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貸株とは?その仕組みと注意しておきたい逆日歩のこと

貸株とは?その仕組みと注意しておきたい逆日歩のこと

横山研太郎
横山研太郎
記事の難易度:★★★☆☆

信用取引で空売りをするときに借りてくる株を「貸株(かしかぶ)」といいます。お金を借りる代わりに株を借りるのですが、価値あるものを借りるのでコストがかかります。個人投資家にとって、貸株は空売りをするためだけのものではありません。

では、貸株とはどういったものなのか、そして個人投資家が貸株を利用するときにはどのような点に注意すればよいのかを見てみましょう。

貸株とは?

貸株とは、信用取引で空売りをする際に、証券会社が貸し付ける株式のことを言います。投資家は委託保証金を差し入れ、貸株を借りて売却します。このときの売却代金の納める先は信用取引の種類によって違い、制度信用取引であれば証券金融会社(日本証券金融)に、一般信用取引であればそれぞれの証券会社に担保として預けられます。

貸株を返済するときは、原則として株式を買い戻して返済しなければなりませんが、調達した同銘柄の株式を渡して決済することも可能です。これを「現渡し(げんわたし)」と言います。

現渡しでは買い戻して差額を決済しているわけではないため、売却した株式の含み損益はまだ実現していない状態にできます。

貸株にかかる費用は?

お金を借りるのと同様に、株式を借りる場合も「貸株料」というコストを支払います。貸株料は、売り建てた金額に一定の金利をかけた金額を日割りにして計算されます。

注意したいのが、株式取引の約定日と決済日の関係です。取引が成立した日が約定日となりますが、株式と代金が決済がされるのは「約定日から4営業日目」です。そのため、火曜日に空売りして翌日の水曜日に買い戻したのであれば、決済日は金曜日と翌週の月曜日となり、4日分の貸株料を支払う必要があります。

貸株不足になると逆日歩が発生することも

貸株は、現物の株式がなければ貸すことができません。つまり、貸株の量は有限なのです。

仮に空売りが殺到すると、証券会社や証券金融会社が貸株を準備しきれず、株式を保有している機関投資家などから、不足分を追加で借りてくる必要が生じます。このときに株式を借りるコスト(逆日歩)が追加で発生します。

逆日歩が発生するかは事前にはわからない

貸株不足になると逆日歩が発生するのですが、空売りをするタイミングでは貸株が不足するかがわからないため、逆日歩がつくのか、いくらになるのかはわかりません。翌日になってから「前日分の逆日歩」がいくらになるかが公表されます。逆日歩は、1株・1日あたりの金額で表示されます。決済日は週をまたいだ場合には、3日分の逆日歩(貸株料と異なり、決済日当日を含まない)を支払わなければなりません。

例えば、100株空売りして逆日歩が10円だと、3日分であれば3,000円になります。このように、逆日歩が高額になると空売りでの損益が一気に悪化するリスクがあります。

貸株がどれくらいあるかは毎日公表される

逆日歩が発生するかどうかを言い当てることはできませんが、発生する可能性があるかどうかを推測することは可能です。

個別銘柄について、制度信用取引でどれだけの信用買い・空売りが行われているかを表す「信用残高」が毎日公表されています。信用買いで購入された株式は空売りの貸株として利用されるため、買残よりも売残が少ない場合は「貸株が不足していない状態」と言えます。反対に売残の方が多ければ、その状態が解消されないと貸株不足になり逆日歩が発生する可能性があるのです。

ただ、売残の方が多い(貸借倍率が1未満)場合でも、証券会社などが保有する株式で貸株を確保できる場合には、逆日歩は発生しません。

なお、貸株が多くなっているということは、株価が下がると予想している人が多いと言えますが、その一方で、将来に買い戻しが入ることが決まっているとも言えます。そのため、先々の株高要因ととらえられ、逆日歩が発生したことをきっかけに、株価が上昇するケースも見られます。

保有する株を貸株にして金利が得られるサービスも

ここまで、空売りで株を借りることを前提にお話ししてきましたが、個人投資家が株を貸す側になれる「貸株サービス」があります。

貸株サービスを利用すれば、長期保有するつもりの株式を貸し出すことで、貸株金利を受け取ることができるのです。貸し出した株式は売却されてしまうために配当金が受け取れなくなりますが、売り方から配当金相当額を受け取ることもできるため、その分の損失は発生しません。

貸株サービスに対応しているかは証券会社によって異なり、対応していてもそれぞれの銘柄によって金利をはじめとする貸し株の条件が異なります。貸し方になることを考えているのであれば、口座開設をしている証券会社のホームページで確認しましょう。

まとめ

貸株は、空売りをするときに借りるものなので、空売りの仕組みも一緒に理解しておく必要があります。

貸株は有限であるため、空売りの状況によっては貸株料に加えて逆日歩が加算され、思わぬコストが発生することや、将来には買い戻されることも理解しておきましょう。貸株の状況を見て、買い時や売り時を見計らうことも可能です。

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