
投資するべき株式の見極めに役立つ「ファンダメンタルズ分析」
株式投資でまとまった利益を得るためには、その株式が高いか安いかを判断する必要があります。、「ファンダメンタルズ分析」と「テクニカル分析」に大きく分類することができます。
ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析では、どのような違いがあるのでしょうか。今回は、ファンダメンタルズ分析の中から、銘柄分析の基本となるポイントを見てみましょう。
この記事のもくじ
「株価が高い」=「良い会社」ではない
企業は一社ごとに発行済み株式総数や時価総額が異なるため、株価だけで高い・安いを判断することはできないのです。
A社・B社という2社があり、A社の株価が1,000円、B社の株価が2,000円であるとき、「株価が高いB社のほうがよい会社」とはなりません。株価が同じ5,000円のC社・D社があったとしても、両社が同じ実力というわけではありません。それぞれの株価が適正かどうかを見極めるための手法として知られているのが、「ファンダメンタルズ分析」と「テクニカル分析」です。
周辺環境から適正株価を探る「ファンダメンタルズ分析」
上場企業は一定間隔での決算発表が義務付けられていますが、一定期間の収益と費用を表した「損益計算書」や一定時点における資産・負債・純資産を表した「貸借対照表」などの財務諸表が公表され、会社の業績や現状などが詳細に記されてるため、その会社の株価が適正水準かを判断する重要な材料と言えます。また、政治・経済の状況や市場の動向も株価にも影響します。
ファンダメンタルズ分析は、企業を取り巻く市場や経済環境に基づいた株価分析の手法です。大まかな適正水準を把握するのに向いたファンダメンタルズ分析ですが、詳しい分析のためには、会計ルールやファイナンス理論、政治・経済の状況といったさまざまな知識やニュースが必要となります。
ファンダメンタルズ分析で使われる株価指標
ファンダメンタルズ分析で重視される指標はいくつかありますが、中でも1株式あたりの純利益を示す「株価収益率(PER)」や「株価純資産倍率(PBR)」、配当金の利回りを表す「配当利回り」が重視される傾向があります。
その銘柄が属している業界の平均水準と比べて、これらの指標が高いか低いかを見ることで、対象の銘柄の株価が適正水準かを判断できます。
財務諸表から財務指標を計算して比較する方法
株価指標以外の分析材料はいくつかありますが、財務諸表は欠かせません。財務諸表で注目したい数値には、会社の収益性をあらわす「売上高純利益率」や保有する総資産の何倍の売り上げを計上できたかを見る「総資産回転率(ROA)」などがあります。株主としては、「収益性」と「効率性」、「安全性(の逆数)」からもとめる「株式主資本利益率(ROE)」にも要注目です。
これらの指標は、今後の成長が望める企業なのか、他社と比較して優位を確保できているかといったことを見ることができます。その上で、これから株価が上がるのかどうかを判断することができます。
過去のデータに基づいて分析をするテクニカル分析
企業業績は経営戦略や市場環境などに左右されますが、株価はそれらの要素に加えて、「まだ上がる」「もう下がる」といった「投資家の感情」も無視できない要素です。
投資家の感情はどうしても目先の利益に目が向いてしまうので、昔からさほど変わらないと言われています。そこに目をつけたのが、過去のデータを参考にするテクニカル分析です。
テクニカル分析の入門「移動平均線」
テクニカル分析の中でもっとも知られていて活用している人も多いのが、過去の一定期間の株価(終値)を平均し、それを時系列的につないでグラフ化した「移動平均線」です。
移動平均線からどれだけ乖離しているかで「買われすぎ」や「売られすぎ」を判断するのが基本的な使い方です。また、複数期間の移動平均線を引いて交差したタイミングを「ゴールデンクロス」と呼び、相場の転換点と判断されることもあります。ただ、どれくらいの一定期間を基準として移動平均線を引くかは、それぞれの投資家の好みがあります。自分なりのスタイルを作るのもいいでしょう。
まとめ
ある企業に投資するときに株価が高いかどうかは、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析で大まかに判断できます。注意したいのは、これら結果はあくまで「予想」であるということです。分析を通して「予想の精度」を上げることが目的なのです。
さまざまな分析手法を使いわけながら、予想の精度が高い自分なりの分析手法を作ることができるように訓練しましょう。
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