
初心者でも始めやすい「ドルコスト平均法」の効果を検証してみた
2018年からはじまったつみたてNISAでは、定期・定額で買いつける「ドルコスト平均法」での投資に向いている非課税投資枠です。
耳慣れないドルコスト平均法という投資方法は、どのような投資方法なのでしょうか。今回は、ドルコスト平均法の考え方とメリット・デメリット、そして期待できる効果を見てみましょう。
この記事のもくじ
ドルコスト平均法とは?
ドルコスト平均法とは積み立て投資の一種であり、対象の資産を定期・定額で買い付ける投資手法です。
少額の資金からでもはじめられて、時間分散によるリスク管理が期待できることから資産形成を前提とする長期投資に向いています。
ドルコスト平均法のメリット
ドルコスト平均法は、毎回決まった投資金額で購入するため、株価が高いときには少なく、株価が安いときには多く買うことができます。
1株あたりの購入価格を計算すると、短期間ではある程度の上下動があるものの、長期的には毎回決まった量を購入するよりも安く購入できるので、売却時の利益は大きくなり、株価下落時の損失は小さくすることができるのです。
ドルコスト平均法の効果を検証
では、ドルコスト平均法の買い付けと、毎回定量を買い付けたときを比較してみましょう。
①毎月100株ずつ購入(毎回決まった量を購入)
②毎月5万円ずつ購入(ドルコスト平均法)
上記の条件で、株価が1月500円・2月400円・3月600円・4月450円というように推移したとします。それぞれの場合で購入できた株数と、4か月トータルでの平均購入単価は次の表の通りです。(※購入株数の端数は切り捨て、購入した株数分だけの投資金額で平均購入単価を計算)
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 保有株合計 | 平均購入単価 | |
---|---|---|---|---|---|---|
株価 | 500円 | 400円 | 600円 | 450円 | ||
①の購入株数 | 100株 | 100株 | 100株 | 100株 | 400株 | 512.5円 |
②の購入株数 | 100株 | 125株 | 83株 | 90株 | 398株 | 500.7円 |
比較してみると、ドルコスト平均法での買い付けは、毎月一定数を購入するときと比べて、平均購入単価を2%ほど低く抑えられたことがわかります。
ドルコスト平均法の効果は値動きに左右される
値動きが小さい銘柄なら、ドルコスト平均法による効果も小さくなります。毎月の株価を1月500円・2月450円・3月550円・4月525円というように変えると、結果はこうなります。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 保有株合計 | 平均購入単価 | |
---|---|---|---|---|---|---|
株価 | 500円 | 450円 | 550円 | 525円 | ||
①の購入株数 | 100株 | 100株 | 100株 | 100株 | 400株 | 506.2円 |
②の購入株数 | 100株 | 111株 | 90株 | 95株 | 396株 | 503.3円 |
ドルコスト平均法のほうが平均購入単価を抑えられていますが、その差は0.5%程度しかありません。このように、ドルコスト平均法は値動きに一定の幅がある銘柄の方が向いているのです。
毎月の定額購入に限る「つみたてNISA」
ドルコスト平均法を活用する買い付け方法としては、株式累積投資(るいとう)や投資信託の買い付けがあります。
特に、2018年からはじまった資産形成を目的とする「つみたてNISA」は、買い付けをドルコスト平均法に限っている点が大きな特徴といえます。
値下がりすると損失が発生することには変わりない
ドルコスト平均法は損失を抑えられる投資方法ですが、必ずしもプラスになるわけではありません。ドルコスト平均法でも、暴落局面では損失を回避することは不可能です。
1990年代の日本の土地バブルをはじめ、2000年代のアメリカのITバブルや2008年のリーマン・ショックのように、相場全体が急落しているときには大きく目減りしてしまいます。投資をするときには、投資対象のリスクを把握した上で、損失が発生することも考えて投資する必要があることには変わりありません。
まとめ
まとまった投資資金を用意するのが難しい個人投資家にとって、ドルコスト平均法は運用成績の改善が期待できる投資手法であり、資産形成を目的とする投資ではぜひとも利用を検討したい投資方法です。
ただし、相場環境によってはドルコスト平均法でも損失を回避できるわけではありません。将来性のある銘柄や金融商品をしっかりと見定めることが、投資で得られる利益を増やすことにつながると理解して、投資をするようにしましょう。
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