
投資初心者も知っておきたい「先物取引」のポイントとは
投資詐欺などのニュースで見聞きすることが多く、ネガティブなイメージが強い先物取引ですが、その動向が株式市場にも影響するなど、先物取引と証券市場は強く結びついていることはあまり知られていません。
今回は、先物取引の仕組みと実際の利用状況を知り、投資戦略へ組み込むアイデアを考えてみましょう。
この記事のもくじ
将来の決済取引を前提に取引する「先物取引」
先物取引とは、「将来のあらかじめ定められた期日に、特定の商品を、現時点で取り決めた価格」で売買することを約束した取引です。
商品を売買対象とする商品先物取引が有名ですが、日経平均株価などの株価指数を使って取引する指数先物取引があり、その日の市場の動向を占う先行指標として注目を集める傾向があります。
リスクヘッジに活用される先物取引
先物取引は、将来の価格を事前に定めることができることから、将来に対するリスクヘッジの手段として活用されます。
また、「買ってから売る」取引だけではなく、「売ってから買う」取引もできるので、短期の値動きに対するリスクヘッジとしても効果を発揮します。
先物と現物の価格差を活用する「裁定取引(アービトラージ)」
先物取引と現物取引の価格差を活用する取引に、裁定取引(アービトラージ)があります。
これは、同一の価値を持つ商品の一時的な価格差(歪み)が生じたときに、割高なほうを売って割安なほうを買い、両者の価格差が縮小した時点でそれぞれの反対売買を行うことで利益を獲得しようとする取引です。
機関投資家などがリスクを抑えながら利ざやを稼ぐときに利用する取引方法であり、先物が買われて指数先物が上昇すると、現物にも買いが集まって値上がりする傾向にあると言えます。
現物市場にも影響する先物取引
経済ニュースで「今日の日経平均株価は、先物主導で上昇しました」といった表現を耳にすることがあります。実際に日経平均先物の影響を受けて、その日の日経平均株価が動くことも少なくありません。
これは、買いたい投資家が日経平均先物を買うことで先物価格が上昇することで前述の裁定取引が入り、相対的に割安になった現物株に買いが集まるため起こります。このように、先物市場の動向が現物市場の価格を形成することもあるのです。
取引時間が非常に長い先物市場
主要な先物取引所先物市場は事実上ほぼ24時間取引されているといえます。
実際に取引しなくても、先物取引が現物の株価に影響を与えるため、先物価格はチェックしておきたいポイントです。
日本市場の寄り付き前に市場動向を推測できる
アメリカやシンガポールの先物取引所で取引された日経平均先物を見ると、東証の寄り付き前にその日の値動きを予測できます。前日比で下落していれば寄り付き価格が前日の終値を下回り、上昇していれば値上がり期待が高いと予想できるのです。
このように、海外の先物取引を見ることで、その日の日本市場の動向を予想できるので、日経平均先物は要注目と言えます。
まとめ
ハイリスク・ハイリターンな先物取引には、株式投資の初心者は安易に参加するべきではありません。
ただし、先物市場の動向は現物の値動きとリンクしているので、先物市場のことも知ったうえで取引できるようにしておいた方がよいでしょう。
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