
機関投資家とは?株式市場を動かす大口投資家の動向を知っておこう!
個人から政府系金融機関まで、大小さまざまな市場参加者が取引をしている株式市場ですが、取引の中心となるのは金融機関や年金基金に代表される機関投資家です。
今回は、機関投資家の定義と機関投資家が株式市場に与える影響を見ていきましょう。
この記事のもくじ
大量の資金を運用する企業や年金基金を指す「機関投資家」
機関投資家とは個人投資家ではなく法人投資家であり、保険会社や金融機関などの大量の資金を運用して、株式や債券に投資する大口投資家を指します。
主な機関投資家には銀行や証券会社、保険会社といった金融機関や、国策銀行や年金基金などの政府機関などです。日本でよく知られる機関投資家の一つに、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)があげられます。
国内上場株式の8割は機関投資家が保有
東京証券取引所(東証)の一部上場株式は、8割以上を機関投資家が保有していて、その中で外国人機関投資家の保有割合は3割ほどです。
現在、外国人機関投資家の売買は市場全体の取引の6割ほどを占めていて、株価や債券価格を動かす原動力にもなっているのです。このように、機関投資家の動向が市場に大きな影響力があることがうかがえます。
機関投資家の運用資金は預かり資産がほとんど
機関投資家が運用するお金は、顧客からの預かり資産です。銀行の預金や保険会社の保険料は、機関投資家の運用資金の原資として活用されているのです。
これは政府系金融機関も例外ではなく、国策銀行は税金、年金基金は年金を原資に運用して利益を上げることを目指しています。
集めた資金を運用で増やして還元する
機関投資家は「元本プラスα」で返すため、契約者からお金を預かって株式市場で運用して増やして顧客に還元するという仕組みを取っています。そのため、損失を出さない安定運用がもっとも重視されるのです。
そうはいっても2008年のリーマン・ショックやその後の世界金融危機のような局面では、どのような運用でも損失を出すことは避けられません。そのため、損失が確定したことは大きく報じられるのです。
株価に大きな影響を及ぼす機関投資家の動き
機関投資家がある銘柄に投資をすると、出来高に機関投資家が株式の売買をしたことがはっきり現れます。ある企業に関するニュースがないのに出来高が増えたら、機関投資家が動いている可能性を考えておきましょう。
めったに取引をしない機関投資家
機関投資家の運用の特徴として、ヘッジファンドなどの例外を除いて「細かい売買をしない」ことがあげられます。
損失を出せない運用をしている以上、十分に調査を重ねた上で売買が前提となるので、高頻度の売買が中心となることはほとんどありません。
機関投資家の投資対象は大型株が中心
機関投資家の投資対象は、取引の成立のしやすさから、発行株数が多く取引高の大きい大型株が中心です。
発行株数が比較的少ない中型株や小型株は、値上がり期待が大きいものの取引が成立しないリスクがあるため、機関投資家が主要な投資対象とすることは限られています。
取引の成立しやすさが優先される
機関投資家にとって売買が成立するかどうかは死活問題です。タイミングを逃して大損することは許されず、必要なときに資金が足りない状況を作ることもできません。そのため、取引が成立しやすい大型株が取引の中心になるのです。
機関投資家の取引を自分の投資に活用する
機関投資家の取引を自分の投資に生かす方法として、ニュースで報じられる機関投資家がどの銘柄を取引しているのかをフォローてみましょう。
機関投資家が売買している銘柄は、値上がり期待が大きい銘柄であり、倒産リスクなどを限定することができます。投資初心者は機関投資家が売買している大型株から投資をはじめてみるのもいいかもしれません。
テーマ型ファンドのフォローも効果的
ニュースを見ずに機関投資家の動きだけを知りたいという人は、投資信託を見てみるのもいいでしょう。
このとき参照するのは、株価指数に連動するインデックスファンドではなく、「成長株ファンド」などテーマ性がある投資信託(テーマファンド)を参考にしましょう。
まとめ
毎日株価チェックをする中で「どうして株価が上がった(下がった)のか分からない時は機関投資家の売買状況も確認してみてください。
また、何に投資していいのか分からないというときにも、機関投資家の動きを追ってみることをおすすめします。
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