、利益はプレミアム分だけに限られます。思惑が外れると、買い手の権利行使に応じる義務があり、損失が大きくなる可能性があります。

売る権利「プットオプション」とは

売る権利は「プットオプション」と呼ばれます。こちらは、プットオプションを買いたい人(③)と売りたい人(④)が、取引をします。

先ほどと同じく「いまは11月1日で日経平均株価が22,000円」だとします。このときに「12月1日に日経平均先物を21,500円で売ることができる権利」をプレミアム50円で取引できるとします。

買い手は、12月1日に日経平均先物が21,450円を下回っていれば、権利を行使して利益を得ることができます。その利益は、先物の価格が下がっているほど大きくなります。逆に上回っていれば、権利を行使せず、プレミアム分の50円が損失となります。

一方の売り手は、先物価格が21,450円を下回っていれば、買い手の権利行使に応じなければならず、損失が発生します。その損失は、先物の価格が下がっているほど大きくなってしまいます。逆に上回っている場合は、プレミアム分の利益が得られます。

オプション取引は上級者でも難しい仕組み

オプション取引は上級者でも難しい仕組み

オプション取引はこのような仕組みになっています。「決まった株価で買うか売るか」の株式投資よりも複雑で、初心者には難しい取引です。

また、売り手の場合は取引に必要な証拠金を超える損失が発生する可能性もあるため、その点にも注意が必要です。

しかし、プロの投資家にとっては、4種類のオプションを組み合わせることで上手にリスクヘッジができる取引手法です。

その副作用として、オプション取引の権利行使価格が決まる毎月第2金曜日には、日経平均株価が大きく動くことがあります。なかでも、先物取引も含めて大量の精算がある3・6・9・12月の第2金曜日は「メジャーSQ」と呼ばれ、特に注目されています。

このように、個別株の投資にも影響があるため、オプション取引についても概略くらいは理解しておく必要があるのです。

個別株のオプション取引「かぶオプ」とは

日本取引所グループが提供しているオプション取引として「かぶオプ」というものがあります。

これは、ここまで説明してきたオプションを、東証などに上場されているETFや個別銘柄で取引できるものです。個人投資家が普段取引しているような銘柄が対象になっているため、先物オプションなどよりも身近なオプションと言えるかもしれません。

ただ、取引できる証券会社や銘柄はまだまだ限られており、取引も活発ではありません。まだまだ、個人投資家のリスクヘッジ手段としての存在感は低いと言えるでしょう。

まとめ

以上のように、オプション取引は、初心者の個人投資家が取引するようなものではありません。しかし、アメリカではオプション取引が広がってきているように、日本でも存在感が増してくる可能性も考えられます。

難しく感じられる取引のひとつですが、オプション取引の仕組みや現物市場への影響などについては、初心者でもある程度は理解しておくのがよいでしょう。

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